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徳島県上勝町にある二つの建物

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています

先日のシルバーウィークに徳島を通って高知旅行に行きました。

徳島を通る理由は旅行の目的でもある夫の祖父母の墓参りがほぼ徳島よりの高知だった為です。

1日目は移動と墓参りの予定しかなかったのですが、交通状態が上手くいって早く着きそうなら徳島で行った事が無いところに行きたいなと思いました。

それで調べたのがRISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Storeでした。

なんだこの建物は?!と気になって調べていくともう一つ似たテイストの建物がある事が分かりました。
上勝町ゼロ・ウェイストセンターです。

さらに調べていくと徳島県の中部に位置する上勝町では2003 年に自治体として日本で初めての『ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言』を行ったと知りました。
ゴミを0にする。
そして現在80%まで達成できているそうです。

これはどうい事なんだろう?と建物以外にも興味のわく情報でした。
建物も見たいし、もっと知りたいという欲からこの二つの建物に寄り道する事にしました。

上勝町ゼロ・ウェイストセンター

2020年5月に環境型複合施設として完成した建物です。
『上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY)』
というゴミの分別処理場と地域のコミュニティーを目的とした施設と
ゼロ・ウェイストアクションホテル『HOTEL WHY』
という宿泊施設の複合施設です。

設計はNAP建築設計事務所の中村拓志さん。

この建物の何が面白いってテーマになっている『WHY』にかけて建物を上から見ると『?』になっている事です。

私もそのことは現地に行ってこの施設の事を書いた新聞の展示で知りました。

新聞記事による上勝町ゼロ・ウェイストセンター

『?』の上部カーブ部分がゴミの分別施設でここは地域の方しか入れません。
そして下部の点の部分が宿泊施設になります。
ここも見てみたかったですが中は宿泊者しか入れないので外からだけ撮影させてもらいました。

宿泊施設部分

どうも真ん中部分が吹抜けでエントランスなどは何もなく外周が宿泊施設のようですね。

こちらの記事に宿泊施設内の写真がありました。

私が訪れたこの日は雨が降ったり止んだりしていて、上勝町ゼロ・ウェイストセンターは山の中で着いた時には霧が凄かったです。

上勝町ゼロ・ウェイストセンター

上記の記事の写真と比べてみて分かるように霧で向こうの山も見えない状態(笑)
天気がいいと山と芝生のグリーンがこ建物を引きたてただろうなと想像しながら撮影しました。

上勝町ゼロ・ウェイストセンター

この建物の特徴的な意匠は赤い外壁と屋根に廃材を利用した色々な窓の数々。
実際に地域の方の家や学校から廃材として集めた窓や建具を利用しているようです。

窓や建具が色々と組み合わさった意匠

こんな色々な窓を組み合わせて隙間ができないのか??と思い見学できるリユースショップと、コミュニティホールの中に入ってみる事に。

2重壁ならぬ2重窓

なるほど二重壁ならぬ二重窓になっているようです。
外側と内側で違う窓や建具が並ぶ意匠になっています。
その窓や建具に合わせて一つずつ枠を木で造っているのです。
大変な仕事だったろうなと思いました。

火災報知器

ちゃんと窓の並びに火災報知器も埋め込まれていました。

リユースショップ

内装もリサイクル瓶を利用した照明や、おそらく床のタイルも廃材かと思います。

コミュニティホール

この建物の建っている土地もごみの野焼き、埋め立て場だったそうです。
そして廃材と地元の材料を使用して建てた建物です。
建物そのものが『ゼロ・ウェイスト』を後押ししています。

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store

徳島市街からまず上勝町ゼロ・ウェイストセンターを目指したのですが山道を進む途中に先に目に入ったのはこの建物でした。

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store


ちょうど山を登ってくる道に向かってこの面があるのでかなり目立つ建物です。

上勝町ゼロ・ウェイストセンターの後に寄る事にしたのですが実際建物に入ると外から見るより小さな建物でした。

この窓の外壁の部分はお店の吹抜けになっていたのです。

店舗内

こちらも先ほどの建物とおなじくNAP建築設計事務所の中村拓志さんの設計です。
だから外装も内装も同じようなデザインです。
でもこちらはかなり高い吹抜けで内装からみてもこの窓とガラス瓶のシャンデリアは印象的でした。

こちらの建物は吹抜け側が店舗、低い屋根の方がビールの醸造所になっていました。

地ビール

こちらの施設ももちろんゼロ・ウェイストを目指していますので、ビールを作る時にでるモルトカスを肥料にしてビールの原材料を育てるのに使用する
資源循環システム「reRise(リライズ)」を取り入れて作られた地ビールです。

折角なので夜のグランピングのBBQの為に買って帰る事にしました。

一番人気のMORNING SUMMER

一本は一番人気を信じて。
もう一本は黒ビール

購入した2本

MORNING SUMMERはかなり爽やかな柑橘系のビールでした。
すごく甘くてビール!?と思うぐらいです。

STOUTはコーヒーなのかなと思うぐらい香ばしい黒ビールでした。
こちらも甘めです。
あとから調べたら鳴門金時を焼き芋にして活用しているそうです。

それからお昼もこちらで食べていく事にしました。
メニューは2種類で一つはホットドックでもう一つが自家製プルドポークのサンドウィッチ。
プルドポーク???初めて聞いたのでせっかくなのでそちらにしました。

自家製プルドポークのサンドウィッチ

豚肉をフレーク状にして甘いソースがかかったサンドウィッチでした。

雨じゃなければ要予約で外でBBQもできるみたいですよ!

雨でしたが平日ということもあってゆっくり建物も食事も味わえました。

さいごに

町おこしのきっかけだったのかもしれませんが、町をあげてみんなで『ゼロ・ウェイスト』を目指して動いているこの町は素敵だなと思いました。
四国で一番小さな町だそうです。
小さな町だからこそみんなで協力してできる事に着目したのだと思います。

なかなか観光で伺うには市街から離れてはいますが、見に寄ったかいがあったなと思う建物でした。
そしてこれを期に『ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)』についてもっと知りたいと思えました。

是非徳島、高知に寄った際には寄ってみてください。
私も晴れた日にまた行きたいです。

さて今日は休みです。
旅行記事もたまっているので書きたいのですが最近は相変わらず休みの日の予定がいっぱいです。では『いってきます』
皆さんも気を付けて『いってらっしゃい』

こんなアラフォー女性建築士を応援してみようかな思ってもらえたらフォローとスキをよろしくお願いします。

左巴建築設計事務所 さわ。

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