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プロレスファン歴10か月の人間が初めてリアルタイムで観るG1クライマックスの感想を綴る・現地観戦編

前回書いた時に「その1」と銘打っておきながらずっと書かずに時が経ってしまいました…。おかげでプロレスファン歴9か月が10か月へと進化を遂げちゃいましたよ。反省。

熱戦到来のフレーズに相応しく、毎回のように名勝負が生まれているG1クライマックス30。
Bブロック決勝進出者に推しているSANADA選手が3連敗からの5連勝という怒涛の快進撃を見せたり、それまで注目してこなかったジェフ・コブ選手や石井智宏選手に俄然興味が湧いたりと、新米プロレスファンにとっても新しい世界の扉をものすごい勢いで開け放たれまくる楽しさに浸っています。

今年のイッテンヨンで行われた高橋ヒロム選手vsウィル・オスプレイ選手のジュニアヘビー級タイトルマッチがきっかけでプロレスを好きになって、実際に現場で生観戦もしてみたいなと思っていた矢先にコロナ禍で試合が全部中止となり。
再開後も新日本プロレスワールドの配信動画で楽しむ日々が続いていたのですが、ついに初観戦することが出来ました!

2020年10月16日(金) 両国国技館
G1クライマックス30 Aブロック最終戦

昨日行ってきました。
配信動画で観る事と現地で自分の目で見る事の違いに感銘を受けまくり、そして個人的にも今年の2月11日に作家・町田康さんのバンド『汝、我が民に非ズ』を高円寺JIROKICHIに観に行って以来の現場だったので、ライブならではの高揚感が久々すぎてとてもわくわくしました…!
自分の目で見て得た心の動きを残しておきたく、今これを書いています。今夜のBブロック最終戦に間に合うように。

新日本プロレスが「興行における新型コロナウイルス感染症対策ポリシー」を作成・遵守している事は知っていたので、入場もチェックやら検温やらで時間かかったりするんだろうなと予想して早めに行ったのですが。
実際はロビーにサーモグラフィカメラを設置していて、体温が37度5分を超えた方はお声がけさせていただきますという方式だったので、入場もすいすいっと終わりました。
ちょっとずつ最適化されてきているんだなぁすごいなぁと思った次第。
(チケット半券裏面への名前や住所などの4点記載はしっかり確認されたので、これはやっぱり会場に行く前に記入しておいたほうがいいです。密を避けるためか記入スペースが外だったのでこれからの季節は寒そう)

両国国技館、初めて行ったんですがいい会場でした。
駅からの距離も最適だし外観も荘厳で、会場内も日本武道館を思い出す距離の近さ。

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2階席とはいえ私の席から観るリングの実際の大きさ(見え方)、この写真ぐらいだったんですよ。
(※注:新日本プロレスは動画撮影不可の代わりに、写真撮影とSNS掲載は公式に歓迎されています。隠し撮りじゃないよ)
視力良くないけど、選手達の激闘はしっかり目に焼き付けられましたとも。初観戦を飾ってくれた全6試合、おかげで思い出深い一日になりました。


第一試合 辻陽太vsゲイブリエル・キッド

G1クライマックス30恒例、ヤングライオン同士のオープニングマッチ。
選手達が実際にリングインした時は、月並みですがほんとに実在するんだ…!という感激がありましたとも。
そんでゴング鳴って試合開始。
実況解説席のコメント無しで(あれ場内に響き渡ってたりするものだと思い込んでました…。配信限定なんですね)、周辺も含めリング全体が視界に入る状態で、定点で俯瞰で眺めるという体験がまず配信動画で観る世界と全然別物で、その驚きを吞み込みつつ試合を眺めるという初戦でした。
実際に観るリングは配信動画で観るよりも小さく見えて、こんなスペースであれほどの肉弾戦を行っているんだなぁと…。あとリング上に身体を叩き付けられたりすると結構な勢いでリング全体がバウンドしてるように見えて、さんざん言われてる「エプロンは硬い」という事実を目の当たりにもして納得でした。
観客側は手拍子で応援を行う現状ゆえ、選手達の打撃音や叫び声などがダイレクトに届くのも臨場感抜群で良かったです(ゲイブ選手の「俺はLA DOJOだ!!!」もしっかり届きましたとも)。
過去の動画観てたらやっぱ興奮に身を任せて絶叫するのも楽しそうなので、いつか観客側の声出し応援が再び解禁される日が来たら、また違う景色が見えるんだろうなと思う次第。


第二試合 ジェフ・コブvs高橋裕二郎

ジェイ・ホワイト選手やウィル・オスプレイ選手を筆頭に、星取表を改めて眺めてみても錚々たる人々から勝利を収めているジェフ・コブさん。
巨体からも連想されるパワーファイターっぷりと、その場飛びムーンサルトなどの軽やかな身のこなしを両立させるデタラメさがめちゃくちゃ面白くて、今回のG1をきっかけに興味を持って観るようになった選手のうちのひとりです。
対するはここまで8敗で来ている高橋裕二郎選手。
ジェフ・コブ選手が負ける姿が想像がつかないなと思っていたのですが、ステッキを使用する場面もあったとはいえ、真正面から3カウントを奪って勝利した裕二郎選手に思わず拍手でしたとも。
(一緒に行った恋人は筋金入りのプロレスファンゆえ裕二郎選手への思い入れもわたしとは桁違いで、2席離れたところでガッツポーズしていたものです)

5年ぶりに出場したG1クライマックスの最後の一戦、何が何でもの勢いで勝ちをもぎ取りに行ったのですね。
とはいえバレットクラブの一員なのにセコンド一切無しで9試合を駆け抜けられたのは印象的だった事のひとつでもある。これからどうなっていくんだろう。


第三試合 鷹木信悟vs鈴木みのる

対戦カード発表当初は試合順が未定だったから、メインでもおかしくないカードだろうとは思っていたのですが。勝敗結果からこの位置でしたね。

Aブロックだと鷹木選手推しなので、先に入場してからみのる選手を待つ間、リング上でガウンを脱いでウォーミングアップして自コーナーに佇み待ち構える一連の流れを観れたのが良きひとときでした。
配信動画でも生観戦でも一度に見える範囲が限られるのは同じだけど、生観戦だったらその采配は自分にあるのだという当たり前の事を実感しましたよ。もちろん表情などまでしっかり確認できる上にアーカイブもある配信も素晴らしいのでどっちも大事にしたいぞ。

ところでみのる選手といえば先日のvsジェイ・ホワイト戦を配信で観て、その表情の気迫に心底ゾッとしたんですよ。
敗北後もなお満ち満ちる殺気に本能的な恐怖を感じたというか。
だから今回こうして離れた距離で、表情の見えない状態で実際に試合を観た時に、自分がどう感じるのかが楽しみだったんです。
実際観るとやはり巧みだなあというか、ずっと鷹木選手が押され気味だった印象ばっかり残ってるんですよ。途中で鷹木選手がみのる選手を煽る声も聞こえてその場面も目にしたはずなのに。

だから負けてしまうんだろうと思ってたので、最後の最後に一発逆転ラスト・オブ・ザ・ドラゴンからの3カウントは素直に驚きました。若干の唐突感もあり。
勝ち名乗りを受ける鷹木選手を観れたのは嬉しかったけど、、、

実際にご本人も納得してないみたい。
(珍しく絵文字がひとつも無いツイート)
次のシーズンでNEVER賭けますかね??次は鷹木選手ならではの爽快な一戦をお待ちしてます!

ここで休憩。
配信だと後半戦スタートまで長いなと思っちゃうんですけど、現地だとあっという間ですね。新型コロナウイルス感染防止に関するご案内というかたちで現地だけの映像が流れてました。


第四試合 オカダ・カズチカvsウィル・オスプレイ

何気に生観戦を期待していた同門対決。
2階席の正面だったので、オカダ選手が入場後の名前コールされる場面で必ず行うコーナーで両手拡げるお馴染みのポーズ、いい位置で見れたのが嬉しかったり。
開始早々オスプレイ選手がドロップキックを仕掛けた事に始まり、オカダ選手の定番ムーブである相手をコーナーに座らせてドロップキックで場外に落とす一連の流れをオスプレイ選手がオカダ選手にキメてみせてこれが俗に言う掟破りか!!!ってテンション爆上げでガッツポーズしたり、オカダ選手が試合再開以降封印し続けているレインメーカーを放った事に凄まじく驚かされたり(新日の公式サイトでは変形レインメーカーと書かれていたので正調ではないからノーカウントという事だとは思いますが)、、、

ほんと、この試合を生で観れた事で今日来て良かったと心から思ってたんです。途中までは本当に素直にまっさらな気持ちで。

オカダ選手が現在必殺技にしているマネークリップをキメてオスプレイ選手を締め上げ、オスプレイ選手もギブアップ負けになってしまうのか…!?と思っていた矢先に見覚えのない人がリングに駆け寄って声をかけ始め。
わたしの位置からだと背中しか見えなかったものの体格的に明らかに女性で、何??ファンの乱入??トラブル????って戸惑ってそちらに釘付けになってる間に、いつの間にやら女性がいる付近の向かい側あたりの位置にスーツ姿と思しき男性が現れていました。

リング内に入りそうな素振りを見せる女性をレフェリーが注意しに行ったところで、自分に背中を向けているレフェリーや選手の隙をついて男性がリング内に侵入。
オカダ選手に後ろから近付き、レフェリーの目を盗んで攻撃。
そのままの勢いでオスプレイ選手もオカダ選手にストームブレイカーを決め、3カウントを奪い取ってしまいました。

これ7月にも見たやつ!!!!!!!
(よみがえるNJC決勝戦のあの光景)
感動や驚きは予想を超えてきたところに生まれ得るものだと知ってはいましたが、ここまで想定外な出来事を目の前で見せつけられたらもう驚きに戸惑いも交じってしまってしばらくの間感情と語彙が迷子でしたとも。

オスプレイ選手ヒールターンはぜんっぜん考えた事もなかった。びっくりした…。裏切られる悲しみは今年の分はEVILさんのおかげで使い果たしたので、率直に驚愕の方が大きいです。
一方で、どうなっていくんだろうなというワクワク感も確かにある。EVILさん脱退後の一連の流れの中で「ロスインゴのお家騒動」と発言していたオカダさんにこんな事が降りかかるのかと。

試合終了後、乱入してきた女性はオスプレイ選手のガールフレンドでありスターダム所属女子プロレスラーのビー・プレストリー選手で、レフェリーの隙をついてオカダ選手を攻撃しオスプレイ選手の勝利をアシストしたのはグレート-O-カーン選手だと聞きました。
岡選手の事は新日コレクションで知ってたので、この人が…!!ってそりゃもう驚きましたとも。

オスプレイ選手、試合後のバクステコメントでCHAOS脱退からの新ユニット立ち上げ宣言してましたね。
おかげで終演後の帰宅時にいろいろ予想しながら帰宅しましたよ。
イギリス繋がりでいくと、これを書いている今日10月17日(土)に開催されるBブロック最終戦にザック・セイバーJr.選手がいらっしゃいますが、、、
何か起こるのか?それとも???
今日も明日も見逃せないぞ!!!

蛇足ですが、オカダ選手の新技マネークリップ。
会場で観てるとマネークリップが決まった瞬間、場内にテンション低い「あぁ…」というため息のような声が響き渡るのが顕著に響きました。
終盤に決まればもうギブアップかレフェリーストップしか無いなという諦めが観客側にも浸透してるという事ですかね。声を出せないと理解しつつも思わず漏れてしまう類の。
それをぶち壊してひっくり返した一連の出来事。
図らずも歴史の目撃者になってしまったのも確かで、何が起こるのか分からない、人生の縮図と言われる所以を目の当たりにしてしまった。
これからのオスプレイ選手に期待しますよ。

ところでわたしオスプレイ選手の入場曲好きなんだけどな。変わっちゃったりするのかな。日曜の両国最終戦のカードが未発表なので、まずはそこを待ってみますね。


第五試合 飯伏幸太vsタイチ

オスプレイ選手の裏切り直後に行われたセミファイナルなので、インパクトが霞んでもおかしくなかったのに。
終わってみればまた別次元で印象深い一戦になってます。

タッグチャンピオンになったゴールデンエースを突如襲撃した一件に始まり、今年ずっと因縁のあるこの二人で、蹴り技だけで試合を成立させるというチャレンジングな展開を見せてくれるという。
すごいものを観ました。

途中でタイチ選手が飯伏選手にバックドロップを仕掛ける場面があるも、飯伏選手が「蹴ってこいよ!」と煽り、その後もなお続く蹴りの応酬。
わたしこの時になってようやく、これ蹴りだけでやるつもりか…??という気付きを得て、動揺と興奮に思わず手を握り合わせてリング上を眺めてしまいましたよ。どっちも負けず嫌いだ!!!

先のタイチ選手のバックドロップと、飯伏選手のフィニッシュホールドであるカミゴェ(でもこれも膝蹴りだ)以外はずっとひたすら蹴り。
負けず嫌いの削り合い。
リング上で双方がダウンした状態でカウントが始まるところ初めて見たかも。

ひたすら見入ってたので、終盤で場内に笑いが起きた時は何故なのかと本気で思いました。当事者が大真面目にやってる分、傍から見たらシュールに見えて可笑しいという笑いも確かにあるけど、この一戦で繰り広げられたのは壮絶な挑戦だったと思うんだけどな。


第六試合 石井智宏vsジェイ・ホワイト

リーグ戦の得点数で言えばジェイ選手が圧勝なのに先に入場してくるんだなぁと不思議に思いました。タイトルマッチ以外はそれほど厳格じゃないのかな。

以前書いた記事でジェイ選手に対してけちょんけちょんに物申したわけですが、今回実際に試合を自分の目で見た上で、少し意見を変えます。
悔しいけど巧い。
序盤から逃げ回ってスカすのは相変わらずだけど、その緩急のバランスが急へと振り切れた時の俊敏さに目を見張るものがあるのは認めざるを得ません。

(内藤哲也選手も緩急のバランスが素晴らしい戦いを見せてくれるのですが、内藤選手は相手の技を受けてそれでもなお立ち上がる強靭さを持っていると思うのです。相手選手を観客に魅力的に見せた上で追い抜いて行く。そういう生身の強さに魅かれる)

そういったポテンシャルと執拗な右膝攻めが合わさり、終盤で急所攻撃も見られ……。
今回もジェイ選手が勝ってしまうのか、わたしが予想している飯伏選手の決勝進出は幻になってしまうのか、、、とヒリヒリする焦燥感に胸を痛めつつ観ていたのですが。

やりましたね石井さん。
垂直落下式ブレーンバスターでジェイ選手を真正面から沈めてからの3カウント奪取。
やられたらやり返すとばかりに膝攻めをジェイ選手へと炸裂させる事もそうだし、溜飲が下がるメインをしっかりと見せつけてくれました。
鳴り響く石井選手の入場曲がこんなに嬉しかったのは初めて。最後の最後に清々しい気持ちで会場を後にする事が出来てとっても嬉しかったです。
石井選手本当にありがとうございました。
どうか膝お大事になさってください。

ところで試合後のジェイ選手と外道さんは普通に外道さんがジェイ選手を慰めているように目に映っていたので、後で公式サイトを見て「不協和音」という言葉が使われていた事に少なからず驚きました。
なんだかいろいろきな臭いよね。


初観戦後のまとめ

・大音量&照明演出も相まった、会場で聴く入場曲はカッコ良さと中毒性がすごい。特に鷹木信悟選手、ウィル・オスプレイ選手、オカダ・カズチカ選手の入場曲!!!耳が幸せ!!!!

・全体が視界に入るおかげで、普段見えないところが見えるというのが面白い。シングル戦だけでなくタッグマッチも生で観てみたいぞ。

・打撃音の生音がエグい。何を言われようとプロレスラーが己の肉体を捧げてリングに上がっている事実には変わりはないし、それはとても尊い光景だと試合を実際に観て感じた次第。

・配信で観るのと生で観るのでは時間感覚も変わる。画面越しでは生放送だろうとどうしても別世界だけど、いま目の前で同じ時を過ごしている中で激烈な戦いを見せられると体感時間があっという間。

・実況がある事で理解が深まる部分も確かにあるし、一緒に配信を観ている人のツイートをリアルタイムで追うのも興味深いけど、それら全てをシャットアウトして自分の目で見て感じた事を自分の言葉で持っておく経験は代え難いものでした。ライブはやはり素晴らしい。

・G1クライマックス30のメインテーマ曲を一刻も早く配信リリースしてくださいお願いします。

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・いいカメラを買おうと心に決めた(また何度でも行く気満々)