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エッセイの魅力

岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を読んだ。


題名だけで読んでみたいな~と思い、一度ネット書店で注文したが、売り切れで買えなかった一冊。Kindleの読み放題にあるのを見つけ、読み始めた。
あっという間だった。

タイトル的には家族とのアレコレがシリアスに書かれているのかなと思いきや、書かれているのは、日常を面白おかしく切り取ったエッセイ。
でも全部が面白おかしく書かれているのではなく、上手くいかなかったことや、話題になった出来事の裏側、そして日常の一部の家族について。
その中に、自分にはない価値観や、考え方がちりばめられている。


エッセイの好きな部分がある。
書き手の弱音や、失敗談が書かれていること。
普段の様子を知りたいのならSNSを見ればいいじゃんと思う人もいるかもしれない。
でも、切り取り方が違う。
何というか、エッセイは、テーマに沿って過去の失敗も書かれていて『この人も自分と同じ人間なんだ」なんて思ってしまう。(当たり前だけど)

「弟とわたし」「母とわたし」「父とわたし」「日常とわたし」「仕事とわたし」「だれかとわたし」にわかれているこの本。
きっとこの本にはいつかの自分と重なって、クスリと笑える文章がある。

最後に、いい言葉だな、と思った岸田さんのお母さんの言葉で〆ます。

「人を大切にできるのは、人から大切にされた人だけやねんな」

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