7月です。建設業関連の改正です。

新御徒町うめづ行政書士事務所でございます。暑くなってきたので、WWSを着るようになりました。作業服です。動きやすいです。洗えます。なお、9分丈でピッタリです(超嘆息…意図的な誤字です)

さて、とっくに発表されている案件ですが、令和5年7月1日から施行ということで、「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」の中の「一般建設業許可の営業所専任技術者の要件の緩和」の話をしたいと思います。

まず、国交省のプレスリリースはこちら

発表された時から、「なんだこれは!すげえ!」の声が行政書士界隈で起きた記憶があります。
とりあえず「営業所専任技術者」は、主任技術者と読み替えて差し支えありません。一人前の技術者ですよってことです。
「一般建設業の」というのは、特定建設業の場合、元請で4500万以上の現場で2年以上、指導監督的立場の経験(現場所長、現場監督、主任技術者など)を積んだ人ってことなので、ちょっと考え方が変わりますよって話です。
そして、建設業には指定学科という考え方があります。学歴社会と呼ばれてた時代、普通科に集中して職業系の学校に通う人がいなくなるから…かどうかは定かではありませんが、建設業では普通科(大学だと主に文系)だと10年経験が必要なところ、指定学科を出ていれば高校なら5年、高専・大学なら3年で一人前(主任技術者)と認めますよという仕組みです。

令和5年7月1日の規則改正は、施工管理技士試験を1次でも合格した人は、学歴に関係なくジャンルに対応した指定学科として認めますよという話です。
「合格後に」1級なら3年、2級なら5年の実務経験を積めば、主任技術者として認めますよという話です。
これは現行の1次試験合格した人だけでなく、すでに施工管理技士をお持ちの方も対象になります。
ちょうどいいイメージ図が、福岡県のページにありました。この中の白丸が対象となる許可業種です。

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/197276.pdf

さて、電気や管の施工管理技士は、元々電気、管と1つの許可業種で主任技術者になれますよという話で、そこに白丸がついた許可業種、つまり

  • 電気:機械器具、消防

  • 管:鉄筋、しゅんせつ、板金、機械器具、熱絶縁、さく井、建具、水道施設、消防、清掃施設

がそれぞれの業種で所定の期間の実務経験証明書をつければ主任技術者になれます。なんか、管の施工管理技士免状がめちゃ光輝きそうなんですけど。

そこで疑問に思いませんか?「土木や建築の施工管理技士は、元々たくさんの許可業種で主任技術者になれるから、すでに持ってる人には関係ないのでは?なんで今更指定学科認定必要なんだい?」って。
関係あります。
経審で加点になる業種をチェックします。(CIICの資料です)

https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2016/06/keishingijyutusyokuin.pdf

かなりざっくりな内容として、施工管理技士で主任技術者になれる許可業種は以下の通りです。

  • 土木(塗装、薬液は省略):土木、とび、石、鋼、舗装、しゅんせつ、(1級は塗装)、水道、解体

  • 建築2級(建築):建築、解体

  • 建築2級(躯体):大工、とび、タイル、鋼、鉄筋、解体

  • 建築2級(仕上げ):大工、左官、石、屋根、タイル、板金、ガラス、塗装、防水、内装、熱絶縁、建具

  • 建築1級:建築、大工、左官、とび、石、屋根、タイル、鋼、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装、熱絶縁、建具、解体

上記と白丸の内容を比べてみましょう。何か違いますね?
つまり、1級の施工管理技士を持っている人は、以下の業種が学歴に関係なく実務経験3年で主任技術者になれます。
(1級を基準にするのは、2級の各種すべてできるのが1級だからです。2級は1級の範囲+下記と考えればいいと思います。なお、2級のままなら5年、1級1次が合格すればそこから3年です)

  • 1級土木:左官、屋根、タイル、鉄筋、防水、熱絶縁、さく井、清掃

  • 1級建築:機械器具、消防、清掃

これは本当に画期的な話で、実のところ、1級建築施工管理技士持ってても、大学の土木学科出身だから機械器具の実務経験10年やったという人は、案外います。というか、会社に当たり前のようにいました。
機械器具って、主任技術者になれる条件が実務経験か技術士かしかないので、大変なんですよ実際。(同様のことは清掃にも言えます)
で、その10年が3年になります。画期的すぎます。

ということで、施工管理技士をお持ちの方は、合格してから実務経験どのくらいやったっけな?というのをまとめてみましょう。
というより、人事の方ですね!現場出来る人が増えるかもしれません!採用の際は実務経験のチェックをするべきです!資格管理・実務経験管理さぼると、現場出来る人が思うように増やせない=受注が増やせなくて倒産危機にもつながる時代が来てます!
そして、まだ施工管理技士お持ちでない方!1次試験は学歴に関係なく受験できるようになりました!受けてみよう!(というか、ぼくが受けてみる?)


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