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イケメンがみたいかえるちゃん

現実逃避してイケメンの世界を彷徨いたいかえるちゃん。
イケメンと言ったらヴィスコンティの得意技ではないですか。

アランドロンにヘルムートバーガー、ビョルンアンドレセンと、惜しげもなく美貌の青年を投下してくるヴィスコンティの美意識がすごいです。

一番回数見てるのが貴族の出のヴィスコンティが描いた最後の庶民映画「若者のすべて」です。
南イタリアから北部へ移住してきたあの貧しい一家が拳闘に血道をあげて立身出世を目指す話には正直共感できないんです。
ロッコ(アランドロン)の美貌にフォーカスして、映画スターになるように仕向けた方がリスク少なくお金になると思ったんですけど、それじゃ映画的なカタルシスが少ないと考えたんでしょうかね。
3時間くらいの長尺映画なんですが、作業しながら流し見とかでかなりの回数見ています。
原題が「ロッコとその兄弟」みたいな感じなので、邦題のセンスが抜群にいいですね。
原題の直訳だとお客さん入らなかったんじゃないかしら。

あまり回数は見てないんですけど、ヘルムートバーガーの「地獄に堕ちた勇者ども」の女装シーンや「ルードウイツヒ」の美少年たちを壁画みたいにレリーフにする演出なんかはヴィスコンティの美意識がむせかえるように強く出ていて好きです。

「ヴェニスに死す」は子役の子たちの生気まで奪う演出にゾッとしました。
子役でさえも自分の演出の枠に収めるスタイルに「だったら出さなきゃいいのに」と思いました。
でも、死に向かうアッシェンバッハが濃い化粧をしていて、その化粧が汗でドロドロになるところで老いを見せるのはすごいです。
それと対比した生命の躍動を感じるダージオの美貌が、交わることのない2人の運命を感じさせてくれます。

まだ子どもだったビョルンアンドレセンはともかく、ヘルムートバーガーはヴィスコンティの死後、かなり生活が荒んでいたようで、サポートしたかった人たちの中にファスビンダーもいたようです。
ファスビンダーの映画にヘルムートバーガーが出ていたらすばらしい化学反応が起こっていたでしようね。

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