成熟から成長へ(探求編集)バンド)「Slowdown 減速する素晴らしき世界」ダニー・ドーリングを読んでRyuji.M                          

成熟から成長へ(探求編集バンド)
「Slowdown 減速する素晴らしき世界」

ダニー・ドーリングを読んで                Ryuji.M
 私は、田舎の町から高校の修学旅行で東京の大都会を訪れた。その時、バスの窓から東京の風景を見て、地方都市にはない何か大きな「勢い」というか「エネルギー」を感じた。その大都会での生活を経て、なぜか自然への憧れが強まった。数か月で目まぐるしく移り変わる大都会の風景とは反対に、何十年も変わらない祖父母の住む岡山の田園風景には心が癒された。祖父が「ここは天国じゃ」と会うたびに言っていたそののどかな風景も、過疎化が進む中、いつかは荒れ果てるのではないかと危機感を覚えた。この日本の原風景を守りたいという気持ちになり、そこでこの地域に移住し、気がつくとあっという間に15年が経った。この地域の魅力を感じ、移住して良かったと思っている。
 そんな時、「スローダウン」という本を読み、「成長から成熟」への探求編集バンド(読書会)に参加する機会があった。その「スローダウン」の考え方に共感した。経済成長や物質的な豊かさだけでなく、地域社会との絆を大切にし、心豊かな生活を送りたいと思っている。これこそが私にとっての「スローダウン」であり、これからの日本は「成長から成熟へ」という価値観が変わる転換期だと感じている。
「スローダウン」の本の中で、10年前は「ハイスピード社会」という本が多かったと書かれているが、今はそのような本のタイトルは以前よりも減ったように感じる。私は、「ハイスピード社会」が人間の急速な経済活動による二酸化炭素排出量の増加と気候変動と結びついていると考える。1970年代の公害による大気汚染など環境問題が世界で初めて浮き彫りにされ、地球温暖化など地球の環境問題が待ったなしの状態であることからも、資本主義の終わりが近づいていると感じている。
 これからは、世界全体の経済の不平等や地球環境問題に目を向ける必要がある。地球規模で考える必要がある。先進国だけでなく、貧しい国や人々の生活環境も考慮しなければならない。私たちの経済活動が地球環境に与える影響を意識し、「スローダウン」の考え方を取り入れていきたい。

 「スローダウン」の先頭に立っているのが、日本であり、東京であるとダニー・ドーリングは述べている。私は「成長から成熟」の生活スタイルを取り入れ、心豊かな暮らしを送っていきたいと思っている。私は、それが、時代が求める「新しい考え方」であり「新しい生き方」だと信じている。

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