こちら杉本〈古美術〉研究室

\東北大学 准教授 杉本欣久(すぎもとよしひさ)のアカウント/ 杜の都仙台で日本美術の…

こちら杉本〈古美術〉研究室

\東北大学 准教授 杉本欣久(すぎもとよしひさ)のアカウント/ 杜の都仙台で日本美術の歴史を教えています。専門は江戸時代の絵画。 講義では元学芸員の視点を交え、ノンストップのトークを繰り広げます。 学生が杉本の日々の考えや授業風景を発信😉 週末に更新中!#日本美術史

最近の記事

東北大学 東洋・日本美術史研究室の魅力

はじめに 皆さまお久しぶりです。オカヤマでございます。世間ではWBCがとても盛り上がりましたね。私も非常に楽しい時間を過ごしました。  さて、今回は私が所属する東北大学 東洋・日本美術史研究室について、一学生の目線から見た魅力などをご紹介したいと思います。 ①学びについて・「実物に触れる機会が多い」  美術史は物を扱う学問であるため、紙やデータによる勉強のみならず、実際に作品に関わる機会が多くあります。実習の授業では、杉本先生所蔵の貴重な作品を近くで観察し、触れることが多い

    • 《告知》展覧会「東北の画人たちⅡ」

      はじめに 皆さまお久しぶりです。オカヤマでございます。すっかり暖かくなり春本番といった感じですね。  さて、今回は来月26日から始まる、杉本監修の展覧会「東北の画人たちⅡ~青森・岩手・宮城編~」についてご紹介します。 展覧会情報 東北の画人たちⅡ~青森・岩手・宮城編~ 開催期間:2023 年 4月 26 日(水)~7 月 10 日(月) 開催時間:8:30~17:00(ただし瑞巌寺入山は 16:30 まで) 会場:瑞巌寺宝物館(宮城県宮城郡松島町松島字町内 91) 拝観料

      • 美術史と思想

        はじめに こんにちは!皆さまお久しぶりです。オカヤマでございます。段々と暖かくなり、春が近づいていることを感じます。早くも今年の6分の1が終わったと思うと時の流れに驚きます。 今回の話題 さて、今回は私が美術史を学ぶ中で印象に残った「思想」についてお話します。  美術史を学ぶなかで、作品には製作者や依頼者など、関係する人々の思想が強く反映されることを知りました。作品を分析していくと、教訓や戒めがメッセージとして込められていたり、理想とする生き方、美学を表していたりすることが

        • 【授業紹介】実習・展覧会編

          はじめに みなさまこんにちは。オカヤマでございます。年が明けて早くもひと月が過ぎ、仙台は心なしか春が近づいてきているように感じます。毎年花粉症に苦しむ私は既にくしゃみが出始めております・・・。 今回の話題 さて、今回は展覧会について取り上げた、実習の授業の様子をお伝えします。展覧会を開催するにあたって一体どのようなことを考えるのでしょうか。 展覧会準備 東日美では基礎実習の授業があり、そこでは実際に作品を用いて美術品の扱い方や学芸員の実務について学びます。  今回の授業で

        東北大学 東洋・日本美術史研究室の魅力

          研修旅行③

          はじめに 皆さまお久しぶりです。オカヤマでございます。近頃全国的に大寒波に見舞われ、仙台も雪が積もりました。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。私はレポートなどに追われ、目が回りそうな毎日です。一つ一つ頑張りたいと思います!  さて、今回は研修旅行3日目、最終日についてお伝えします。どうぞよろしくお願いいたします。 10月25日(三日目) 新大佛寺  まずご紹介するのは「新大佛寺」です。こちらのお寺は三重県伊賀市富永に位置する真言宗智山派の寺院で、山号は五宝山。本尊は盧舎

          研修旅行②

          はじめに  皆さまあけましておめでとうございます。オカヤマでございます。本年もよろしくお願いいたします。皆さま年末年始はどのように過ごされましたか?私は宮城県民らしくずんだ餅をたくさん食べました。  さて、今回は前回お伝えした研修旅行の続き、二日目までの様子についてお話します。 本居宣長記念館 研修旅行の一日目、最後は本居宣長記念館を訪れました。この記念館は三重県松阪市の松坂城址の中にあり、本居宣長の生涯や松阪の歴史について豊富な展示がされています。本居宣長の手紙や研究の

          研修旅行について

          はじめに みなさまお久しぶりです。オカヤマでございます。師走も半ばを過ぎ、仙台でも雪の降る日が増えてきました。私は自転車通学なので日々突き刺さる寒さと格闘しております・・・。 今回の話題 さて、今回は東日美における重要なイベントである「研修旅行」についてお話します。実際に物を扱う美術史では実物の観察は欠かせません。そして研修旅行では貴重な作品の数々を実際に観察することで、机上の勉強では得られない刺激をたくさん受けることができます。  今回は私が感じた研修旅行の意義、そして今

          大学での学び

          はじめに  はじめまして。12月よりこちらの執筆を担当いたします学部3年のオカヤマと申します。よろしくお願いいたします。  私は幼少期から博物館に行くのが好きでした。精巧な絵画や像、鎧など夢中になって観ていた覚えがあり、いま東日美で実際に作品に近づいて学ぶ機会があることを非常に幸運に思っています。  これから美術史の魅力を皆さんにお伝えできればと思います! 今回の話題  今回は私が大学で美術史を勉強するなかで重要性を強く感じている「批判的精神」について、そして美術史の勉強を

          【責任をともなう判断】45 杉本通信~真贋を見極める~

          こんにちはこんにちは!ナカモリです。皆さま三連休はいかがお過ごしでしょうか。 週末から週明けにかけては台風14号の日本列島接近・上陸が予報されております。全国の皆さま、大雨や土砂災害に十分注意してくださいませ。 本題に入る前に、お知らせがあります! 東北大学文学部百周年記念事業・デジタルミュージアム  " 歴史を映す名品 " が文学部のホームページにアップされました! 東北大学文学部は今年で創立100周年を迎えました。 それを記念して、附属図書館や文学部の研究室が所蔵する

          【責任をともなう判断】45 杉本通信~真贋を見極める~

          【批判精神】44 杉本通信~研究者に必要な要素~

          こんにちは皆さまこんにちは!ナカモリです。 早いもので、もう9月ですね。杉本監修の展覧会「東北の画人たちⅠ~秋田・山形・福島編~」も、8月31日をもって無事終了いたしました。 たくさんの皆さまのご来場、誠にありがとうございました!! 今回の話題さて、今回は、美術史の研究者に必要な素養について考えます。杉本は、美術史研究において必要なものとして、次の3つを挙げています。 1つ目の『「もの」が好きであるということ』。これは「もの」(美術作品)をきっかけとして歴史研究をする私た

          【批判精神】44 杉本通信~研究者に必要な要素~

          【様々な視点から】43 杉本通信~歴史研究者の姿勢~

          こんにちは皆さまこんにちは!ナカモリです。 お盆を過ぎて、仙台は少し暑さも和らいできました。この記事を書いている日は、日差しはまだまだ強いけれど風の感じは秋めいてきて、とても爽やかな一日でした!一年を通じて比較的過ごしやすいのが仙台の良いところの一つだなあと、ありがたく思います。 今回の話題さて、今回は、歴史を研究する上での視点に注目してお伝えします! 私が勉強している美術史は、ものをきっかけとして人々の在り方を探る学問です。 もちろん、美術品自体がどういうものか明らかに

          【様々な視点から】43 杉本通信~歴史研究者の姿勢~

          【授業紹介】実習・鏡編

          こんにちは皆さまこんにちは!ナカモリです。8月に入って前期の授業も全て終わり、今は一日も早く夏休みに突入するべく、レポート執筆に励んでいるところです。 ところで、今週は、東日美研究室の先輩であり、現在は東京大学で中国美術史を専門に研究されている、塚本麿充先生をお招きして行われた集中講義を受講しました。 講義を通して、中国で作られた作品が日本を始め東アジア全体に伝播し、各地の美術が発展した様子を知り、日本の美術品を研究時には、日本だけでなく周辺の国々にも目を向ける必要があると

          【授業紹介】実習・鏡編

          【ライブ感】42 杉本通信~講演会~

          こんにちはこんにちは、よろずです。 本日、7月31日に瑞巌寺で展覧会「東北の画人たち」の講演会がありました。講演会は以下の内容で行われました。 第1回  講演「広瀬蒙斎と白河藩の画人たち」 講師: 大野 真実(福島県須賀川市文化振興課 学芸員) 第2回 講演「秋田藩の御絵師たち」 講師: 菅沼 楓(新潟市美術館 学芸員) 第3回 講演「東北の画人たち―山形諸藩を中心に―」 講師: 杉本 欣久(東北大学文学研究科 准教授・本展覧会監修者) 座談会「東北画人研究の今後」

          【ライブ感】42 杉本通信~講演会~

          【授業紹介】実習・刀装具編

          こんにちは皆さまこんにちは。ナカモリです。 仙台ではセミが本格的に鳴き始め、いよいよ夏到来といった様子です! 一方、今年は梅雨が明けた後も全国各地で大雨が続いていますね。皆さまも急な天候の変化にはくれぐれもお気をつけください。 今回の話題さて、今回は、刀装具について取り上げた実習の様子をお伝えします! 刀装具というと真っ先に鐔(つば)が思い浮かびますが、その他にも縁頭(ふちがしら)・目貫・笄(こうがい)小柄など様々存在し、これら4つをまとめて四所物(よところもの)と呼びます

          【授業紹介】実習・刀装具編

          【人間関係】 41 杉本通信~研究者のコミュニティ~

          こんにちはこんにちは、よろずです。 皆さま三連休はいかがお過ごしでしょうか? 私は先日、研究室のメンバーと共に、山形県の慈恩寺というお寺へ行ってきました! 慈恩寺は東北最大級の規模を持つお寺で、平安時代や鎌倉時代の仏像を数多く所有しています。本当にたくさんの仏さまがいらっしゃるので、私たちは「推しの仏像」を探して楽しんでいました…!機会がありましたら、ぜひ行ってみてください。 今回の話題さて今回は、「杉本通信」から以下の内容を取り上げます。 「競技」と研究 「競技」とい

          【人間関係】 41 杉本通信~研究者のコミュニティ~

          【授業紹介】実習・刀剣編

          こんにちは皆さまこんにちは!ナカモリです。 本題に入る前に、今回は東北大学のオープンキャンパスについてご案内します! 東北大学では、この夏、対面とオンラインのハイブリッド形式でオープンキャンパスが開催されます。 東洋・日本美術史研究室では、お隣の美学・西洋美術史研究室と合同で 「美術史に行こう!―ミニレクチャーとQ&A」という企画を行います! どのような研究が行われているのか、美術史を専攻すると大学で何を学べるのか、など、様々なことを研究室の先生方から直接聞けるイベント

          【授業紹介】実習・刀剣編