あさひな

稚拙ったらありゃしねえぜ

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Rocket Man

悪夢と現実に架かる橋 下を走る川面に映る モザイク青空が実は 本物なんじゃないかって 余計なものは見えなくていい 余計なものをまとって錆びてゆく 日月を美化した 生あたたかい春の思い出 讃美歌を贈るよ カビだらけの若さに 導火線は途中で 弱さに遮られていた 爆発を恐れて止まない 弱さに遮られていた ーー 現を写し出す川に ロマンを流してしまいたいな 憂鬱にとらわれながら 立ち止まり眺むる橋の上 余計なものは見えなくていい 余計なものを生み出しては捨てられない 望

    • Sept.

      新世界育ちの天使に 今にも触れそうな指先 剥がされていくカレンダー 幸せそうな君にサレンダー セプテンバー 立ち漕ぎの坂 まどろんだ朝を抜けて 全身が思い出すような だらだらと流れる焦燥 経年劣化のブランコを 軋ませる2つの影は消えた 似た者同士 今はひとり 倦怠で身体を見つける 揺るがない9月のひかりに 痛みを植え込んだ庭先 剥がされていくラベンダー 幸せな君はきっとスレンダー セプテンバー 飛び出した街 あのときの地面を駆けて まもなく過ぎてゆく杪夏 瞳は乾きを尽

      • 地球

        人々は 生存をかける競争 僕たちは 星雲を駆ける逃亡 緊縛の都市の果て 剥き出しの岩肌が見える 文明の利器の枷 逃げ足にしがみつく 背後には迫りくる 震撼の兵器 この星を飛ばしうる 禁断の兵器 忘れゆく 慈悲を抱き 辛うじて 保つ人間のかたち 掠めゆく 危機を前に 辛うじて 保つ尊厳よ如何に 一面にそびえ立つ 究極の美食 宴会を催すは 超自然の怒り 時代の番人に逆らって 稀代の英雄を気取っていく 専ら流行る唯一の忘れもの 未来を失った僕たちの逃避行

        • 一年後の海

          さっきまでは曲がっていて 今は暫く真っ直ぐが続いている 半分の半分くらいだろうか 1光年のトンネル 今、どの向きに進んでいるか かつて、どの向きを目指していたか 歩けば歩くほどわからなくなった 1光年のトンネル そう、モラトリアムは確かに 必要な時間だったんだ 立ち止まること そこにあるもの すべてが君の力になる ーー 驚くほどに曲がっていたり 少しずつ真っ直ぐが続いている よく歩いて来られたな 1光年のトンネル 今、どのくらい遅れをとっているか いつか、皆の背中は

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          空蝉シガレット

          煙を嫌う彼女の 相手は煙草を吸う奴だった 世界を知らず僕らは 目隠しのままペンを握る 高層ビルを見上げては 溢れんばかりの自我を抑え込む 往生際が悪いのは 既に知っている とっくに知っている 蝉の脱け殻はいったい 誰の背中を押している? 広い世界の中へ  ある時 一斉に放たれる この雨が上がったとしても 僕は忘れ去られるだろう あの日の雨は長かったな 最後まで見棄てないでくれよ ーー 煙草を吸ったあいつは 誠実さの欠片もない奴だった 大海を知らず僕らは 同じところで

          空蝉シガレット

          雷霆

          朧気ながらも 消えない後ろ姿 翻した羽根は透明 見渡す向こう側 ぼんやりとした世界は レンズを外したよう 鮮明化が犯した罪は 晴天の世界を連れ去ったこと 折り畳み式に強がって ケースの中 今も泣いている 轟音は時を止めて 思い出す 辺縁系 つぎつぎと 轟音に呼び戻され 流れ出す 道路上 ぼろぼろと ーー 移り気ながらも 消えない後ろ姿 翻した羽根は半透明 見透かす向こう側 はっきりとした世界は 秋雨を告げるよう 鮮明化が犯した罪は 晴天の世界を連れ去ったこと 唸るよ

          二月、特急

          小さな世界が終わる前 イヤホンを流れていたそれは 僕もいつか出会ったことのある あのロックンロールかもしれない 表面張力の限界 自己責任を謳う世界 あの子は泣いた グラスから溢れた 僕のはほんの少しだけ  容積が大きかったようで 違いはただそれだけ いずれ出会ったかもしれない あなたに会えなくなってしまった ひとつの物語はこの朝 人知れず終わってしまった ーー かつては何かしらの夢を 持っていたりしたのかな 声も名前も知らないけど なぜだかとても悲しいんだ 何事もな

          二月、特急

          浮雲

          潮風の町で今日は グレーが雨を降らす 写真もあんまり無いよ 君が古い記憶になるほどの これまでもこの先も 以上も未満もなくて 気さくに話しかけるよ 言えない気持ち隠して ーー 沈む西日の心は 行ったり来たりのシークレット 半月の示す答え 多面体の文字通り 戸惑いもせず歩いた 最果てにあるよセイクレッド 夢見通り逃げ込んだ やっぱりいたのねオスカー ーー ハイティーン寝潰して とり逃したサンセット 深紅の愛の花も ポケットにしまい込んだ 燦爛たる君の瞳が 彼を満天

          trance

          吸って吐いて脈打つ毛布 恋仲の貴方 夢の中 好いて嫌って波打つ夜 realityいつも二項の中 ーー 私が生きていた日常に 現れた貴方はirregular 顔合わせて伝えられたから 破綻した滑稽なlogic 夜には寝かせてくれないでよ 2人でendless midnightを 朝には起こしてくれないでよ 2人でendless midnightを ーー 貴方から始まった日常に crazy夢中になる私 最近先に寝てしまうのね Waking alone私だけなの? 夜に

          パレット

          葉の混ざる桜の木 ひらりまた足元 あの日より笑った空 ひらり静かな町 可愛らしく浮いて沈む わざとらしく浮いてみたりする なんとなく興味ないふり 横目捉えた永遠の外側 続くものじゃない わかっていた 〃 一年限りの甘い記憶 わかっていた 「年下の姉」が 似合っていた 君には似合っていた 一年前とは違う香り それはとても似合っていた ーー 色混ざる板の上 ぽつり落とした水 陽の当たる暗い世界 ぽつり無色の雨 可愛いらしく沈んで浮く わざとらしく沈んだりする なんと

          ショウナンスズカ

          泡が流してくれたのは 泣きたくなるような過去でした 泡が染め上げてくれたのは 変わりたくない心でした 僕の勘違いさえも 君の思わせ振りさえも 泡になってすべて洗い流してさ 今年こそはさ 期待してもいいかな 誰かの幸せを ともに喜べる夏を ショウナンスズカは 君だったんだね 夏のパスポートだけ 落としていった君は 説明もせずに 昨日に消えていった それが夏の扉を開けたら いつの間にか こんなに近く こんなに近くにいたんだ ーー 淡くキャンバスに描いたの

          ショウナンスズカ

          最後の花火にならない夏に

          貴方との距離がある日突然離れた 約束していた花火大会も無く 貴方の唇がある日突然遠くなった 取り残された8月の駅で泣く タイミングが悪かったよね これまでの当たり前を 経験していない私たち 黒い空に一人 花を咲かせる スパンコールが剥がれ落ちるよう 炭酸が抜けたぬるい夏 あまりにも呆気なく秒針は進んでゆく ああ思っていた日々と違うね 夜の駅前で離れないよう 引き寄せるその右腕 かき氷と一緒に たくさんの初めてが 溶けてゆくはずだった ーー 君との距離がある日突然離れ

          最後の花火にならない夏に

          浪人と海

          文学を始めよう 〃 君にしか流せない涙を 芸術に昇華させよう 海に出かけよう 〃 君しか知らない場所で 浪と駆け引きをしよう 積み上げたはずだったものは ロッカーに全部置いてきた リリックはリュックの中に いつまでも入っていて 取り出せると思っていた ーー 文学を始めよう 〃 君しか味わっていない辛さを 芸術に昇華させよう 音楽に留まらず 〃 君にしかできない方法で 浪に語りかけよう 受け取ったはずだったものは 自分のなかに貯まっていなかった リリックはマジックみ