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近江の湖畔に宿った炮烙・北村恵吾

遡ると2018年のこと。夏の甲子園は記念すべき第100回大会だった。スワローズの補強ポイントとは思わなくても「良い選手だな」と思った選手はリストアップしている。智辯和歌山と1回戦で対戦したのは近江だった。いつも智辯和歌山には注目している。ましてや2018年のセンバツ準優勝の高校だ。私が注目しなくても周りは注目するだろう。その智辯和歌山に近江が勝った。1試合2発の活躍をした炮烙がいた。

名前は北村恵吾

そう言えば近江には1年生からずっと4番を担った選手は確かにいた。2016年の事か。当時はその印象しか無かったが智辯和歌山を相手に2発は鮮烈だった。当時のポジションは外野。まぁ・・・補強ポイントのポジションではあるから覚えておくことにした。当時の北村は「近江の大砲」と例えるのが最も伝わりやすかった。また、安打の確実性も高く3回戦では常葉大菊川を相手に4打数4安打。いずれも長打だったことに素晴らしさを感じた。スラッガーではあるが大振りではないのである。力めば三振で空回り、コンパクトに安打の確実性を高めて土台となり次は逆方向に長打を放つ意識を持つ。バットを振れば当たるような打者と思う。

進学先は中央大学

大学野球の東都リーグを舞台に進学した。北村にとって手本となる先輩がいた。理想像に近い。横浜DeNAの牧である。彼を初めて見たのは大学3年の頃だったが長打力が高くイメージは「フェンス直撃を意識した長打、その延長線上が本塁打」という力みも無く柔軟な対応力で長打を量産した。それはプロに入ってからもスタイルが通用している。

恐らく北村は1年生の頃から牧のスタイルを参考にしただろう。コンパクトで安打の確実性が高い。また、ストライクゾーン内の球をお構いなしに打ち返していく能力が高いと思った。粘り強さがあったが、それよりも目立ったのは勝負強さ。しかし、北村についてスカウトのコメントが目立たない。ドラフト1位で阪神に指名された森下にスポットを浴びていると北村に関するコメントが目立たないのである。そしてポジションが一塁手。上手いが「スワローズにはオスナがいるからなぁ」と思うと何処か消極的なのかなと思った。どうして彼に拘ったかというと東京ヤクルトスワローズの小川GMは中央大のOBだからである。OBが母校をノータッチしないと思った。良い選手がいればリストアップするだろう。内心「偶には中央大から指名しないのか。」と思っていた。小川GMならと。

第5巡目 
東京ヤクルトスワローズ
北村恵吾 内野手(中央大学)

ドラフトでのアナウンスは遅めにやってきた。正直、5巡目まで来ると「呼ばれてなかったのか。」というくらいのリアクションだ。申し訳ないが。ただ、指名挨拶に足を運んだのが中央大OBの小川GMという点も少し感慨深かった。そしてチームの起用方針を聞いて「そういうことか」と納得した。

プロでは二塁手と三塁手も

大学時代は一塁手。スワローズの二塁手と言えば山田哲人が浮かぶが肉薄する選手はチラホラ出てきている。三塁手はご存知。一塁手は牙城だが。1軍定着するくらいの位置までは行けると思っている。現に2軍で安定した打率と本塁打数、そして強みが出ている。これを1軍の舞台でも出してほしい所である。これからが楽しみだ。

【あとがき】
本書は読んでいただき、誠にありがとうございました。今回は東京ヤクルトスワローズ関連で書かせて頂きました。近江が今年も甲子園に出場しますね。深い理由は無いですが今回はスポットを当てました。

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