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【自己紹介】前田勇樹 : YouTubeをはじめた沖縄の若手歴史研究者

皆さん、こんにちは!
はじめまして、このアカウントの管理人をやっている前田勇樹です。

この記事では、僕の自己紹介最近YouTubeに手を出し始めた経緯について書きたいと思います。

自己紹介 (こういう人間です)

【簡単なプロフィール】
・1990年5月生まれ、福岡県出身
・趣味:スポーツ観戦(野球・サッカー)、ドライブ、飲み歩き
・学歴:福岡大学歴史学科(学士) → 琉球大学人文社会科学研究科(修士)
 → 琉球大学人文社会科学研究科(博士)
・2018年3月に博士号(学術博士)取得

【現在の職業や所属】(2020年11月現在)
・琉球大学島嶼地域科学研究所ポスドク研究員
・名桜大学非常勤講師
・沖縄国際大学非常勤講師
・沖縄県立看護大学非常勤講師

沖縄観光コンベンションビューロー 育人(はぐんちゅ)講師
・法政大学沖縄文化研究所 国内研究員
・沖縄県立芸術大学附属研究所 共同研究員
・名桜大学環太平洋地域文化研究所 共同研究員

色んな肩書がありますが、実際に給料をもらっているのは上半分の4つです。この他にも「歴史研究者のフリーター」と称して、沖縄の歴史に関する講演やツアーガイドをやったりして日銭を稼ぎながら何とか生きています。
あっ、既婚です。(最近、『研究者の結婚生活』という本が出ているので大変興味があります)

【専門分野】
専門は琉球史・沖縄近代史です。
琉球処分」と呼ばれる明治日本による琉球王国の併合過程や、沖縄県になってから県令(今の知事)として赴任してきた殿様たち(鍋島直彬、上杉茂憲)の研究であったり、最近は明治時代の沖縄で発生したコレラ・天然痘・豚疫など感染症流行の歴史に関しても研究しています。

ざっくり言うと、明治時代の沖縄の政治と社会に関する歴史研究が専門です。

近代の沖縄に関するトピックや沖縄の史跡紹介、研究のこぼれ話であったり、論文や本の紹介など今後投稿できればと思います。

詳細な実績や研究歴については、リサーチマップをご覧ください。


色々あってYouTubeはじめてみた!

こんな感じで、大学院を出た後から毎年「歴史」に関する色んな仕事を掛け持ちし、何とか生活費を稼ぎながら研究をやっている僕ですが、最近新たな事に手を出し始めました。

それが・・・YouTubeです!

YouTubeを始めた経緯であるとか、チャンネルの方向性とか、動画で語っても何だか微妙なので、せっかくですからnoteに書き綴りたいと思います。


【YouTubeを始めた経緯】


一言でいうと、大学のオンライン講義に味を占めて楽しくなってきたことがきっかけです。

 未曾有の新型コロナウイルス流行は、大学の講義形態を一気に変えてしまいました。
2020年前期、どこの大学とは言いませんが、突然事務から連絡がきて、「来週(4日後)からオンライン講義でお願いします」と一言。。。

準備期間は!?どうやってやんの!?という心の声は一旦胸にしまって、きっと学生さんも教員も事務方も大混乱の中でオンライン講義が行われるのだろうと予想し、学生さんが一番慣れている媒体で講義をやろうと考えて、YouTubeのアカウントを開設しました。

結婚式の動画を作成した際に使った動画編集ソフトをPCに入れていたので、最初はiPadで収録した動画に編集ソフトを使って講義資料のスライドを入れたり、効果音を付けたり、それっぽく編集して投稿し、それを視聴してもらう形でオンライン講義を行いました。

2020年の前期は、毎週動画の収録・編集・投稿を繰り返し、我ながら結構な数の動画を投稿したと思います。動画を作っているうちに、ZOOMを契約し、マイクを買い、ライトを買い、グリーンバックのカーテンを買い・・・と、前期が終わるころには自宅の仕事部屋がすっかり収録スタジオに変わっていました。

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また、せっかくなので対面講義ではできない事をやろうと、外ロケに行って講義のオープニングを撮るという事もやってみました。


そんなかんなで、無理やりはじまった前期のオンライン講義を通して、ある程度の設備が自宅に揃い、YouTubeや編集ソフトの扱いにも慣れた事で、ふと閃いたのが琉球沖縄史に関する動画コンテンツの投稿でした。


【YouTubeチャンネルについて】

僕自身、YouTubeは毎日見ています。沖縄のYouTuber「ハイサイ探偵団」とか、ラーメンYouTuber「SUSURU TV」・・・等々、色んな動画を見ながら寝落ちするのが日課です。

最近、YouTubeを見ていてすごく思うのは、元々「素人」の領域であったYouTubeに一気に「プロ」が参入している傾向にあるという事です。大物芸能人やアイドル、スポーツ選手など、その道の「プロ」が出演し、専門のスタッフが編集する動画が最近一気に増えたように思います。

一方、アカデミックなコンテンツに目を向けると、書籍の紹介であるとか、史跡や観光地の紹介については、これまでにも色んな方が動画を投稿されています(自分もサラタメさんの書籍紹介は、時々参考にさせてもらってます)。ただ、少しだけ専門的に踏み込んだ内容のコンテンツというのは、まだまだこれからなのかなと思っていたところでした。

日本史界隈では、大河ドラマの歴史考証を担当されている小和田哲男先生が最近「戦国・小和田チャンネル」を開設し、大河ドラマの進行に合わせた動画を投稿しています。大河ドラマという入り口から少し入った戦国史研究の世界を紹介する面白いコンテンツだと思います。

大学のオンライン化によって「全国の大学教員総YouTuber化」なんて言われるご時世ですので、遅かれ早かれこれからYouTubeに参入する研究者は今後ドンドン増えると思います(というか、それが普通になると思います)。

また、大学の講義のオンライン化と軌を一にして学会のオンライン化が全国的に急速に進んでいます。これまでだと結構な出張費をかけて参加しなければならなかった遠方の学会に、自宅から参加できる時代が驚くほどスピーディーに整備されました。この流れは今後さらに加速するでしょうし、学会のYouTube配信も普通になっていくと思います。


そうであるからこそ、がっつりとしたアカデミックな議論は「学会」でやればいいと僕は思っています。僕が自分のチャンネルで目標にしているのは、琉球沖縄史の入り口から少しだけ踏み込んだ動画コンテンツ作りです。


最近は大学生でも長い文章を読まなくなってきた時代と言われています。
極端な話ですが、Twitterの140文字が限界なんていう話も。。。


そのようなご時世において、動画で視覚的に学術成果を発信していくコンテンツは重要な意味を持つと思います。

僕の想定では、高校を卒業したばかりの大学1年生に琉球沖縄史の面白さ、奥深さを理解してもらえるレベル・難易度を想定して動画を発信しているつもりです。

例えばYouTubeのコンテンツとしてあまり取り上げられてこなかった学術論文の紹介であるとか、一般的な観光地紹介とは違った少しマニアックな視点からの史跡紹介であるとか。入門や基本情報の少し先に広がっている琉球沖縄史の奥深い世界を分かりやすく発信する事を心がけています。


なかでも学術論文の紹介は面白い取り組みになると思います。

本を一冊読むのは、研究をしている人間でもそれなりの労力がかかります。一方、論文であればだいたい30~40ページ程度の分量で、最新の成果を知ることができます。もしかしたら、動画で取り上げた論文が、後に著書になる過程を視聴者の皆さんは目の当たりにするかもしれません。
 ※一般的に「研究書」と言われる種類の書籍は、何本か論文を出して、それらをまとめたり、修正を加えたりした上で出版されます。

そう考えると、発信する側、運営側、そして視聴者にもそれほど負担にならずに触れる事ができる優良コンテンツが、実は「学術論文」なのかもしれません。

《参考リンク》
栫大也「《沖縄を返せ》のプラティーク」
麻生伸一「近世琉球の職人集団と王府」


以上、自分のチャンネルやYouTubeの研究利用の展望について長々と語ってしまいました。

ちなみに、このYouTubeチャンネルは一応チームでやっているので、多分そのうちチャンネル名も変わると思います。ただ、目指している方向性や内容が大きく変わることはありませんし、入門書や歴史ネタ本と学術研究のちょうど真ん中の領域から琉球沖縄の歴史に関する多様なコンテンツをドンドン発信していきたいと思います。

このnoteをはじめとする僕ら若手研究者の他の活動も、基本的にはこの点を意識して活動を展開していくつもりです。自分の研究活動を社会に還元すると共に、自分の研究を見つめなおす機会となるでしょうし、そういった能力が今後研究の世界には求められていくと思います。


なので、繰り返しになりますが僕はこのチャンネルを新たな「学会」にする気は更々ありません。ご飯を食べたり、晩酌したりしながら、ゆるっと見たり、気軽に色んな人と交流できるコンテンツを作ろうと試行錯誤しているところです。


ぜひ、大学等でポストに就かれている先輩方や、沖縄歴史研究界隈の皆さまには、生暖かく見守っていただきつつ、お気軽に参加して頂ければと思います。


前田 勇樹

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最後までご覧いただきありがとうございました。
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