【家族のあり方】

あ、僕、妹ができたんです。
そう、ついにこの歳で。

実家が生後4ヶ月のゴールデンレトリバー、
ベルちゃん(女の子)を飼い始めたのである。
昨日は初の面会。

な、なんだこのかわいさは……。まさに、
「家族が増えた」という言葉がしっくりくる。

ただ、何よりも驚いたことがある。ベルちゃんが来たことで、あることが大きく変わっていた。

家の中に流れる空気がガラリと変わっていた。
あんなにも幸せそうな母の顔を見たのは何年ぶりだったか…。

実はちょっとびっくりな話がある。

ここで言うべきことではないかもしれないが(一部の人は知ってると思う)、母は僕が産まれる前後から精神的な問題を抱えていた。
世の中では立派な病名がつく。

そしてそのことを僕が知ることになるのはそれから20年後。

就職する直前の1月、22歳の時だ。つまり、それまでずっと知らなかった。親としての優しさから「言わないでいてくれた」。

それを始めて知った時、僕は激しく動揺した。
隠されていた事実と、気づけなかった自分への責め、そして今後の関わり方に対してである。就職も間近だったが、心の準備どころではなかった。
(なんだこのドラマ的展開…みたいな)

その後、いろいろなことが起きた。
初めて目にする母の姿に再び動揺し困惑した。もはや、自分一人ではとてもではないが自分の感情をコントロールできなくなっていた。

そして、僕は自分から、母を遠ざけてしまった。

・どうコミュニケーションを取ればいいのか
・どう母の前で笑えばいいのか

そんな簡単なことすら忘れてしまったのだ。

「怖い」のである。

何が怖いのか、母のことではない。あれだけ愛情をもって育ててくれた母を「どう接すればいいかわからない、会話することが気乗りしない」と思っている薄情な自分が「怖い」のだ。

それから1年後。親友の紹介を受けコーチングに出会った。そこで学んだ。
「起こる事象(刺激)と自分が生み出す感情(反応)との間には『捉え方』があり、人は反応を選択する力がある」という。

そこから僕の価値観は大きく変わった。
結局は、自分で悲劇のヒロイン(ヒーロー?笑)を演じ、自分で勝手に悲しくなり、「怖さ」を生み出していたのである。
問題は母の病気でなく、僕の考え方だった。

今でも覚えている父の言葉がある。

「俺はな、母さんは実は病気じゃないと思ってるんだ。『そういう特徴を持った人』ってだけの話だと思うんだよなー。そう思うと、今の生活も幸せだぞ」

本当に偉大な父だと思った。そして、ここまで自分を育ててくれた母も。同時に自分の未熟さに気づくことができた。
病名をつけること自体に意味は見いだせなくなっていた。

それから3年。
自問自答、様々なバックグランドを持つ方々との交流を繰り返し、ようやく目標が明確になった。キャリアに悩んだ時期もあったが、迷いは消えた。

世の中はAI等の技術革新の話題で盛り上がっている。けども、忘れてはならないと思う。
AIは「人としてどうあるべきか」「相手への思いやり」「自分を自立させる方法」を教えてはくれない。
(まあ分析結果から傾向は読めるかもだけど笑)

そんな時代においては、

①モノやサービスの魅力をストーリーとして人に伝え、人の共感を呼び起こせるか。
②人が持つ本来の力を引き出せるか。

という力が必要だと思った。

そこから見出した自分の夢(使命)は、

・人が自分の能力に気づき、能力を発揮できる仕組みを創る。

・組織内で成長機会が常に提供されており人が育つ文化を創る。

ことである。そして、これと同時に、

・精神状態に問題のある人を家族に持つ方々がもう一度「幸せ」や「家族の繋がり」を感じ、より強い力で自走できるようになるきっかけ

を創りたい。この分野には病状予測に対する最新技術の活用も必要だし、同時に人としてのコミュニケーションのプロである必要がある。
デジタルとアナログの融合、という感じか。

病を抱えた当事者に対しては担当医がアドバイス/カウンセリングをする。
だが、その家族には何もないのである。正確にはいくつかアドバイスは頂いたが、家に帰ってから役立つことはなかった。
家族は手探りで、様々な道を模索しながら進むしかない。

僕は当事者として経験した。昔の家族の繋がりは二度と戻らない。過去の幸せだった時の姿を追いかけてもいつまでたっても良い結果は生まれない。

今ある家族としての最適な形をお互い協力して創っていくしかない。大切なのは「今」何ができるか、なのではないか。

実は、既に何件かこのテーマに関して様々な方からご相談を頂いている。これまで誰しもが触れ難いテーマだったため、世の中にニーズはまだまだありそうな気がしている。

自分は日本でいう伝統的な大企業の人事にいる。巨大化した組織ではえてして不具合が起こるが、幸いにもその問題を解決できる絶好の立場に今はいると思っている。

今後「ヒトのプロ」としての道を極めていこうと思います。
早速、社内コーチを始めたり、とある大学の団体からの依頼で講演させていただくことになったり、と動きが出てきました。
(会社のブランドを傷つけることはしません笑)

うさんくさくならないように注意します笑

その前にどうすればベルちゃんと仲良くなれるか、頑張ろうと思います。
(ベルは僕より圧倒的に嫁が好きな様子)
引き続き、皆さまのお力をお借りしながらも、何かを還元していきたいと思います。

久しぶりの更新は少しお固い話になりました笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?