中国製割箸って猛毒なの?

久々にブログを
FACEBOOKやTwitterなどのSNSは投稿者がBUZZFEEDなどに代表される
バイラルメディアを通して色々な情報を発信することができる。
ここ最近だとトランプ氏の大統領就任の記事をシェアして、
僕はこう思うといった感じに。


ここ2,3年思い出したかのように出会うシェアがある。
それが「中国産猛毒割り箸の恐怖」という記事。
割箸を取扱いしている業者としては由々しき問題ですね。
なのですがきちんとしたデータの裏付けがないものが多く、
たまに記事をあげられている方に問い合わせしても返事なし、
もしくはブロック。
そういった状況なので一度この問題を整理するために
色々なデータをもとにこのブログを書き始めている。
長くなるので結論を先に書くと今は安心して使って大丈夫という事です。
ではこの後お付き合いください。


さておそらくこの問題が最初にクローズアップされたのは約14年前の
2002年の事。
一般社団法人農民連食品分析センターの記事を引用すると

11月18日フジテレビジョン「情報プレゼンターとくダネ!」の制作担当者様から依頼を受け、割り箸中の残留化学物質の分析を行いました。検査対象としたのは、割り箸中の残留防かび剤3種および残留漂白剤(亜硫酸塩)についてです。
検査対象としたのは、割り箸中の残留防かび剤3種および残留漂白剤(亜硫酸塩)についてです。
平成6年に東京都立衛生研究所で、市販の割り箸43件について調査を行っており、その結果竹箸3検体、木製割り箸3検体、巻きす1検体より2.0~880ugのOPPが検出されています(一膳あたりの濃度だと思われます)。都衛生研では後に追跡調査(表示などの明確な28検体)を行っていますが、その際は検出されていませんでした。また、この調査では、いくつかの製品で亜硫酸が使用されているという実態が明らかになりました。
分析終了は2002年11月26日です。

さてこれは問題(弊社の取引先も含まれていました)ということで話題になったことを覚えています。
その後いくつかのメディアにて取り上げられ、厚生労働省が動き、
2003年1月21日にOPP 6.7mg TBZ 1.7mg DP 0.8mg イマザリル 0.5mg 二酸化硫黄 12mgという限度値が設定され、監視が行われことになった。
またさらに、2007年、厚生労働省では、厚生労働科学研究費補助金食品安全確保研究事業で集められた調査データなどを受け、割りばしに係る防かび剤等の残留等に係る試験法の改正と、限度値の引き下げを行いました。
数値の方はOPP 不検出 TBZ 不検出 DP 不検出 イマザリル 不検出
二酸化硫黄 4mg(二酸化硫黄として)です。
因みにOPPはオルトフェニルフェノール、TBZはチアベンダゾール
DPはジフェニル イマザリルを含めこの4種類が防カビ剤です。
(「 割箸に係る監視指導について」)

つまり2007年の時点から防カビ剤が入った割箸(竹箸を含む)は
輸入できません。と言う事になりました。
なのでメーカーも各自で検査を行い安全性の確認を行っております。
因みに弊社でも取引先に証明書をいただき、安心な箸を販売しております。


しかしこういった状況下でも都市伝説のように割箸は危ないとあがることがあります。
中には同業ではありますが国産の箸を販売されている方で、
自分たちで調べもせずそういった記事をホームページに載せているところもあります。
恥ずかしい限りです。
ここ2,3年でおおくながれているその都市伝説型流布の一つに
日刊大衆の「水槽に入れたら金魚が死んだ…中国産猛毒割り箸の恐怖」があります。
通信社中国特派員、全国紙経済部記者という言葉がでますが、その方の発言のみ、その他に「かつて中国で弁護士として活動し、現在は日本で通訳をする朱有子氏」??どなたでしょうか?ググっても出てきません。
そういった裏が取れない発言のみで掲載されています。
また「割り箸は、OPPという防カビ剤が使用されています。」という書き出しで始まるサイトのもの。
こちらも例えば日本の箸は「防カビ剤を使わない作り方をしているために、価格競争に負けて」という書き方ですが、海外のアスペンという木と杉、檜、白樺と元々箸の質が違うための値段の差でありますし、中国で加工し輸入をしていますが、材木はロシアから中国に入っているのが現状です。
そして出所がはっきりしない写真で危機感をあおっています。
そういった方々は出所のはっきりする資料をもって発言していただきたいものです。

資料をもう一つ追加させていただきます。
こちらの資料は弊社がお店を出している大東京総合卸売センターは築地などと同じような市場です。
そこには市場を監視する為東京都健康安全研究センターの担当部署が入っております。
毎日のように市場で流通している食品のチェックをしていますが、
たまに食品以外の物も検査することがあります。
近々では紙皿等に使ってはいけないインクが使われていないかの簡易検査もありました。
2015年には弊社で取り扱っている割箸の検査もしていただきましたので、
そちらの資料を。

割箸について心配な方はこういった安心安全をうたう市場や
証明書を持っている割箸業者、国産品を取り扱う業者でお買い求めください。
また使い終わった箸はリサイクルを行っている会社もあります。
王子ホールディングス株式会社
さんもその一つです。
送料等自己負担にはなりますが多く使う方はご検討してみてください。

最後になりますが、このブログを書くにあたって
資料引用を快く引き受けていただきました
一般社団法人農民連食品分析センター
様ありがとうございました。



                         文責 笠井 茂




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