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間取りの考え方~店舗改装『美容室』

アラフォー女性建築士の『さわ』です
主に関西で住宅を設計しています。

『間取りの考え方』を購読していただいている方は明けましておめでとうございます。
今年もこの『間取りの考え方』をどうぞよろしくお願い致します。

今年は有料記事にもチャレンジしていき、内容を充実したものにできるように考えていこうと思っています。
誰かの家づくりの役に立てればいいな、見ておもしろいと思ってもらえればいいなと思って続けておりますので、よかったらマガジンのフォローとスキをよろしくお願い致します。

さて新年初『間取りの考え方』は少し番外編で店舗改装の話を書きます。

私は主に住宅を設計する事が多いのですが、住宅併用店舗や、改装店舗などのご依頼もいただきます。

今回は長屋を改装して美容室に設計したお話です。

建物を改装する際の注意点

建物を改装する際の一番の注意点は構造です。
もちろんですが既存の柱は取っちゃダメ✕
鉄骨造、RC造だと柱は大きいけれど数が少ないので、大きな空間を自由に店舗に改装したい方は鉄骨造かRC造の建物を探されるのをおすすめします。

構造の次に注意すべき点は給排水、ガスなど設備です。
何のお店に改装するかによって既存の設備が利用できるか、配管工事できるかはかなり大きな問題になってきます。

木造長屋を美容室に

今回記事にする物件は先に書いた注意点が全く満たされていない店舗改装に不向きな木造長屋です。
この木造長屋美容室に改装するご依頼をいただきました。

木造の場合、柱が多くなって空間の中で邪魔になる可能性があるので店舗には不向きです。
しかし、今回ご依頼いただいた美容室は奥様が一人で営む一組限定の美容室でした。
それであれば、柱を残してももともとある空間を活かせれば間取りにできるかもと考えてみました。

美容室改装提案間取り

建物が大きく全て利用しないとのことだったので建物の2/3を利用した美容室にする間取りを作りました。

お客様の要望は一人で営む為どこにいてもお客様を見渡せるようにとのことでしたので、元々あった建具は全て外して柱のみを残すようにしました。

元々この長屋は一部店舗に使われていたのか受付カウンタ部分は元々土間でしたのでそのままその空間を利用しました。


受付カウンターと施術スペース

施術スペースの床は撤去し受付カウンターに合わせて土間仕上げにしました。

もう一つの配管問題ですが、この建物は柱も壁も真壁で配線も配管も隠すスペースがありませんでした。
こういった場合は壁をもう一枚造って配管スペースを造るのですが、今回はこの長屋の雰囲気を活かしたいのと予算の問題で露出配管にする事にしました。

電気配線に関しては全て露出配管
露出配管のメリットはメンテナンスのしやすさと撤去時の復旧の簡易さです。

しかし、シャンプー台の給排水は露出とはいかないので元々あった床の高さに合わせて一部土間の高さを上げて配管計画を考えました。

美容室部分

それに合わせて腰掛けれるキッズスペースも1帖造りました。

元々あった2階の二部屋と階段は撤去して、できるだけ明るくなるように取れる限りに二階の床を撤去する方向で提案しました。

美容室部分

実際のところは

リフォームも改装も同じですが事前にご提案はするのですが、実際のところは解体してみないと分からない部分も多いんです。

こうしようと思っていたのに実際解体したら無理じゃん!!!ってなる事も多々あります。
その都度計画を変更しながら工事を進めていく必要ありです。

さいごに

で、このご依頼はどうなったかというと・・・
やはり解体してみないと分からない事も多く、予算上読めない部分も多かった事と物件が賃貸だったのですが他からも借入希望が入ってしまい話は進みませんでした。

なかなかいい感じの計画にできたのでやってみたい仕事ではありましたが残念でした。

ちなみに過去に家の一室を美容室に改装するリフォームもお受けした事があります。
あとは、美容サロンにとかも。
奥様が子育てを気に家の中で技術を活かして独立される方々でした。
個性を活かした自分だけのお店を持てるって楽しいですよね。
そんなご依頼も今後お待ちしております。

今週もありがとうございました。
こんな感じでたまには住宅以外のネタも書いていけたらなと思っています。

そして今年もネタ提供の為に間取り相談も募集していきます。

全てお答えできないかもしれませんが、興味のある方はメッセージ、コメント、メールなどでお問い合わせください。

では来週もよろしくお願い致します。

左巴建築設計事務所 さわ。

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