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朽ちない月見草 EP2

EP1を読んでいない方もいると思う。
その為にこの文を前書きにする。

種を蒔いて水をやれば花は咲く。咲いた花はいずれ散る。それが普通である。だが、中には死して尚、生きているかのような月見草も存在する。正直、少しずつ短めに書いた方が小説3ページ程度になり、読みやすさとしては丁度良いのだろう。そしてこれは終わりがない。だからEPをつけている。

ノムさんが遺した物と
今のスワローズを重ねる

これがこの作品の軸である事を御理解頂ければと思う。今回こそ野村ID野球に触れよう。前回はノータッチだったので。ノムさんと言えばID野球。選手を攻略するために相手の投手や打者の結果を1球ごとに記載して結果をまとめる。

現代ではタブレット端末などで容易にデータが取れるが、当時はインターネットが普及していないと思うと、自らの知識と右手のペンでデータを収集する事は容易な事ではない。Important Dataを機材頼みにして得たデジタルと、捕手出身ならではの頭脳で得た独創的なアナログという所だ。時代が変わってもアナログは独創的である限りは勝る部分が事細かにある。手法はアナログでもChatGPTでは見つからない。AIの将棋が藤井聡太の戦術を読めない事みたいなものだ。そして右手が滲むほどに出来た書類は何冊あることか。

野村ノート

東京ヤクルトスワローズの中で野村ノートを所持している方は複数名いる。知る限りでは宮本慎也、古田敦也、高津監督だ。現在の高津監督は野村ノートを目にして戦術を探る事も屡々あるらしく。彷彿させたのは2021年の日本シリーズだろうか。1995年にも同じようなことがあった。

1995年にノムさん指揮のスワローズは日本シリーズでオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)と対戦した。オリックスの中で最も警戒していた選手がいる。野球に興味が無い方でも耳にした事がある名だろう。

イチロー No.51

安打製造機の真髄と思っている。バットに当たらない方が珍しい。だが、ノムさんは「イチローさえ封じれば勝てる」というコメントをした。大胆だ。

古田敦也vsイチロー

イチロー対策にID野球の申し子・古田敦也が圧巻の配球をする。2021年の日本シリーズと比較する為にざっくり書こう!イチローの配球の読みをほとんど外させる。背番号27・古田敦也の抜群な配球は野村ノートに記載されている。

では、2021年の日本シリーズと比較
相手は姿形を変えてもオリックス。

中村悠平vs吉田正尚

2021年日本シリーズ3戦目

またしてもバットに当たらない方が珍しい相手だった。吉田正尚を徹底的に封じたのが印象的だった。143試合で20弱くらいしか三振をしない打者が7試合で7三振だった。1試合に1三振するペースと考えれば年間で20弱の三振をしていたスラッガーとは思えないだろう。本塁打を放ち流れを変えていたのも事実と思うと封じた事の大きさは1本の本塁打の価値は1試合分では無かった。彼が打つと流れが変わる。相乗効果で勢いがついてくる。その点を徹底的に封じたのが後の背番号27である中村悠平だった。ノムさんが〝イチロー封じ〟なら高津監督は〝吉田封じ〟だっただろう。その根底には野村ノートの存在だったと思う。独創的なアナログは通用する。

この話が浅いか深まるかは別として、奥深さというものを感じる。まだ、書きたい事はある。だが、小説3ページ分と考えればこの文字数だろう。話は薄いかもしれない。だが、薄いに薄いを重ねて次第に濃くするのも1つだと思う。ノムさんが遺したものは沢山あるだろう。いや、ある!

【あとがき】
本書は読んでいただき、誠にありがとうございました。今回は東京ヤクルトスワローズ関連で書かせて頂きました。月見草はEP1からスタートして今回はEP2となります。夏休みのため少しペースを落としていますがEP3は作ります。そしてエンドレスです。1つ1つの積み重ねで深くなっていくと思います。なので今回は浅い事をご理解頂きたい。

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