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言論の自由と責任

あるジャーナリストを誹謗中傷するツイートに「いいね」を押したことが名誉感情を侵害したとして、損害賠償を求めた訴訟の控訴審が、注目を集めています。一審・地裁の判決を覆し、某国会議員に対して賠償金の支払いを東京高裁が命じたというものです。

判決文を読んだわけではなく、詳細までは承知していませんが、とある弁護士によれば「一審では『いいね』を押した主観的な意図が明確に認定されなかったのに対し、高裁ではこれまでの経緯(別媒体で批判していたこと)などを丁寧に事実認定したうえで、『名誉感情を害する意図をもって』いいねをしたとまで認定されています。またフォロワー数が多いこと、国会議員であるという、影響力も認定されています」と解説されています。

こうした多様化するネットリテラシーの問題を踏まえ、Yahooニュースのコメント、いわゆる『ヤフコメ』では、コメント欄に意見や感想を投稿する利用者に対して、携帯番号の登録を義務化することが発表されました。当初ヤフコメは「多様な意見を共有し、健全な言論空間を目指すことが目的」だったようですが、そうなっていない現実があります。誹謗中傷のコメントに溢れ、閉鎖を余儀なくされる場合もあります。また誹謗中傷だけでなく、組織的な印象操作に使われる場合もあり、運営側が対策を講じるのは当然のこと。現在Yahooニュースは日本最大のニュースサイトとなっており、責任が重くなるのは当然です。

いずれにしても、過度な萎縮や言論の自由の侵害を危惧する声が聞こえてきます。インターネット、特にSNSが普及するようになってから、それほど経っているわけではありません。人間自体が、新しい技術の進歩についていけず、適正に使いこなせていないのではないかとも思っています。各々の利害関係を超えて、ルールづくりを含めたしっかりとした対策が求められています。言うまでもなく、一旦発信した情報は誤りであっても消せません。相手が匿名の場合は、発信元にたどり着くことは難しく、責任を問われない。傷付けられた方が我慢しなければならないのはあまりにも理不尽です。

SNSとは直接関係はないものの、こんなことがありました。あるスポーツ選手を紹介する際、片方の親を〇〇国の人とされていました。でも実際は、生まれたときの両親は既に離婚し、再婚後の現在の親は二人とも日本国籍とのこと。なのに親は外国人と紹介してあります。実際の親が憤慨されるのもよくわかります。怒りはごもっともです。例え親が外国籍であっても、それがどれほどの意味があるのでしょうか。しかも事実と異なる場合、情報を発信した人は責任をとるのでしょうか。このような誤った情報もSNSを通して、瞬く間に広がっています。

情報が氾濫し、何が真実かを見極めるのは本当に難しいもの。真偽を見極め、誤った情報を排除するのは当然のこととして、人権にももっと敏感でありたいものです。

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