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なぜ「ラーメンズ」が好きなのかを敢えて言語化

「好きな芸人は?」と聞かれたら、私は必ずラーメンズの名を挙げる。

ラーメンズとは、日本のお笑いコントユニットで、
メンバーは小林賢太郎さんと片桐仁さんの2名。

「どういうところが好きなの?」と言われても今までは言語化できなかったが、
せっかくnoteで書くことが習慣化してきたので今のうちにできる限り文字にしておこうと思う。
基本的に私は何に対しても「好きに理由なんてない」なんてロマンチックなことを常に言っている。
「何故好きなのかは別に他人に説明する必要性は全くない」と思っており、「理由を説明できなければ好きと言ってはいけない」というのは就活至上主義の悲しい負の遺産だとすら考えている。
そんな私が好きな芸人を好きな理由を語るのだから、タイトルにも「敢えて言語化」とつけているわけである。

私が初めて見たラーメンズのネタは「日本語学校アメリカン」。当時所属していたバスケチームのおじさんが、試合の打ち上げの時に酔っ払いながら教えてくれたんだっけな。
設定としては「アメリカ人が日本の歴史を学ぶ」というもの。
教室の鍵がかかった扉を銃でぶっ壊すところから始まり、
どちらかというとあまり放送しない方がいい言葉がいくつか並ぶ。
ここまで見て、「あ、おもんねぇ」が正直な感想。日本の歴史上の人物が何となくアメリカンに発音されていく中、私の酔いも少しずつ冷めかかっていた。
そんな時、突如演じることをやめて我に帰ったような小林賢太郎さんから発せられた「田中角栄」という、あまりにもネイティヴな日本語にかなり驚いた。いや、驚きというか喜びというべきだろうか。
初対面の人に対して「あ、こいつとは仲良くなれる!」と確信した時と同じ感覚だった。
ネタの開始からわずか70秒、この瞬間にはっきりとラーメンズのファンになったことを覚えている。

この後、「田中角栄」に語呂が似た英語が並び、
当時20歳の私はカルピスチューハイ片手に大興奮。
あの頃、私は酔った時は話の流れにほとんど関係ない、「語感」の似た言葉を次々に発するというコミュニケーションの取り方をしており、
この「日本語学校アメリカン」は、まさにそれであった。
漫才によく見られる「意外なボケ」ではなくて、言葉の「感じ」でコントが進んでいくところにとてつもない快感を覚えたのである。


もう一つ、私の大好きなネタを紹介しておきます。
無論、こちらも「音の雰囲気」のようなものが題材。

「あのさ、『ブリタニカ』って、なんか色々なことが載ってそうな感じするじゃん?名前的に」
みたいなものをたくさん集めていき、何故かそれだけで謎のヒロイン物語ができてしまうというコント、いや、これは演劇だ。
「音の雰囲気」という私の大好物に加え、「一見するとくだらないことに、これでもかと本気を出す片桐仁さん」という状況があまりにストレートに寄り道せずに私の脳に快楽を与えた。

ラーメンズのコントにおいては、小林さんはまさに「変幻自在」で色々な役柄を様々なキャラで演じているのに対し、片桐さんはどのコントでも俳優として出演するドラマでも、全くキャラが変わらない。
「手を変え品を変え片桐さんを崩そうとする小林さんと、びくともしない片桐さん」のような構図(実際そうではないのかもしれないが私にはそう見えた)も、私のツボに入ったのだろう。

とりあえず語ってはみたが、理由になっているのだろうか…。
自分の中では「好き」を言語化できたということで、満足のいく記事ではある。

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