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4/13『ぼくのお父さんはドクちゃん』メデイセレ発刊 枯葉剤の犠牲者 グエン・ドクさんの絵本に関わって来られた方々とのシンポジウム 報告レポ-ト


ゲストは、グエン・ドクさん(絵本の主人公)と児島惠美子さん(文)、特別ゲストとして、“ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会”代表の藤本文朗氏らも参加し、約60人の参加者で会場が満席となりました。

今回のイベントでは、5月3日からの劇場公開を控えているドキュメンタリー映画「ドクちゃんフジとサクラにつなぐ愛」の特別試写会のために来日されたドクさんにお越しいただき、絵本「ぼくのお父さんはドクちゃん」発刊に関わった方々とともに、“ベトちゃんドクちゃん”を次世代に語り継ぐ意味を考えました。

ベトナム戦争当時、反戦のデモは世界中であったそうです。日本でも平和憲法は根付いていて、「ベトナム戦争に日本は加担するな!」と70年代まで続いた反戦運動の中で起きたのが、1967年の京大生、山﨑博昭さんの死だったそうです。イベント会場ドーンセンタ-のすぐ近くにある大手前高校で学び、数学の成績がトップだった山崎博昭さんのことは伝えたくて冒頭でお話させていただきました。

第一部では、「ドクさんの生い立ち、ドクさんの現在」にスポットを当て、第二部では、「戦争と化学兵器、障がい者の関係」という視点でご登壇者からお話をいただきました。

ドクさんのお話から、メデイアでは、表面的なことしか伝えられていないことがわかりました。現在、ドクさんはあたかもすべてが平和で幸福の中におられるかのように伝えられていますが、実際のドクさんのお話を聴くと、その後も何度も手術をされていること、困難な状況の中で懸命に生きておられることがわかりました。ドクさんのお話の中で、印象的だったのは、「この絵本と、映画だけが本当の自分のことを映し出している」と仰ったことでした。

今回のドキュメンタリー映画「ドクちゃんフジとサクラにつなぐ愛」のプロデューサー リントン・貴絵・ル-スさんは、なぜこの映画を作ったのか?という問いに、

「枯葉剤の犠牲者、ドクさんのことを過去のことにしてしまうことの危機感、ロシアが、ウクライナに攻め込んだ時に、戦争に対する怒りから日本からベトナムにいるドクさんに向けて電話をされた。ドクさんの戦争は、6歳の時から終わっていない。それなのにまた戦争が始まった。ドクさんの人生は壮絶で、沢山の愛をうけているが、愛だけでは決して語れない。」と涙を流しながら話されました。

映画のタイトルは、英語では、「Dearest・Viet」(デイアレスト・ベト)
ドクさんが、ベトの存在を自分が表現できていない、ベトがいないと言われたためそうされたそうです。泣きそうになりました。


ルースさんが、「ドクさんがすべてをさらけ出してくれた」からと話されると、ドクさんも、「奥さんにも言えないようなことでも話せる」という会話から、お2人の信頼関係を感じたのでした。


「校則なくした中学校、たった一つの校長ルール」の著者である西郷孝彦先生が東京からお越し下さっていました。試写会ですでに映画を観られていることから、感想と質問をいただきました。

まず感想は、「ドクさんの家族の映画でした、日本の小津安二郎という監督が、「家族」をテーマにたくさんの映画を作っていましたが、ドクさんとご両親の確執などを丁寧に撮られていて、ぼくは、ずっと右目から涙が流れていました。そして、この映画で、はじめて本当のドクさんの内心を感じることができました。本当に感動したので、ぜひ観て欲しい」と言われたのでした。

また、質問としては、「映画で子どもたちへの愛情をいっぱい感じました。一番気にかけておられるのは、お2人のお子さんのことではないですか?」と尋ねられたのでした。

質問に対してドクさんは、「子どもたちのことを一番心配している。子どもたちに枯葉剤の影響が出ないか?また、子どもたちと共に自分自身が、いつまで生きられるのか?」と応えられたのでした。

小児科医でもあられる尾崎望さんから、枯葉剤のことについて教えていただきました。化学兵器、枯葉剤を散布された地域で、結合性双生児や、無眼球症の胎児が生まれたりしていて、子どもや、孫にまで影響が出てしまうかも知れないという現実があります、感覚的には、こんな酷いことになっているのに、科学的には、現時点では、因果関係を認められていないそうです。

そのため、枯葉剤による障がい者と思われる方々に対する生活の保障も少ないそうです。

ベトナムから来られて12年という大阪ベトナム協会のカンさんは1992年生まれです。カンさんはドクさんのことも最初は何も知らなかったけれども枯葉剤の犠牲者のこと、日本の方がこんなに向き合ってくれていることを知りベトナムでも伝えていきたいと涙声になりながら訴えられました。

最後に、小学校4年生の宝上龍之介君から、ドクさんにと心を込めて描いた絵のプレゼントがありました。ベトナムの戦争証跡博物館で、ホルマリン漬けにされた胎児を見た龍之介君は、「身体の不自由な人、動けない人を見て、頑張って欲しいと思った」と、しっかりと平和のバトンを受け取るように語っていました。

戦争による爪痕がどのくらいの間、世代を越えて苦しめるのかを色々な角度から考えさせられる有意義な時間でした。

私たち自身が、二度と戦争を起こさせないために、権力の監視、そして平和のための活動をしなければいけないと改めて感じました。

5月3日からの劇場公開を控えているドキュメンタリー映画「ドクちゃんフジとサクラにつなぐ愛」は、お子さんへの愛情だけを表現している映画ではなく、人生を狂わせてしまう戦争の悲惨さ、歴史的な背景を知ってもらおうと、100時間にも及ぶ取材をされて作られたといいます。ぜひこの機会に、観ていただきたいです。

今回、協賛してくださったNPO法人美しい世界のための内本年昭先生、児島恵美子さん、このたびはご尽力ありがとうございました。


藤本文郎さん、尾崎望さんありがとうございました。

ベトナムの枯葉剤犠牲者のために長年続けて来られた活動に改めて敬意を表したいです。

隆祥館書店ホ-ムペ-ジ
https://ryushokanbook.com


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