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数年ぶりに神聖かまってちゃんにハマった

 中学生の頃、神聖かまってちゃんにハマっていた。

 この一文だけで、ぼくがどんな中学生だったか容易にわかるだろう。学業成績は伸び悩み、部活動では落ちこぼれ。彼女は当たり前のようにおらず、誇れるものが何もなく、それでも思春期特有の無敵感を信じ、体内に有り余るエネルギーのやり場にいつも困っている……。そんな中学生だった。

 そんな奴が、神聖かまってちゃんというロックバンドに魅了されたのはある意味必然だった。「精神薬」「殺す 」「リストカット」といった、多感な時期には刺激の強いワード、1度聴くとなかなか耳から離れない楽曲、型破りなライブパフォーマンスとニコ生。すべてが尖りまくっていて、気がついたら1番好きなロックバンドになっていた。


 当時、男子の間で邦ロックを聴く(それもまだそんなに知名度のないバンドを聴くのが通みたいな暗黙の了解があった!)のが流行っており、そのムーブメントの中で、ぼくはどんどん神聖かまってちゃんにのめり込んでいったのである。 

 しかし、ムーブメントは一時的なものであり、いつまでも続くものではない。高2にもなり、厨二病が寛解する頃には、ぼくはすっかり神聖かまってちゃんを聴かなくなっていた。

 その後声優→地下ドル→ロックバンドとムーブを1周し、社会人3年目となった最近、また神聖かまってちゃんを聴くようになった。

 きっかけは、今追っかけしているアーティストがとあるライブで突然「フロントメモリー」のカバーを披露したことだった。

 そのアーティストは年齢を公表していないが、3年前くらいの生配信でぽろっと「22歳」とカミングアウトしていたことを覚えている。当時のぼくは21歳。ぼくは早生まれなので、ほぼ同世代だった。

 フロントメモリーは今からおよそ10年前の曲なので、そのアーティストも思春期の一幕に神聖かまってちゃんを聴きまくっていた可能性が高い。そう思うと、ぐっと親近感が湧いた。

 これはさすがに気持ち悪い(当然)が、ライブでカバーを披露してその後楽曲配信までやるほどだ。そのアーティストもきっと、ぼくと同じような年頃に神聖かまってちゃんを聴いてなにか感情を突き動かされていたに違いない。

 そんなことを思っているうちに、自然と神聖かまってちゃんを聞く頻度が上がっていったのである。

 とはいえ、彼らの音楽はもうすぐアラサーに差しかかる僕にとって、少々カロリーが高いものになっていた。かつて持ち合わせていた俗っぽい欲望や破壊衝動も、社会の荒波に揉まれるなかで削り取られていった今、10年前のような心持ちで彼らの音楽を受け止めることはできない。

 おまけに「あるてぃめっとレイザー!」をカラオケで披露して大スベリした、なんてよくない記憶まで掘り起こしてしまった。(この手の記憶、突発的に思い出しちゃうから本当によくない…)

 ただ今でも、彼らの音楽を好きなぼくがまだ残っていたこともわかった。これから歳を取るに連れてまた聴くことがなくなっていったとしても、神聖かまってちゃんの音楽に魅せられたあの瞬間の衝動は、いつまでも覚えていたいと思う。

 オチが思い浮かばなくて無難になってしまいました。つまんね。

追記

12/27
恵比寿LIQUID ROOMのライブ行ってきた。再びハマるきっかけになったフロントメモリーを聴けたのがよかったし、それ以上に「はなちゃんはリスかっ!」生で聴けたのが…!
それに、やっぱりライブハウスでカクテル片手にライブ聴いてる時間が好きだ。
ちょっと来年、関東圏のライブは参加しよっかな…🤔





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