間取の考え方~『分けて』暮らしやすい家~納まり編~
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
今週は先週の予告通り現在mugu 水色荘図案店さんとコラボ企画中の記事の続きを書いていこうと思います。
前回までの流れはこちらのまとめからどうぞ。
少し内容としてはマニアックになってしまったのですが、同業者の方は一つの意見として温かく見守っていただき、その他の方は一応建築の仕事ちゃんとしてるやん!ぐらいに見ていただけたらありがたいです(笑)
mugu 水色荘図案店さんからの提案と回答
インテリア編①でいただいたmugu 水色荘図案店さんからいただいたご提案はこうです。
① パントリーはの入口の開き戸の位置を北へ450程移動する
キッチンの背面部分にタイルを貼るのでタイルの終わり部分に凹凸をつけて納める為の変更依頼でした。
逆にLDK側に移動する案も検討してみました。
この場合のメリットはタイルの小口が見てて来ないので納まりが綺麗です。
今回この小口という話が何度か出てくるのでちょっとご説明を。
出来れば見せたくない部分です。
その為小口処理をしたタイルを使ったりアングルを使ったり、入隅で納めて小口を見せないようにします。
しかし、キッチン側が少し窮屈に感じるかなと思いやはりmuguさんのご提案の変更にしようと思います。
プラスでお願いしようと思うのは、今回キッチンがアイランド型でリビングからもダイニングからもかなりLDKのイメージのメインになってくるキッチンです。
それもあってmuguさんが造作キッチンをご提案してくださったので、パントリーの扉の存在感を出来る限り消したいと思いました。
ということで、クロスの貼れるハイドアをご提案します。
こちらの商品を使用してLDKのクロスと同じクロスを扉に貼ることで存在感を消すことができます。
またフルハイドアにする事で余計な枠も出てこないので扉としての存在感をさらに消す事が出来ます。
忍者屋敷の隠し扉的な!?
バックヤード(パントリー)につながる扉なのでそれぐらい隠してもいいかなと思いご提案させていただきます。
②段差を100設ける(リビング側へ100下がる)
今回の間取りのテーマが『分ける』なのですが、段差を付ける事は空間を区切らずに『分ける』事ができ私もよく使う手法です。
今回muguさんからのご提案でリビング側を100下げてほしいと言われした。
ダイニングキッチン側の床にタイルを貼る為とリビングの使い方を明確に『分ける』為の段差だという事で考えてみましょう。
単純にリビング側を下げるとなるとこうなるのですが、これには色々と問題が・・・
一番の問題はリビングからデッキへのサッシですね。
土台と基礎の高さが変わらないとサッシがマタギになってしまいます。
それは嫌だな・・・
じゃ~基礎ごと切り下げる??
それはそれで納まりが難しいなという事で、
下げずに上げる事にしました!
リビング以外の床を根太組にして上げる!これなら納まります。
ホール、パントリーの床の高さも90上がりますが、その分の段差解消は玄関ポーチ前に余裕があるので外構側で解消しましょう。
実は下げるより上げる方が簡単なのです。
ただ・・・その分木材が増えるから予算も嵩む・・・
けれど今回は企画なのでそこは気にせずにいきましょう(笑)
ダイニングのタイルの小口の納まりはコーナータイルがあれば綺麗に納まるのですが、それが無い場合はやはり小口処理してもらうしかなさそうですね。
勝ち負けはダイニングからの意匠性重視で床側を勝ちで書いています。
③リビング床材のフローリングの張り方向は長手方向ではなく
北→南向きで張りたい
これは問題なくOK。
フローリングの貼り方向は長手方向に貼るというセオリーがあります。
その方が綺麗だからです。
LDK全体を部屋として長手方向を南北と考える事もできるし、他の部屋からのつながりもあったりとその時々で変えています。
意匠的な所は次回のmuguさんの記事でお任せします。
④パーテーションのデコ窓は腰窓タイプにしてダイニング側へ奥行250の飾り棚を取り付ける
これも問題なくOK。
しかし間取りと向かいあっていると、ダイニングからのリビングの開口が狭い気がしてきました。
という事で開口芯900を両サイド共に1200の開口に変更してもらいます。
ちょっと意匠に影響がありますが、どう変えてもらえるか楽しみに変更してみます。
というわけで今回の変更図面
大きくは変わっていませんがこんな感じで微調整を繰り返して間取りを確定していきます。
この後さらにmugu 水色荘図案店さんに色付け作業をしていただきます。
コラボ最終記事も是非お楽しみください。
最終記事はこちらにまとめておきますので1から読まれる方はこちらからどうぞ。
では今週もありがとうございました。
左巴建築設計事務所 さわ。
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