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モノの価値を問う

サントリースピリッツの長期熟成シングルモルトウイスキー『山崎55年』が米ニューヨークで競売にかけられ、なんと『60万ドル(約8100万円)』で落札されたそうです。予想落札価格を大幅に上回り、日本産ウイスキーの人気の高さを反映しています。お酒を飲まない人にとっては一銭の価値もなさそうですが、現在飲用というよりも投機対象として日本産ウィスキーが注目されています。株や暗号資産の価格が急落する一方で、金やダイヤモンドなどの貴金属の価格も高騰。ここにきて世界的な金融引き締めに入り、多額の資金が投資先を探して彷徨う様子が垣間見えます。

私が社会人になった頃がバブル経済の絶頂期で、当時は国内の不動産価格が急騰し、世界中で、ニューヨーク・マンハッタンの『エンパイア・ステート・ビルディング』やゴッホの『ひまわり』などがジャパンマネーに買い漁られていた、そんな時代でもありました。

当時もそうでしたが、高騰するウイスキーや貴金属を通して、今も「モノの価値って何なのだろう」と考えさせられます。貴金属や美術品だけでなく、車やウィスキーまでも投機対象になってしまえば、本当に好きな人の元には届かなくなってしまいます。『山崎』をウィスキーとして嗜んでいた人にとってみれば、あっという間に手の届かない高嶺の花になってしまい、迷惑な話ともいえそうです。中には「我が家の倉庫から探し出して儲かった」という人が居るのかもしれませんが、「対象品目についてはなんらかの制限が加えられないものだろうか」そう思ってしまいます。

モノの価値とは少し異なりますが、人の評価もさまざまです。評価といえば、『食べログ』の裁判が話題になっています。食べログ側が負けると思っていた人は少なかったようで、私もサイトをよく参考にしている一人なので、ちょっとした驚きでした。時には「今回は外れたなぁ」と感じることもあり、評価点数だけでなく、コメント数の多さなども参考にして決めています。ただ、それ以上に信頼できるのは直接受ける口コミであり、特に信頼できる人の評価はほぼ100%間違いありません。

私は、好き嫌いがほとんどなく、食べに出かけるのは大好きです。しばらくはコロナで自粛していましたが、ようやく出かけられるような雰囲気になってきましたね。食べログを参考にしながらも、信頼できる口コミを頼りに、そして最終的には自分の嗅覚を信じて、これまで行ったことのないお店にチャレンジしてみましょうか。もちろんコストパフォーマンスを重視して。価値と評価はあくまで自分でしか決められませんものね。

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