自己認識が目標達成にどう活きてくるか

自己認識の大切さってなんとなくわかる。でも人から「自己認識って重要だよ! あなたは自己認識高い?」とか言われると何とも言えない気持ちになる。そう、なんかうざい笑 でも、そもそも何のために自己認識を高める必要があるんですかね。

とその前に、何でそんな分野に興味があるかと言うと、元企業の採用担当として普段から就職活動学生と接する機会が多かったのだが、明らかに自己認識が一つの課題になっていると感じたから。


経団連の指針では6月以降を面接解禁としている。しかしリクルートの就職白書では2018年5月までに内々定出しをすると回答した企業は57.2%を占めたという。今のスケジュールが続く限り、この傾向は今後より顕著になるだろう。

昨年夏くらいから毎月、個人的に学生向け就職相談会を開催している。
「どうすれば内定が取れるか」ではなく
「自分が納得できる形で就活を進めるためには『今』何をすべきか」
をテーマとして、就活あるある話を交えながら座談会を2~3時間行っている。
これまで130名程度の学生に参加頂いたが、
昨年夏の実施時は1ヶ月20名、
先月1月実施時は70名と、
就活への意識の高まりを感じる。

そんな中危機感を感じた。

日が経つにつれ質問の内容が、
「どうすれば面接に合格できますか?」
「どういうテクニックを磨けば内定が取れますか?」というお手軽就活テクニックに関するものが増えてきたからだ。

企業の採用担当をやっていた身としては「こんな風に学生が考えるようになったのは企業側にも責任あるなー」とも思う。なぜ学生からそういった質問が増えたかといえば、その場限りの就活テクニックを磨いて実際に内定を得る学生も多く、そもそも企業側もそれを見破れていないからではないか。(就活テクニックを全否定しているわけではないけども)

確かにテクニックが重要な側面もある。
だけど、社会人になった後に何を成し遂げたいのか、どう働きたいのか、理想の自分になるためには何をした方がいいのか、という土台がしっかりしていないと、入社後に思い悩むことも増えると思う。つまりどこに目標を置くのか、目標設定が大切になってくる。

毎回、就職相談会のアンケートをとっても、「そういった視点はありませんでした」とか、「自分の価値を自分から落としていたことに気づきました」とか、「入社後にどうありたいかとか考えたこともなかったです」みたいな意見が多い。
意外だったのは先日、昨年夏に就職相談会に参加した学生から「あの時話した内容が意外にも今になって活きています」というメッセージをもらったこと。(「意外にも」役立ってよかった笑)

目標を達成できるようになるためには、その土台作りとして「自己認識」がキーワードになってくるのでは?ということだ。

人は自分が「何」なのか、意外とわかっていない。「何がしたいのか」「何をすべきなのか」「自分はどんなことに興味があるのか」がわからない状態でどう仕事するのか。

自己認識? うさんくさ、宗教っぽい。と言われたことがあるが笑、ようやく本題。自己認識が高いと何に活きるのか??

「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」では、多くの人は会社の中であることに多くのエネルギーを注いでいるという。

それは「自分の弱さを隠すこと」である。当たり前だ、世の中の大多数が「あの人は優秀だ」と思われたいのだから。だけど、「優秀だと思われる振る舞い」をしたとしても「優秀だと客観的に認められる」とは限らない。そこに自己認識の重要性が隠されている。

ターシャ・ユーリックの「リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点」の中で自己認識は「内面的自己認識」「外面的自己認識」の2つと定義されている。

では、もし「優秀に見られたい!」という気持ちが強すぎる人で内面的自己認識が低かったらどうなるか。

「探索者」or「八方美人」ゾーンへようこそ、である。

「自分が何をすればいいのかわからない」

「自分はこうあるべき! 他者からこう見られたい!」

という気持ちが強すぎると「本来やるべきこと」に集中できず、いつまでたっても目標設定ができないし、達成も難しくなる。

「いや、自分はできるんだ! 機会さえあればできる!やればできる!」と来るかもわからない将来に期待をし、コントロールできる「今」に集中できない。

また、実は自己認識は目標達成以外にも「仕事上のストレス」にも密接に関連してくる。

「北欧の最新研究によるストレスがなくなる働き方」では仕事に関連するストレスは以下2つの要素に集約されるという。まさに1.に対して自己認識が重要になってくるのではないか。

1.低い自己イメージと少ない自尊感情:否定的な自己イメージを持っている

2.実現把握力の低下:現実を解釈する自分の能力に対する信頼を失っている。

製造業からサービス業へのシフトに伴って、僕らの仕事は「付加価値を出せ!」とか「もっと面白いアイディアを持ってこい!」とか言われる時代になり、世の中ではクリエイティビティを引き出すためにはどうすればいいのか、といった類の本が溢れている。要は、仕事とアイデンティティーの融合が進んでいるんですかね。

考えてみましょう。
自分がデザイナーだったとする。
今やどの仕事でも同じだが、デザイナーは自分のアイディアや美的センスを武器にしてお金を稼いでいるわけだ。

あるプロダクトを上司に見せた時「お前、ほんとセンスねーな。こんなのがクライアントにウケると思ってんの? 全く・・・あ、でもお前の人格を否定しているわけではないから! そこは切り分けて考えて!」なんて言われたらどう思います? 
(いや、自分のこと全否定してるやん、ってなるでしょ笑)

仕事の仕方や少子高齢化が進む今、
「公私混同は悪」「仕事と家庭の切り分け」といった常識から抜け出して、いかに全人格を投入している「仕事」においてその人の成長をサポートできるか、といった視点でマネジメントすることが大切になってくると考える。

「私生活の悩みを職場に持ち込むな!」と言われるが、

「結婚しようと思ってた彼女にフラれた・・・。精神的にめちゃしんどいけど、プライベートと仕事は分けないと。よし、気持ちリセット! 今日もクリエイティブな仕事を!」

なんて僕ら人間はそんな単純な構造にはなっていないのであります。

「目標達成」のためにも、仕事に関わるストレスを抑えるためにも「自己認識」が重要な要素になってくる。
その上で、「自分は何の分野の知識を深掘りしたいのか」「自分は市場の中でどうポジショニングするのか」を深掘りしていけば、ゴールまでの道が明確になるかもしれない。

自己認識? なんだそれ、今どんくらいなんだよ、と気になる方は早速こちらからどうぞ。無料とは・・・ありがたい笑

INSIGHT QUIZ

※面白そうだから、日本語訳しています。日本語で取り組んでみたい方は少々お待ちください。

(大学時代、僕の性格と見た目から野球部同期に「日本兵」というあだ名がつけられた。外面的自己認識がえらいことになっていたと痛感。坊主頭が懐かしい・・・)



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