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【浄土真宗の言葉】まとめ・・・正確な教学のススメ

読者のみなさま、最後までお付き合いくださりありがとうございました、お疲れさまでした。
 
約100回、浄土真宗の要点をお聖教のお言葉とともに投稿してきました。
 
順番は、理解しやすいように
 
 1、信疑決判
 2、煩悩と罪悪
 3、無常
 4、輪廻
 5、法蔵菩薩とは
 6、五劫思惟
 7、兆載永劫の修行
 8、阿弥陀仏
 9、往相回向
 10、還相回向
 11、称名念仏
 12、獲信
 13、報恩
 14、異安心、異義
 15、聖人一流の教え

 
という流れでした。
 
記事を毎回読んでいくと、浄土真宗の全体像をつかめるように書いています。
 
 


・正確な教学のススメ(聞法)

 
ところで浄土真宗の教学というと、これまで東西本願寺において「伝統教学」や「近代教学」と呼ばれるものが発達しており、それぞれ一長一短があります。
 
特に「伝統教学」においては、精緻なまでにお聖教の整合性をとる試みがなされていて、大きな成果をあげています。
 
ただし細部にこだわるあまり、矛盾した説なども生み出してきました。
 
こちらのページで問題点が指摘されているように、たとえば蓮如上人のお言葉を絶対視した結果、親鸞聖人の教えとは食い違うような見方が生まれてしまうケースがあります。
 
https://ganshoji.net/sub17.htm
https://ganshoji.net/sub20.htm
 
 
そのためここで推奨したいのは、お聖教と整合性のとれる内容を正確に抽出する態度、いわば「正確教学」とでも呼ぶべき態度です。これは素晴らしい伝統教学の、わずかな問題点すらも克服するものとなります。「さらに正確性を高めた伝統教学」ともいえるでしょう。
 
なぜこのような態度が必要かというと、お聖教と整合性をとれることは、聞法において大変重要になるからです。
 
 
たとえばYoutubeで法話を見たり仏教書を読んだりすると、色々な主張があるために、聞法すればするほど、かえって本来の教えとは違う理解が頭の中に出来上がってしまう場合があります。
 
そのように教義理解のズレが生まれることはしばしば起こります。
 
しかしこのnoteの記事などで正確な教義を定期的に目にすれば、「本当にお聖教にそんなことが説いてあるのか」を確認することになります。教義理解の修正ができるんですね。
 
 
例をあげますと、「六道輪廻は心の有り様である」などと主張する布教者がありますが、本来の浄土真宗ではそうは教えません。
 
法然聖人も親鸞聖人も覚如上人も蓮如上人も、六道輪廻とは私たち衆生が迷ってきた世界だと説いておられます。
 
そして親鸞聖人が教えてくださった他力信心とは「仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし」です。
 
「仏願の生起本末」においては、「六道輪廻とは私たち衆生が迷ってきた世界である」ということが前提になっています。
 
それを「六道輪廻は心の有り様である」としてしまったら、それはもう親鸞聖人が説かれた「仏願の生起本末」ではなく、内容が違うものになってしまうんですね。
 
したがって「仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし」の内容も別物になってしまう。
 
つまり、そのような六道輪廻の定義を間違えた法話だとしたら、いくら聴聞しても「仏願の生起本末を聞いた」ことにならないわけです。
 
これは大変もったいないことではないでしょうか。
 
  


・正確な教学のススメ(伝道)

 
ここまで書いたように、お聖教と整合性をとれることは聞法において重要なのですが、伝道においてはさらに重要だといえます。
 
なぜかというと、自分の教義理解がズレたまま伝道してしまったら、他の人に間違った教えを伝えることになるからです。
 
凡夫が極楽往生するための教えを誤って伝えてしまう・・・何としても避けたいことです。
 
これは法話をする僧侶だけの話ではありません。
 
念仏者であれば誰でも、教えを伝えたい大事な人がいるかと思います。
 
そのときに間違った教えを伝えるのか、正確な教えを伝えるのか・・・。
 
阿弥陀仏と親鸞聖人のご恩をおもえば、間違った教えを広めるわけにはいかないのではないでしょうか。
 
正確な教義理解を広めるためにも、あなたのお友達にこのnoteを紹介していただけるとありがたいです。
 
 
 



・教団の公式発表、有名な先生の説などとの向き合い方

 
浄土真宗の団体に属している人にとって、その組織のトップ層から発表されたことを無批判に受け入れてよいのか、鵜呑みにしてもよいのかどうか・・・すこし考えてみましょう。

たとえば先日、西本願寺で『新しい領解文』(浄土真宗のみ教え)が発表されました。
 
このように上の方から発表されるものが、教義的に正しいのかどうか。お聖教と合致する内容かどうか。
 
・もし正しいのならば、なぜ正しいといえるのか?
・もし正しくないのならば、どの部分がお聖教と合致しないのか?
 
ということを、お聖教と照らし合わせて確認する必要があると考えられます。
 
なぜなら、お聖教に照らし合わせてその主張が正しいかどうか確認できなければ、指導者のズレを抑止することができないからです。
 
つまり、発表されたものを適切に批判できる程度の教学力は、聞法者であるならば身につけておくべきということです。
 
 * * * 
 
今回の例でいえば、『領解文』というのはもともと、念仏者の信心に誤りが無いか確認するためのもので、改悔文(がいけもん)とも呼ばれます。
 
ウィキペディアには「門徒が各自で読み上げ、自身の信心に誤りが無いことを確認するために制定されたものであり、簡潔かつ平易に記されている」と説明されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/改悔文
 
ではなぜ「各自で読み上げる」のかというと、正しい他力信心の内容(領解)を口に出すことで、自分の有り様が本当に他力信心の内容と合っているのか、それともまだ自力信心なのか、確認するきっかけになるからです。
 
より分かりやすくいえば、この領解文の内容とは、そのまま獲信者の有り様だということです。
 
 * * * 
 
領解文を読み上げることは現在の本願寺でも続いており、「改悔批判」として定期的に行われています。
 
改悔批判では領解文を読み上げた人々に対して、講師役の僧侶が解説をします。
 
深川倫雄師の改悔批判では、まず聴衆に領解文を出言させてから、それに対して「口の出言、心の味わい異なりなくば、誠に麗しいお領解であります」と解説されました。
 
http://www.hongwan.net/index.php/改悔批判_(平成7年)
 
口に出した内容と自分自身の領解が同じかどうか・・・を確認してもらうわけですね。
 
 * * * 
 
しかし、もしその領解文の内容自体が、獲信者の有り様を正確には表していなかったとしたら・・・どうなるでしょうか?
 
当然ですが、もし不正確な表現ならば「念仏者の信心に誤りが無いか確認」することはできなくなります。
 
これは結果として、極楽往生のタネであるご信心の内容を誤って伝えてしまうことになりますので、非常に重大なことです。
 
 * * * 
 
中には「公式発表だから正しいはずだ」「○○先生がおっしゃってる内容だから正しいはずだ」と、まるで脳みそを預けてしまったかのような状態になっている人もいます。
 
これでは、もしトップ層や○○先生が間違ったことを言い出しても、その間違いを見抜くことができなくなります。
 
 * * * 
 
ここに書いたことは西本願寺だけの話ではなくて、浄土真宗の集まりならばどこにでも当てはまることです。
 
いくら信頼されている指導者であっても真宗学の権威であっても、例えば脳障害や認知症などによって、急に本来の教義から逸脱したことを主張しはじめる可能性はあります。
 
それを適切に批判できる程度の教学力は、聞法者であるならば誰もが身につけておくべきではないでしょうか。
 
 
 



・Facebookグループのご紹介


この【浄土真宗の言葉】の投稿を読んだ方は、以前よりもお聖教に馴染むことができたのではないかと思います。
 
もし可能であれば、ご縁のあった人に「こんな言葉がお聖教にあってね・・・」と教えてあげてください。
 
きっと浄土真宗の素晴らしさが伝わると思います。
 
  
なおFacebookのグループでは繰り返し、浄土真宗の要点(1、信疑決判 ~ 15、聖人一流の教え)を投稿しています。
 
Facebookグループ【浄土真宗の言葉】
https://www.facebook.com/groups/3136800313208039
 
 
「大まかに理解できたからもういいや」という姿勢ではなく、今後も「自分の教義理解にズレが生まれていないか」をチェックする姿勢で、こちらのグループに参加して投稿を読み続けていただければと思います。
 
 
 

・聞法している方へ


ただいま信仰相談を受け付けています。
 
対象は浄土真宗の教えを聞いておられて、信心について不審や悩みをもっておられる方です。
 
・メール
ryuun18amida★gmail.com
(★を@に変えてください)
 
 
また信心に悩んでいる方は、以下の聞法グループがおすすめです。
私も定期的に、3ヶ月に1度ほど法話会を担当しています。
よろしければこちらのページを読んでみてください。
 
・聞法グループのご紹介
https://note.com/koun18/n/nf47fe8bff85c
 
 
 
南無阿弥陀仏

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