データから見るGⅠ日本ダービー(東京優駿)の有力馬考察
前回記事およびレース結果について
こんにちは、りゅうきです
先週投稿いたしましたこちらの記事『GⅠオークス(優駿牝馬)の有力馬考察』はお読みいただけましたでしょうか?考察を終えて最終的に自身の予想とレース結果はこんな感じでした
と、考察のあらゆる項目で高評価だったリバティアイランドを堅軸として信頼し自信の本命といたしました。結果完璧な位置取りから直線突き放すという強い競馬で圧勝し懸念されていた差し届かない状況も作らせず鞍上の完璧な騎乗も光ったレースだったと思います。そしてその相手候補として血統欄の考察で注目系統4本が入る注目馬として名前を挙げたハーパーが2着と好走し、本命馬と同じドゥラメンテ産駒&注目系統3本で名前を挙げていたドゥーラが3着と血統欄での考察が主に馬券に繋がったレースとなりました。(予想としては3着馬まで印が届かずで喜び半減でしたが苦笑)
あとこのレースで注目したいのが3番人気で7着と人気を裏切ってしまったコナコーストで、スタート直後に横の馬に寄られて挟まれてしまい思い描いていた位置が取れずという不運があっての最後よく伸びて7着でしたのでこの1戦だけで評価を落としてはいけない1頭だと思います。
この考察記事をまだ読んでないよーて方はお目を通していただけますと今回の内容もなお一層ご理解いただけるのではないかと思いますし、大一番の日本ダービーも同条件で実施されますのでぜひともご一読くださいまませm(_ _)m
では早速GⅠ日本ダービー(東京優駿)の有力馬考察を過去データを掘り下げながら行っていきたいと思います。
好相性なステップレースは?
過去20年間の日本ダービーでの好相性なステップレースを調べますと
の3パターンが大半を占めていますがこれではほとんどが該当してしまうのでもう少し絞り込んでいきますと
となりまして、今年の出走馬でこの3パターンに該当する馬は以下の通りです
さらに過去20年で「皐月賞出走馬」が日本ダービーで3着以内に入らなかったのは2004年の一度だけ(この年は当日NHKマイルC馬が1番人気で皐月賞馬が3番人気以下という特殊な年でした)ということから基本的には前走皐月賞組を中心に馬券を組み立てるのが基本となるでしょう。そこで過去20年の「皐月賞1着馬」にまつわる気になるデータをご紹介いたします。それは
というもので、今年人気の一角と目されるソールオリエンスは前走の皐月賞では2番人気での1着ということで上記のデータに当てはまってしまい2着まではあっても1着はなしと割り切るのも馬券的にはあり?かも知れません。
では過去20年の「皐月賞1番人気」だった馬の日本ダービーでの成績も見てみますと
と、 昨年のドゥデュースを始め2018年のワグネリアンや2009年のロジユニヴァースなど皐月賞1番人気で敗退していても日本ダービーを制覇している例もあり、ドゥデュースと同じく皐月賞1番人気3着から臨むファントムシーフにとっては心強く、このデータからは「皐月賞1着馬」よりも「皐月賞1番人気」の方が信頼度は高いと言えるでしょう。
さらに日本ダービーに出走する上で注目したいレースキャリアが
の2レースでこの条件に当てはまる馬は特に好走する傾向があります。そこで今年の出走馬で該当するのは
の2頭となりまして特に共同通信杯を勝っているファントムシーフにとってはここでも名前が挙がりステップレースから見るデータからはこの馬を最推しとしたいと思います。
日本ダービーに強い血統はこれだ!
次に血統から見る日本ダービー向きのデータを掘り下げていきたいと思います。東京芝2,400mに強い血統と言いますと真っ先に思い浮かぶのがやはり『ディープインパクト産駒』で日本ダービーを7勝、オークス、ジャパンカップでも4勝ずつと一時は無双状態でした。近年産駒が減ってきたことによりその後継種牡馬として注目されるのが昨年の2着馬イクイノックスの父でもあり今回主役の1頭でもある皐月賞馬ソールオリエンスの父である『キタサンブラック』でこの馬の結果次第では3歳春にこの「東京芝2,400m」を走る上で今後最も注目すべき血統になりうるかもしれません。
しかし父ディープインパクトのようにキタサンブラックもまだ産駒数も少なくその他の血統馬もその座を狙っていると思いますので、そこでそのキタサンブラック産駒がデビューした2021年1月1日以降の東京芝2,400mでの着回数・勝率・連対率・3着内率をまとめたものを今年の日本ダービー出走馬の主要産駒別に見てみますと
と、産駒数の関係で一概には言えませんが、出走回数の多いディープインパクト産駒やハーツクライ産駒は勝利数は多いですが、勝率・連対率・3着内率ともに高いのが先週のオークスでも1、3着と好走した『ドゥラメンテ産駒』で、連対率を見ると『ロードカナロア産駒』、3着内率では『キタサンブラック産駒』、『ハービンジャー産駒』あたりも高い数字が並びます。そこで今回の出走馬で見てみますと
以上が該当し、猛威を振るう『ドゥラメンテ産駒』のシーズンリッチとドゥラエレーデの2頭は人気の盲点になりそうなので狙ってみる価値がありそうです。それに対し人気馬2頭を有する『キタサンブラック産駒』は1着というよりは2、3着候補というデータとなりこの項目でも頭で行くのは危険?という結果となりました。
続いて3歳春時点での東京芝2,400m戦に強い血統の系統を調べてみました。(ここで言う系統とは厳密には本来の表記とは違うかもしれませんがより分かりやすい表現にしております)上記と同じ期間の2021年1月1日以降でこの条件に該当する3歳重賞の日本ダービー、オークス、青葉賞の3レースで3着以内に入った計23頭に絞って洗い出してみると
の7系統が特に好相性を示しており、その中でも血統内に『Grey Sovereign系』を有する馬が23頭中半数以上の16頭おり、次いで『ディープインパクト系』の13頭、『Roberto系』の11頭、『キングカメハメハ系』の9頭、『Seattle Slew系』の8頭、『Red God系』、『Deputy Minister系』の5頭と続きこれらが3歳春時点での東京芝2,400m戦の必須系統と言えるでしょう。さらに先週の土日に行われた直近の東京芝2,400m戦全3レースにて3着以内に入った馬の血統を見てみると
と、該当馬9頭全てに『Grey Sovereign系』が入っておりさらに『キングカメハメハ系』や『Seattle Slew系』との相性の良さが見て取れます。そこでこの『Grey Sovereign系』に加え上記の系統を有する配合馬を今回の出走馬の中からピックアップすると
とここでは上記10頭が『Grey Sovereign系』に加えて他の系統を複数有しており、中でもホウオウビスケッツは他の系統を5本も持っており無いのは『Seattle Slew系』だけですがこれも『Bold Ruler』を有しておりほぼ完璧な血統構成と言え、この項目でのお宝馬として推奨しておきます。
さらにさらに(とても有用なデータなのでもう少しお付き合いください笑)ここ4年連続で日本ダービーを勝っている血統構成が『父系サンデーサイレンス×Lyphardに母系Seattle Slew』のニックスです。その4年のダービー馬を振り返ってみますと
となり日本ダービーを勝つ上で今注目の血統構成と言えるでしょう。そして今年の出走馬の中でこの血統構成に該当するのは
スキルヴィングとハーツコンチェルトの2頭のみが該当し、この2頭は日本ダービーと同じ条件の青葉賞の1、2着馬でもあることから東京芝2,400mに最も合致する血統構成だと言えこの項目の推奨馬として挙げておきます。
最強のサウスポーは誰だ!?
次に日本ダービーは東京コースで行われる左回りのレースということで『左回りコース適正』も念の為見ておきたいと思います。今回の出走馬の中から左回りコースで2勝以上もしくは左回りの重賞(OP)レースで3着以上の実績のある馬を挙げてみますと、
以上6頭が該当し、唯一の3勝馬で東京コースの重賞を勝っているのがスキルヴィングで、次いで2戦負け無しで東京コースの重賞(OP)も勝っているパクスオトマニカとファントムシーフの2頭が続き、今回の出走馬の中でもこのレースで狙える『左回りコース適正』の高い3頭と言えるでしょう。
瞬発力勝負に勝てるのは?
最後に押さえておきたいのは瞬発力についてです。ここでいう瞬発力とはレースにおけるゴール前3ハロン(600m)の合計タイムいわゆる『上がり時計』の速さを差します。日本ダービーでは例年ラスト瞬発力勝負になることが多く、特に主要ステップレースで『速い上がり時計を繰り出して好走してきた』かが重要になってきます。そこで今回の出走馬の主要ステップレースを見てみますと
皐月賞
青葉賞
プリンシパルステークス
京都新聞杯
毎日杯
共同通信杯
ホープフルステークス
弥生賞ディープインパクト記念
と、今回の有力出走馬の中で主要ステップレースにおいて『メンバー最速の上がり時計で1着』だったのは皐月賞の1着馬ソールオリエンスと、トライアルの青葉賞1着馬スキルヴィングの2頭のみで、次いで皐月賞とホープフルステークスのGⅠの舞台でどちらも上がり時計2位で上位に入ったファントムシーフに、前走の重賞、OP戦を上がり時計2位で勝ってきたサトノグランツとパクスオトマニカ、前走の青葉賞でスキルヴィングと同タイムの上がり時計で2着だったハーツコンチェルトあたりが瞬発力勝負で結果を残しています。さらに近年の日本ダービーでは上がり33秒台を出せる馬が上位に入っており、そこで今回の出走馬の中で『芝2,000m以上のレースで上がり33秒台』を出したことのある馬をピックアップしてみると
以上の8頭が該当し、中でもスキルヴィングはデビュー後4戦して、東京芝2,000m戦を上がり33.5秒、33.2秒と2戦連続で33秒台を叩き出し、その後東京芝2,400m戦を上がり34.0秒、34.1秒と距離が伸びても速い上がり時計を常に繰り出して連勝しており瞬発力という点では信頼度の高い1頭と言え、他にも同じく坂のある阪神コースの2,200m戦でスキルヴィングを上回る上がり33.1秒を繰り出しているシャザーンの2頭をここでは推奨したいと思います。
考察を終えての有力馬候補
ここまで大きく分けて4つの項目で有力馬候補を見てきましたが、各項目で評価が高かったスキルヴィングに、馬券の軸として信頼度の高い前走皐月賞組からこちらも各項目で評価が高かったソールオリエンスとファントムシーフのこの3頭の中から今年の日本ダービー馬は生まれるのではないかと考えます。ここで気になってくるのが過去20年で勝ち馬の出ていない『青葉賞1着馬』と『皐月賞2番人気1着馬』がジンクスを破れるかです。これを真っ向から嫌うのであればもう馬券の軸はファントムシーフ一択となりあとは相手探しで良いと思います。私はというと今年の牡馬クラシックの裏テーマは「ジンクス破り」だと考えています。1冠目の皐月賞でも「2戦2勝馬は勝てない」「京成杯1着馬は勝てない」という2つのジンクスを見事打ち破ったのがソールオリエンスでスキルヴィングも含めこのダービーでもそれは続くのではないかと考えこの2頭での比較なら上記データの評価と1枠の過去の好走歴からスキルヴィングを1番手としたいと思います。ソールオリエンスの評価を下げた理由として若干の左回り不安を懸念しています。それは前走皐月賞でも2走前の京成杯でも加速し勢いに乗ったあと内側へ寄れていく進路をとっておりこれは左回りになると外へ刺さってしまうこととなりコーナリングの不器用さに加えてラストの差し比べで上手に立ち回った馬に足元をすくわれるのではないかと考え評価を下げました。ですので逆転候補の筆頭としてファントムシーフを挙げ、差のない3番手にそのソールオリエンスが続き、血統の項目で注目した『ドゥラメンテ産駒』のドゥラエレーデと人気薄のお宝馬ホウオウビスケッツに、瞬発力の項目で注目したサトノグランツ、シャザーンの2頭、配合欄で注目したハーツコンチェルトあたりまで上位3頭の相手として挙げておこうと思います。
といったところで今年の日本ダービーの有力馬考察をつらつらと書き綴ってまいりましたがかなりのボリュームになってしまい申し訳ございません。この記事が今後の馬券検討の参考になれば幸いです。ではまた時間と機会がありましたら主にG1レースの考察や回顧などをしてみたいと思います。
ここまで長文お読みいただきまして誠にありがとうございましたm(_ _)m
(励みになるので↓いいねもポチッとお願いします)
推奨馬や買い目、印を参考に馬券で利益が出たときなどで構いません。もしくはコメントやTwitterなどで的中報告いただけますと喜びます(*^^*)