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芸術祭に出かけてみませんか 〜ウィズコロナの過ごし方

皆さんは『大地の芸術祭』ってご存知ですか?

数年前に新潟県の奥深い越後妻有という地区で開催されたそれに行ったことがあります。その名の通り、広々とした空間に芸術家たちの数々の作品が展示され、まるで里山全体が美術館のようでした。レンタカーでまわったのですが、見慣れた棚田の風景が絵本になっていたり、校庭も含めた廃校全体がアートに変容していたり、空き家にしておくにはもったいないような農家のお屋敷の部屋ごとに作品が並べられ、まさに各所に生命の息吹が吹き込まれていました。なかには、あまりにも自然と一体化していて、捜し出すのに苦労するような作品もありました。そうなってくると、作品の有無に関係なく、眼の前に広がる景観がとても貴重なアート作品に思えてくるから不思議です。そして、それらは単に展示されているだけでなく、制作や管理、料理やガイドのおもてなしも含めて、地元の皆さんが深く関わっておられます。どこにでもある風景、どこにでもある集落の営みが、こんなにも愛おしく感じられる芸術祭が、とても印象に残っています。

4半世紀前から3年に一度開催されてきた芸術祭も、昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け延期になりました。ところが今朝事務所のメールを開くと、この4月から開催が決まったことを知らせるメールが届いており、文面からはコロナ禍であるがゆえに開催に向けた強い決意が伺えます。

ウィズコロナ、ポストコロナの動きが始まりつつはあるものの、まだ心のどこかで躊躇する気持ちが残っています。もちろん用心は必要ですし、できるかぎりの予防対策も講じた方がいい。そのことを前提としつつも、そろそろ心の中で引っかかる何かを取り払うためにも、久しぶりに出かけてみようかな、そんな気持ちにさせてくれました。

コロナで影響を受けている業種としては飲食や観光業界がすぐに思いつきますが、文化芸術分野もかなりの影響を受けていると聞きます。今年は『瀬戸内海国際芸術祭』も開催されるとのこと。応援する意味でも、芸術を楽しむ心のゆとりを取り戻す意味でも、そして何より自分たちの暮らす地域を見つめ直す意味でも、やっぱり今年は久しぶりに出かけてみようと思います。


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