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ラブホテルの話

たまには(?)純度100パーセントで猥談をしてみようと思う。ラブホテルって楽しいよね!という話題だ。

ラブホテルとは……なんて今さら説明するまでもないが、まあ基本的にはそういうことをするためのホテルだ。まずそういうことをするという状況にテンションが上がるというのもあるが、日常空間から隔絶された、そういうことをするためだけに創られた非日常空間は、真逆な例えで恐縮だがディズ○ーランドのような楽しさがあるよねと思うのだ。

まずホテル街を歩きながら、どこにしようかねなんて話をする時間が楽しすぎる。別にどこもそんなに違いはないのに、ふらふらとラブホ街をぶらついて物色する楽しさ。ホテルに入る前にちょっとコンビニに寄ってお酒を買ったり、じゃがりこの味を選んだり、チョコを買ったりするあの時間も良い。そんなこんなでようやく入ったホテル、タッチパネルで部屋を選ぶのも楽しい。ワイワイと選ぶのも良いが、他のカップルと出くわさないかとキョロキョロしたり、部屋なんてどこでもいいから早く2人になれる所に入ろうよとソワソワ選ぶのもまた良い。そうやって部屋に向かうエレベーター。あのたった数秒に何の話をするか。そう言えば、「ラブホのエレベーターでキスをしない男はダメだ」なんてネット記事を読んでから、ここではキスをすべきなのだろうかという想いが一瞬頭をよぎるようになった。そんなふうに浮ついたまま何でもない話をするのもまた良い。

いざ部屋に入ってからがまた楽しい。部屋をぐるりと見渡してひと通り色々コメントをする。ベッドやソファーのレイアウト、トイレはこっちか、ここはクローゼットか、アメニティが色々あるね。お風呂はまた一段とテンションが上がる場所だ。広いお風呂だ!わーい!と年甲斐もなくはしゃいでしまうし、はしゃいでしまう自分を演じて相手の緊張を和らげようとしたりする。カラフルな入浴剤を入れるのもいいし、バブルバスにして泡がモコモコのお風呂にするのはまた格別だ。お風呂にお湯を溜めながら、とりあえずソファーに座って買ってきたお酒を飲み始めながらする何気ない会話。そこからふとスイッチが入って空気の色が変わって何かが始まる瞬間。ジェットコースターが動き出したような気分になる。

お風呂にギュッとして入る時間。なんとなくしっくり来る体勢に収まる瞬間があるものだ。髪を乾かすのに手間がかかるから、何かが起きる前のお風呂の時は頭を洗わないんだなぁとか、そんな小さい気づきを得られる瞬間も良い。タオルを取ってあげたりする何気ないやり取り。並んで歯を磨く時間は、何だか粛々と準備を進めている感じがしてどこか滑稽だなと思う。いざ事が始まる時、明かりはどれくらい暗くするのかとか、どういうプロセスを経て事を進めるのかとか、短い言葉でコンセンサスを取り合いながら進んでいくのも良い。

一戦を終え、ベッドに寝転がって天井を見上げながらするとりとめのない会話。ラブホで過ごす楽しい時間ランキングで不動の1位に君臨するのはここだ。くだらない話をしたり、さっきの戦い(?)のフィードバックタイムになったり、生きるとか死ぬとか哲学とか文学とか、妙に深い話をしたりすることもある。裸で触れ合った直後だからこそ出来るような話があるのは面白いものだ。そのままふんわりとどちらともなく寝落ちてしまったり、何かのきっかけでまたスイッチが入って連戦になるのもまた一興だ。泊まりにせよ休憩にせよ、出る時はバタバタとしてしまいがちなのもまた楽しい。後で食べようねなんて言って冷蔵庫に入れて置いた生チョコ、あ、結局食べないまま忘れてきちゃった!なんてホテルを出てから気づくあの瞬間。ホテルでバイトをしている人から聞いた話だと、そうやって忘れていったものは未開封ならばスタッフが美味しくいただいてくれることもあるようだ。よかった。

つい興が乗って語りすぎてしまった。大人のアミューズメントパーク、ラブホテル。最近ちょいとご無沙汰なのでまたチャンスがあれば遊びに行きたいものですね。

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