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ゲーム音楽のジャズ曲・推し3選

 はいどうも。こちら、S(h)inという名のゲーム音楽好きの記事でございます。今回はハッシュタグ「#スキな3曲を熱く語る」というものを見かけて、それをもとになんか書いてみた次第です。

執筆までの小話

 この「#スキな3曲を熱く語る」というタグ、こちらゲーム音楽好きとしては便乗したくてたまらないお題でして、すぐに記事を書きたくなりました。

 では、さっそくタイトル「私の好きなゲーム音楽3選」っと…

 うん、ゲーム音楽だけじゃ広すぎる。本当に好きなものを並べ、読む人のこと考えない文章なら仕立てられなくもないですが、納得できるものが書ける気がしません。確実に駄文が出来上がることでしょう。

 で、ゲーム音楽からさらに絞ればいいってことになりまして、白羽の矢が立ったのが「ジャズ」でした。結構いろんなゲームで使われてるジャンルですし、何より曲単品で聴いても魅力あるものが多いのが推しやすいなぁと思っての選出です。

 さて、本題前の小話はこれにて終了。それでは「ゲーム音楽のジャズ曲・推し3選」行ってみましょう。

1.通常戦闘(ごきんじょ冒険隊)

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 最初にご紹介するのは、1996年にパイオニアLDCからSFC用ゲームとして発売されました『ごきんじょ冒険隊』の「通常戦闘」です。サントラの発売などがなく正式な曲タイトルが不明なので記事内ではこの名称で通させていただきます。

 本作は幼稚園児が主人公のRPG。須藤真澄氏の「漫画版」と同時に展開された経緯を持つそうなんですが内容は異なっているらしく、ゲームが原作だとかどっちも別軸だとか情報が錯綜している様子。

 タイトルや作品の絵柄からはジャズとの関連性は感じられないかもしれませんが、作曲は『ミスティックアーク』などで知られる森彰彦氏が担当しています。その技術をもって作られた「通常戦闘」がなんともおしゃれなジャズ曲になっているんです。

 作品とのギャップもすごいですが、とにかく曲のクオリティの高さがポイント。ゲーム音楽では1ループ内に同じメロディ繰り返すことで印象を強めようとする手法が多く用いられますが、本曲は1ループ約1分47秒の間に「まだ展開するの?!」と驚くほどコロコロとメロディが移り行きます個人的にはループで曲先頭に戻る際の「溜め方」が天才なので是非注目して聴いてみて欲しいです。

嘘です。全編天才なので聴いてください。

 なおゲーム自体はプレミア化している上、バーチャルコンソールなどでの配信も行われていないので実機プレイのハードルは極めて高いのが最大の難点となります。

2.Jazz Racing Jam(ソリティ馬)

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 次にご紹介するのは、2013年に3DSのダウンロード用ソフトとして発売された『ソリティ馬』から「Jazz Racing Jam」になります。しっかり曲名に「Jazz」って入ってますねぇ!

 こちらのゲームはソリティアと競馬を掛け合わせた全く新しいゲーム。なのでタイトルは『ソリティ馬』(そりてぃば)と読みます。これだけ聞いてもどんなゲームかぴんと来ない方は公式のプレイ動画がアップされているので覗きに行ってみてください。開発者の皆さんも出演してるのもポイントです。

 それで本作は開発会社が『ポケットモンスター』シリーズを手掛けたゲームフリークさんであることもポイントで、作曲も『ポケモン』で数多くの名曲を生み出した一之瀬剛氏が担当しております。

 そして、ご紹介する「Jazz Racing Jam」は本作のレース中のBGMになっております。イントロがゲートから一斉にスタートを決める競走馬の勢いを表すようにとにかく鮮烈でかっこいい。それが収まるとじりじりとレースの緊張感を感じさせるようなメロディへと変わっていきます。

 ドラムが馬の足音のように響いてくるのもまた気持ちよく、サックスの滑らかな音色もおしゃれでとてもいい。途中のサックスが消えて静かになるパートはどこか『ルビー・サファイア』の頃の一之瀬さんの楽曲を彷彿とさせてまた面白いですね。

 総じて「スピーディーなジャズ曲」でとても本作のゲーム性にマッチした名曲だと思います。現在でも500円というリーズナブルなお値段でのダウンロード購入が可能ですので、気になった方は是非いかがでしょうか。ただ、既プレイヤーから「時間泥棒」と言われている点についてはご注意ください。

3.On A Starry Night(Rot Gut)

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 最後にご紹介するのは、2012年に公開されたゲーム『Rot Gut』の「On A Starry Night」です。「公開された」という文言が引っかかった方もいらっしゃると思います。このゲームが世に出た当初は「発売されたゲーム」ではなかったのです。

 本作はもともと個人のFlashゲーム作品として公開されたものでした。現在はFlashのサポート終了によって遊べなくなってしまいましたが、2016年からSteam上での販売を行っていたそうなので、そちらでなら今でも遊べます。

 ゲームの舞台は禁酒法時代のアメリカ。銃を構え、町に蔓延るギャングを掃討しながら進む横スクロールアクションとなっています。でも、最大の特徴はそれらがドット絵で表現されているところ。

 このゲームの雰囲気とグラフィックを加味し、本作のBGMは「1920年代のジャズとチップチューンの組み合わせ」となっています。数あるゲーム音楽の中でも珍しいタイプの曲が取り揃えられているわけです。

 紹介する楽曲「On A Starry Night」は上に貼りましたトレーラーでも流れている曲です。とにかく完成度が高く、1ループ54秒の中に禁酒法時代の寂れた深い夜を感じさせる名曲です。卓越した技巧によって、どの電子音がどのジャズ楽器を担当しているのかがピンとくるという不思議な体験が味わえる点にも注目していただきたいですね。

 ちなみに本作のサウンドトラックはBandcampでの販売が行われており、無料での購入も可能です。興味を持たれた方はどんな曲が揃っているのか、一度試聴してみるのもありだと思います。

おわりに

 今回の3曲選定にあたり結構悩みましたが、「マイナーな曲を知っていってもらいたいぞ」という欲に負けてだいぶマニアックなものが揃ってしまった気がします。

 他には『Cuphead』の「Floral Fury」とか『太鼓の達人』の「3piece-jazzparty!」とかが紹介候補に挙がってました。こちらもとてもいい曲なので是非聴いてもらいたいところではあります。

 ただゲーム音楽は奥が深いので、私のまだ見ぬジャズ曲が眠っているかもしれませんし、これから名曲が生まれるかもしれません。まだまだ楽しみは終わりませんね。

 それでは今回はこの辺で。また別の記事でお会いできることを心待ちにしております。ありがとうございました。


画像出典

[見出し画像、Rot Gut:紹介画像]
Steam:Rot Gut
https://store.steampowered.com/app/395500/Rot_Gut/?l=japanese

[ソリティ馬:紹介画像]
ソリティ馬 | ニンテンドー3DS | 任天堂
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000015104

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