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価値観、このやっかいなもの

2020年度のDV(ドメスティックバイオレンス)の

相談件数は18万2,194件で、19年度の11万9276件から1.5倍となっています。
もっともこの年「配偶者暴力支援センター」の相談件数に加えて、内閣府が設立した「DV相談プラス」への相談件数も入ったからですが、それでもかなりの増え方です。

これまで日本におけるDVは、法的には保護命令しかなく、それを違反した時初めて刑事罰の対象となります。しかしそれだけで、加害者へのプログラムは何もなく、DVを根本から変える取り組みがほとんどありませんでした。

海外では欧米、アジアの多くの国で、公的枠組みの中で加害者プログラムを行っています。

日本でも、加害者プログラムを実施する全国の団体でつくる「DV加害者更生教育プログラム全国ネットワーク」が、2021年12月、オンライン模擬体験を公開しました。

「ご飯は炊けたら軽くかき混ぜるのが当たり前、それを何度言ってもやらない、飯がまずくなる」

「晴れた日は必ず布団を干すべき、洗濯は毎日しないと気持ち悪い」

「結婚したらこちら(夫)のルールに従うのが当たり前やろ」

「うん、僕もTシャツのたたみ方で数時間、説教したことがある、今思うと、ちょっと滑稽かも・・・笑」

プログラムを受け始めて3年、4年の先輩と、最近受け始めた人たちとのやり取りの中で、自分のやっていることの「おかしさ」に自ら気づいていく、という構成でした。

加害者の考え方のゆがみと、被害者の自責的な認知、そして学習される暴力、さらに、世代を通じて連鎖される歪んだ価値観。それらに加害者本人が気づき、暴力に変わるコミュニケーションや、パートナーを尊重するとはどういうことかを学び、DVの再発防止に役立てよう、というものです。

もちろんDVは暴力を含むわけでそんなに簡単じゃないかもしれないけれど、そこまで行かなくても、普通に、夫婦の間でトラブルを起こす時、このそれぞれの価値観というものが、大きな根っこにあることは確かだと思います。

自分は正しい、相手が間違っている、
相手が変だ、
だから、変であることを伝えて何が悪い・・・という考え方。

相手が間違っているのだから、相手を変えよう、
それが口で罵ることや手が出ることにまで発展するかどうか、だけの違い。

人間関係を損ねる一番大きな原因は、それぞれの人が無意識に持っている、その人なりの、やや歪んだ価値観。
そして、それが、やや歪んでいる、という自覚の無さ。当たり前だ、と言い切る不遜。

私たちは、いつでも、自分がDV加害者になるかもしれない、という可能性を持っています。
自分の正義で、誰かを断罪すること、そういう誘惑に負けないために、常に、自分の「価値観」の歪みに敏感である必要があります。


自分の思いも相手の気持ちも大切にする、アサーティブというトレーニングがあります。

これはトレーニングで身につける価値のある体験学習です。

Noが言えない、
嫌なことも断れない、
自分さえ我慢すれば丸くおさまる、

これはDV加害者とは真逆のようで実は、同じ認知の歪みがあります。

また、被害者になってしまうことで、加害者を作ることにつながったりもします。

興味ある方、少しずつ、一緒に学んでいきませんか?

加害者、被害者という、どちらの立場からも開放されることが、心の健康の第一歩じゃないか、と、私は、考えています。

興味ある方はコメントくださいね。

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