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抗がん剤と陽子線治療開始(中咽頭がん)

抗がん剤(シスプラチン)について


入院2日目は抗がん剤の投与と、陽子線治療の開始です
前日から点滴していた生理食塩水が終了してから、続けて3種類の点滴を行います。
抗がん剤の投与に向けた準備です。
「吐き気抑制」「電解質の補正(マグネシウム)」「体内浸透圧調整のためのもの」を点滴しました。
これらが終了後、いよいよ抗がん剤の投与です。
事前に薬剤師の方に投与する薬とスケジュール、副作用の説明を受けます。

スケジュールのプリントをもとに説明をしていただきました


私が投与される抗がん剤、シスプラチンの主な副作用は主に以下の通りです

  • 腎機能障害(おしっこがでなくなる、手足がむくむなど)

  • 吐き気、おう吐

  • 下痢

  • 白血球減少(感染症にかかりやすくなります)

  • 赤血球、血小板減少(貧血、内出血しやすくなったり、血が止まらなくなる)

  • 手足のしびれ

  • 脱毛

  • 耳鳴り(蝸牛にシスプラチンがとどまり悪さをすることがある)
    →これは対処方法が今のところ見つかっておらず、治らない(恐ろしい・・)

これらの副作用がそれぞれ、投与後すぐから数週間後にそれぞれ発生する可能性があるという事です(画像の下半分の色のついている期間)

特に腎機能障害と吐き気はリスクが高いので、様々な対策が取られています。
腎機能障害抑制のため、シスプラチン投与前日から生理食塩水を点滴し、体を水分で満たし、排泄しやすい状態にするそうです。また、シスプラチン投与後も二日にわたり生理食塩水を点滴します。

吐き気対策は、点滴と、飲み薬2種類が基本パターンとして処方されます。ただ、これでも吐き気やおう吐が止まらない場合は薬を増やすなどの対応はおこなってもらえるようです。

そして、シスプラチン投入の際にもし点滴の針から薬剤が漏れたらすぐに洗うようにと、なんでも皮膚がただれてしまうようです。。

「そんなヤバイんですね。。抗がん剤って。。」
「薬剤師さん)われわれも点滴溶剤を混ぜるときは防護服着ますからねw」

抗がん剤はがん細胞のDNAを壊すためのものなんだけど、がん細胞だけを狙って壊すことができるわけじゃないんで、ほかの正常な細胞も攻撃されて弱ってしまうってことになる。

がん細胞は一度壊れると再生できないので活動が収まりそれ以上増殖しなくなる、正常な細胞は一度息も絶え絶えになるけど、頑張って再生してくる、って特徴を利用した治療方法。
だから、抗がん剤治療は「辛い」といわれるんですね。。

シスプラチン投与


準備の点滴3種類が完了して、いよいよシスプラチンの投与です
6月7日 13:15頃
看護師さんが防護服をまといながら投与してくれます。
ものものしい。。
緊張の一瞬です。。


・・・特に変わったこともなく、約2時間で投与完了。(そりゃそうか、そんなにすぐに変化はないですね)

抗がん剤シスプラチン

投与完了後、続けて生理食塩水を点滴します。

陽子線治療について


抗がん剤投与完了後、陽子線治療を受けるために陽子線センターへ移動します。
点滴のスタンド(イルリガードル台っていうらしい)を一緒に移動します。私が使用しているスタンドは年季もので、キャスターはキュルキュルとGOODなサウンドを奏で、ちいさな凹凸を乗り越えるのが下手くそなので、気を付けながら移動しています。(だいぶ慣れてきた😁)

不屈のリヴァイ兵長を胸に点滴スタンドを従え戦いに臨む!?


陽子線の照射範囲、照射の強さなどの説明を受けます。
思ったより広範囲に照射される模様。。
後遺症の心配があたまをもたげますが、がんのせん滅優先のために行うこと。自分にできるケアを完璧にこなし、後遺症を寄せ付けない努力を最大限に行います。

照射範囲のイメージ。わかりにくいけど。。


中咽頭がんにおける陽子線治療の副作用は

  • 口内炎(粘膜炎で食事や水が飲み込みにくくなる)

  • 味覚障害(味蕾がやられて味がしなくなる)

  • 唾液減少(唾液腺がやられて唾液が少なくなる)

  • 皮膚炎(軽いやけど状態)

  • 声帯機能障害(こえがかれたりする)

  • 下顎骨壊死(下あごの骨の組織が局所的に壊死する) など

いずれも、患部以外の部分に陽子線があたってしまうことにより発生する副作用です。

陽子線治療も、陽子線により攻撃されたがん細胞は死滅して復活しないが、正常な細胞は復活することを利用した治療なので、正常な細胞も多少なりとも攻撃されてしまいます。

正常な細胞をどれだけ早く回復させらるか、によって副作用の大きさが変わるのではないか?と私は思いました。

いろんな方のブログやYouTubeを見ると、副作用の非常に大きな方と、比較的軽い方それぞれです。そして、比較的軽い方の自己分析では、やはりセルフケアをしっかりされている印象。

なので、私は自分でできる部分であるこのセルフケアを一切手を抜かずに行うことにしました。

くしくも、富士ヒルが終わり、参加者の方々の熱い想いがあふれるブログやインスタを拝見し、来年は自分もやってやる!という気持ちと同時に、

「今、自分が戦うのはこの病(やまい)だ。みなさんが真剣に目標に向かって挑んだそれぞれの溢れる情熱にたくさんの刺激をもらって、これを自分の力にして完全勝利してやる!!💪💪💪」

という感じで、気合にあふれております。(単純)
セルフケアあれこれは次の機会に紹介したいと思います。

さて、治療開始です。
陽子線の設備のある施設に入り、準備します。
スマホやスマートウォッチは壊れる可能性があるため、入り口付近のロッカーに預けます。
時間になると呼ばれます。技師の先生3名と担当の看護師さん4名体制で対応してくださいます。

初めてなので機械の説明などを受け、台に横になります。
横になる直前に、あ、と思い出し、今朝の診察時に受け取った皮膚炎のケアの部位と陽子線を照射する場所の画像が左右が反対になっていることについて質問しようと思っていたのを思い出し、技師さんに聞いてみると、いままでそんな質問はなかったのか、該当の画像をみつつ、確認します。と。

皮膚をケアする範囲を計算で示したイメージ図

確認してもらった結果、陽子線をあてる側は陽子線は患部で最大の線量になるように調整できるために皮膚側はそれほどの線量ではなく、反対側の部分が透過してしまう線量が少しあるためケア対象となっていることがわかり、安心しました。

いや、もしかしたら、陽子線自体が左右逆に当てられでもしたら、そもそもが間違ってることになりますので。。ケアレスミスは私の得意技でもあるので。。😅


陽子線治療開始


安心したところで、再度台に横になり、マウスピースをして、先日作成していただいた固定具で体と顔を固定します。
やはり少し苦しい。。

陽子線の治療設備はこんなの


IMPT(強度変調陽子線治療)というもので、陽子線の強度を変化させることで腫瘍に高い線量を届け、周囲の組織への影響を最小限に抑える治療法です。高度な画像技術と計算方法をで、それぞれの患者さんに合わせた照射計画が立てられます。
これが3方向から照射されます。IMPTはがんのコントロール率を向上させつつ副作用を減らすことが期待されている治療方法です。

まず、位置合わせです。台を微調整します。
位置が決まったら照射開始です。照射中は舌をマウスピースに沿わせて動かさないようにすること、唾液を飲み込まないことを指示されます。

のどが動くと照射が均一にならないことと、舌が動くと余計な線量が下に照射されてしまうことを防ぐためです。

これこそ自分でしかできない部分、気合を入れます!!
しかし、苦しいことに変わりはなく、気を緩めると舌やのどが動いてしまいます。

「だめだ!集中しろ!!呼吸を意識するんだ!!」

そうです、上弦の鬼と戦う竈門炭治郎です。(何を言っている?)

ごくごく個人的な戦いを続けていると、終了のアナウンスがあります。
固定具を外してもらいます。あぁ、開放感。と同時になんだかすごい疲労感です。
これ、35回もやるんだよね?上達するかしら??


明日以降、抗がん剤の副作用がどうなるか、この先の陽子線治療の回数を重ねるにつれての変化など、また報告したいと思います。



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