研修旅行②

はじめに

 皆さまあけましておめでとうございます。オカヤマでございます。本年もよろしくお願いいたします。皆さま年末年始はどのように過ごされましたか?私は宮城県民らしくずんだ餅をたくさん食べました。
 さて、今回は前回お伝えした研修旅行の続き、二日目までの様子についてお話します。

本居宣長記念館

 研修旅行の一日目、最後は本居宣長記念館を訪れました。この記念館は三重県松阪市の松坂城址の中にあり、本居宣長の生涯や松阪の歴史について豊富な展示がされています。本居宣長の手紙や研究の軌跡を知る中で、生涯にわたる学問への情熱を持っていたことを知りました。私は特に、宣長の幼少期から高い研究意識を持ち、それを生涯継続する姿勢が凄まじいと感じました。ぜひ見習っていきたいです。
 また記念館の近くには宣長の旧宅「鈴屋」が保存されています。室内は落ち着いた雰囲気の日本家屋で、本居宣長が生涯を過ごし、国学の発展を進めた場所だと考えると、非常に感慨を覚えました。
 そして記念館周辺の松坂城の遺構も見ることができました。松坂城は戦国武将・蒲生氏郷によって天正十六年(1588)に築城された平山城で、かつては三重の天守がそびえていたそうです。現在は石垣が残るのみですが、本丸の高石垣などとても壮大で、往時の繁栄を感じました。

松坂城本丸の高石垣

10月24日(二日目)

二見浦

 二日目の早朝、有名な「夫婦岩」からの朝日を見ました。日の出は午前5時頃だったので、非常に寒かったのですが、夫婦岩とともに望む朝日は見事で、とても神聖なものを感じました。
 二見浦は三重県伊勢市にある海岸で、猿田彦命を祀る二見興玉神社があります。古来より人々の信仰を集め、江戸時代の浮世絵にも多く描かれました。晴れた日には富士山を見ることができる名勝です。
 ちなみに、5月から7月の間は夫婦岩の間から日の出が見えるそうです。いつかこの時期に訪ねてみたいものです。

二見浦の日の出

伊勢神宮

 二日目最初に向かったのは伊勢神宮の外宮でした。鳥居をくぐると、参道が鎮守の森の中を通っており、豊かな緑と静けさにとても癒されるとともに神聖な雰囲気を強く感じました。境内はとても広く、御宮などその規模の大きさに圧倒されました。
 続いて内宮を訪ねました。はじめに見えたのが五十鈴川にかかる宇治橋です。テレビや写真で見たことはありましたが、実物を目にすると想像以上に大きく、とても美しい橋でした。
 また五十鈴川の流れも清々しく、広大な森林と相まって非常に落ち着きを感じました。
 限られた時間ではありましたが、外宮と内宮ともにたくさんのお宮に参拝することができました。日本の歴史の重みを感じるとても良い経験となりました。

伊勢神宮 内宮 宇治橋

朝熊山金剛證寺

 伊勢神宮を出て、次に向かったのは朝熊山金剛證寺でした。伊勢神宮から北東に約11km、標高555mの朝熊ヶ岳の頂上付近にある臨済宗南禅寺派の寺院です。本尊は虚空蔵菩薩でかつては伊勢神宮に参拝したのち金剛證寺も一緒に参詣する風習があり、「伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」とうたわれた場所になります。
 ここではまず宝物館を見学しました。金剛證寺にまつわる品々が展示されており、その歴史を学ぶことができました。なかでも目を引いたのは雨宝童子立像でした。頭に五輪塔を載せて宝珠、宝棒を持って岩座に立つ姿には、とても迫力を感じました。この像は雨宝童子像の国内最古の作例だそうです。金剛證寺において雨宝童子は本尊虚空蔵菩薩の脇侍であり、非常に重要な存在であるようです。
 他にも地蔵菩薩立像や戦国武将・九鬼嘉隆の肖像など貴重な史料を多く見ることができ、とても有意義な時間となりました。
 その後は仁王門をくぐり、境内を散策しました。山をさらに上ると奥の院に至るのですが、今回は時間の都合上たどり着けませんでした。残念ですが、次訪れる機会があれば奥の院までチャレンジしてみたいと思います!

金剛證寺

朝田寺

 二日目最後に向かったのは朝田寺というお寺でした。このお寺は三重県松阪市にある天台宗延暦寺の末寺になります。こちらではまず本堂の地蔵菩薩立像を拝観しました。平安時代初期の作品で、厳しく迫力に満ちた容貌と重厚感のある体躯がとても印象的でした。
 そして今回特別に江戸時代末期の画家、曾我蕭白筆「唐獅子図」を見学する機会を頂きました。元々本堂の壁画であったそうで、二枚の紙に阿形と吽形がそれぞれ墨で描かれています。
 第一印象は「とにかく迫力がすごい!」というものでした。大きなキャンバスに大胆に阿形と吽形が描かれ、力強く勢いを感じる筆遣いも相まって、ただただ圧倒されました。
 しかし先輩方の観察する様子を見たり、よくよく作品を観ていく中で、後補と思しき部分や阿形と吽形での微妙な筆遣い、墨の濃淡の違いなど細かい情報を読み取ることができました。まだまだ美術史の知識が浅い私ですが、驚くほど多くの情報を得ることができとても刺激的な経験になりました。

さいごに

 以上前回に引き続き研修旅行二日目までの内容をお伝えしました。ここまで読んでいただきありがとうございました!次回もよろしくお願いいたします。2023年が皆さまにとって良い一年でありますように!


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