データから見る GⅠオークス(優駿牝馬)の有力馬考察
こんにちは、りゅうきです
では早速GⅠオークス(優駿牝馬)の有力馬考察を過去データを掘り下げながら行っていきたいと思います。
好相性なステップレースは?
過去20年間のオークスでの好相性なステップレースを調べますと
の4パターンが大半を占めており馬券的に押さえておきたいステップレースとなります。今年の出走馬でこの4パターンに該当する馬は以下の通りです
さらに今年は桜花賞馬のリバティアイランド1強と言われるほど抜けた存在ということで3着以内は外さないであろうと仮定すると、過去20年で『桜花賞1着馬』がオークスで3着以内に来たときのその相手の条件としては
の、3パターンのみが該当しそれ以外は除外対象になります
そこで今年の出走馬で該当馬を見てみますと
となりまして仮に馬券内に『桜花賞1着馬』のリバティアイランドを入れるとなると相手は上記7頭に絞れてきます。ちなみに今回のリバティアイランドのように『桜花賞を1番人気で1着』だった馬がオークスで3着以内に入ったレースに絞り込むと過去20年で3回あり、その際の成績は【2.1.0.0】と連対率100%でさらにその際の3着以内に入った残り6頭は全てオークス当日『2~5番人気』に該当しある程度堅い決着になることが多い傾向ですので当日の人気順のチェックもお願いします!
オークスに強い血統はこれだ!
次に血統から見るオークス向きのデータを掘り下げていきたいと思います。東京芝2,400mに強い血統と言いますと真っ先に思い浮かぶのがやはり『ディープインパクト産駒』で日本ダービーを7勝、オークス、ジャパンカップでも4勝ずつと一時は無双状態でした。近年産駒が減ってきたことによりその勢力図は塗り替えられつつあり、昨年の結果をみてもドゥラメンテ、キングカメハメハ、ハービンジャーといった産駒が上位を占め、一昨年がゴールドシップ産駒、その前の年はエピファネイア産駒が勝利と、1強時代から群雄割拠の戦国時代に突入したとも言えるでしょう。その中でも注目したいのが今回主役リバティアイランドの父である『ドゥラメンテ』で昨年の勝ち馬スターズオンアースの父でもありドゥラメンテ自身も日本ダービーを強い内容で勝っていることもあり3歳春にこの「東京芝2,400m」を走る上で最も信頼できる血統と言えるかもしれません。
しかしディープインパクト1強のようにドゥラメンテ産駒もまだそこまでには達してはいないと思われるので、そこでそのドゥラメンテ産駒がデビューした2021年1月1日以降の東京芝2,400mでの着回数・勝率・連対率・3着内率をまとめたものを今年のオークス出走馬の主要産駒別に見てみますと
と、産駒数の関係で一概には言えませんが、出走回数の多いディープインパクト産駒やハーツクライ産駒は勝利数は多いですが、勝率・連対率・3着内率だと『ドゥラメンテ産駒』と『キタサンブラック産駒』の2頭がどの項目も高い数字が並びます。そこで今回の出走馬で見てみますと
の上記5頭が該当し、中でもリバティアイランドとコナコーストの桜花賞1、2着コンビは先の好ステップレースの欄でも馬名が挙がった2頭でもあるので
馬券の中心として考えるのが妥当かもしれません。あとは勝率の高かった『モーリス産駒」からペリファーニア、3着内率の高かった『ディープインパクト産駒』からはライトクオンタム、ハービンジャー産駒からはエミュー、キミノナハマリアが該当し馬券組み立てる上で検討の余地ありと言えるでしょう。
さらにもう一頭注目してみたいのが『キングカメハメハ』です。産駒自体は2019年度が最終産駒なので現4歳世代までと産駒が少なくなってきた中で上記と同じ期間の2021年1月1日以降でこの東京芝2,400mの着回数・勝率・連対率・3着内率を見てますと
と、先ほど評価の高かった『ドゥラメンテ産駒』と『キタサンブラック産駒』の2頭とも引けを取らない成績を残しているのが分かります。このことからも直仔のドゥラメンテ産駒やルーラーシップ産駒がさらに東京芝2,400mに強い「トニービン(Grey Sovereign系)」を補完されてよりこの条件に強い血統として後世に受け継がれているのが見て取れます。さらにさらにもう一段踏み込んで『母父キングカメハメハ』としての成績まで掘り下げてみますと
と、これまた産駒の成績とも負けず劣らずの数字が並び、すでに今回のオークスでも産駒と母父で昨年、一昨年と2年連続で2着と結果を出しておりその2頭はともにのちの秋華賞馬になっており3歳牝馬路線で主役を張れる血統でもありますね。そこで今回の出走馬の中で『母父キングカメハメハ』に該当するのは
の上記2頭のみでこの2頭の父が両馬ともに『ディープインパクト系』で前述の’21オークスで2着と好走したアカイトリノムスメの血統構成が『父ディープインパクト×母父キングカメハメハ』であり両馬と酷似していることからもこの2頭は今回のオークスでも楽しみですし、ここで好走するようなら後の秋華賞まで覚えておいて損はないと思います。
続いて3歳春時点での東京芝2,400m戦に強い血統の系統を調べてみました。(ここで言う系統とは厳密には本来の表記とは違うかもしれませんがより分かりやすい表現にしております)上記と同じ期間の2021年1月1日以降でこの条件に該当する3歳重賞の日本ダービー、オークス、青葉賞の3レースで3着以内に入った計21頭に絞って洗い出してみると
となり、全21頭の血統内に『ディープインパクト系』と『Grey Sovereign系』の2系統が半数以上の13頭に入っており、次いで『Roberto系』の9頭、『キングカメハメハ系』、『Seattle Slew系』の7頭、『Red God系』、
『Deputy Minister系』の4頭と続き、特に上位2頭の系統が入っていてそれ以外の系統も複数入った配合馬を今回の出走馬の中からピックアップすると
ここではもちろん上位2系統をともに配合している3頭は要警戒なのですが、さらに注目すべきなのは唯一これらの注目系統を4本持つハーパーで、この条件で好相性の『ディープインパクト系』も『キングカメハメハ系』も配合されていませんがそれ同等の『Grey Sovereign系』を含む注目系統4本も持つことでこの時期未知の距離に挑む若駒にとって大きなアドバンテージになることでしょう。
最強のサウスポーは誰だ!?
最後に今回左回りでのレースということで『左回りコース適正』も念の為見ておきたいと思います。今回の出走馬の中から左回りコースで2勝以上もしくは左回りの重賞(OP)レースで3着以上の実績のある馬を挙げてみますと、
以上9頭が該当し、負けなしの2戦2勝なのが②ライトクオンタムと③キタウイングの2頭で、次いで2戦2連対の⑤リバティアイランドが続き今回の出走馬の中で『左回りコース適正』において信頼度の高い3頭と言えるでしょう。
瞬発力勝負に勝てるのは?
次に押さえておきたいのは瞬発力についてです。ここでいう瞬発力とはレースにおけるゴール前3ハロン(600m)の合計タイムいわゆる『上がり時計』の速さを差します。オークスでは例年ラスト瞬発力勝負になることが多く、特に主要ステップレースで『速い上がり時計を繰り出して好走してきた』かが重要になってきます。そこで今回の出走馬の主要ステップレースを見てみますと
桜花賞
フローラステークス
フラワーカップ
チューリップ賞
阪神ジュベナイルフィリーズ
クイーンカップ
シンザン記念
アルテミスステークス
と、今回の有力出走馬の中で主要ステップレースにおいて『速い上がり時計を繰り出して好走してきた』のは桜花賞・阪神JFの1着馬リバティアイランドに、フラワーCの1、2着馬エミュー、ヒップホップソウル、阪神JFの3着馬ドゥアイズ、シンザン記念1着馬のライトクオンタム、アルテミスS1着馬のラヴェルの6頭のみだがこの中で阪神JFとフラワーCは含水率の高い馬場で上がり時計の掛かる馬場だったのでオークス当日馬場が悪化しないならこの2レースは参考外で良いかもしれません。となると特筆すべきは桜花賞のレースレベルで特に1着馬リバティアイランドの上がり時計32.9秒は驚異のタイムでここでも能力の高さが際立つデータとなりました。併せて先行してなおかつ34秒代前半の上がり時計繰り出して2、3着だったコナコーストとペリファーニアに位置取りが後ろ過ぎて上がり時計3位の脚でも6着が精一杯だったシンリョクカあたりはオークスの舞台で瞬発力勝負になった際にパフォーマンスが上がる1頭と言えますね。
考察を終えての有力馬候補
ここまで大きく分けて4つの項目で有力馬候補を見てきましたが、結局どの項目を見ても高評価だったのはリバティアイランドで今週の最終追い切りの動きを含めこれは逆らえないと考えるのが普通かもしれません。唯一負ける条件があるとしたらそれは『位置取りが後ろ過ぎて最後少しだけ届かない』場合のみと考えます。それは1番人気の桜花賞ハープスターが前を行く桜花賞2着馬ヌーヴォレコルトを捕まえきれず差し届かなかった2014年のオークスが思い出されその二の舞にならないにようにするには最終コーナーでの位置取りが最低でも8、9番手以内で回ってこないと上がり時計的に勝っても差し届かないシーンがあるかもしれません。ではもしその展開になったときにどの馬がヌーヴォレコルトになれるかというと先ほど瞬発力の考察で挙がったコナコースト、ペリファーニア、シンリョクカあたりだと考えます。前述のオークスで一度もハープスターに上がり時計で勝ったことがなかったヌーヴォレコルトが一気の距離延長でもたらした逆転劇が起こりうる舞台なのでリバティアイランドが出遅れたり桜花賞の時のようにズブく位置が取れず内に包まれて追い出しのタイミングが遅れた場合などに今までの対戦で辛酸をなめてきた上記3頭の逆転があるかも知れません。仮に逆転とまでいかなくてもリバティアイランド中心の馬券の相手には上記3頭はもちろん、ステップレースの項目で注目したソーダズリングに、血統の項目で注目したハーパー、サウスポーの項目で注目したライトクオンタムあたりまで挙げておこうと思います。
といったところでオークスの有力馬考察をつらつらと書き綴ってまいりましたがかなりのボリュームになってしまい申し訳ございません。この記事が今後の馬券検討の参考になれば幸いです。ではまた時間と機会がありましたら主にG1レースの考察や回顧などをしてみたいと思います。
ここまで長文お読みいただきまして誠にありがとうございましたm(_ _)m
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