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思いをもって作られたものはきっと誰かの宝物になる。

大好きなパン屋さんがあります。
私の生まれ育った町、福岡県北九州にある小さな小さなパン屋さん”二宮製パン”。今日はレトロ感漂うこのお店について書かせてください。

私にとって二宮製パンのパンは日本一、いや世界一。大好きで大好きで、大好き以外の言葉があるなら教えて欲しいほど。

いつからここのパンを食べていたのかわかんないけど、大学の時も鹿児島にいる時も、両親に頼んで送ってもらっていたし、元気のない時、疲れた時、優しい味のパンに何度助けられたかわかりません。

そして、このお店の最大の魅力はこのお店を営むとっても仲良しなお2人。どんな時も笑顔で迎えてくれて、孫みたいと可愛がってもらいました。

そしてこの二人の作る優しいパンの魅力を1人でも多くの人に知って欲しくって、取材もさせていただきました。

取材が決まった時、「私たちでいいの?」と驚いた表情も、記事ができて「お!わしが大きくうつっとるばい !」と嬉しそうな表情も、「この記事を読んでお客さんが来てくれたのよ!あなたに一番に伝えたくて!」と顔を見合わせて微笑む2人の表情も全部私の宝物。

お二人は70才を超える大先輩。こんな大きな人間になりたいと思ったし、いつかこんな夫婦になりたいと思った。本当に尊敬するお二人です。

7月13日の青空が広がるいい天気の中、近くを通ったので久しぶりに寄ってみることに。無精髭を生やして目の下にクマを作ったおじいちゃんが出てきて

「大変なことが起こってね、、、ばあさん死んじゃった。」

「情けなくってね…」

おばあちゃんがいなくなってもパンを作り続けるおじいちゃんの小さい背中に涙が止まりませんでした。

いろんな思い出を噛み締めながら食べたクリームパン。この味を超えるクリームパンは一生出会えないと思います。

この二人が思いを込めて作るパンのおかげでこのお店と出会えた。寒い日も暑い日も、雨の日も晴れの日も、二人と話した時間は私の両手じゃ抱えきれないくらい大事な大事な宝物。

だから、思いをもって作られたものはきっと誰かの宝物になる。私はそう信じています。

嬉しさも、喜びも、そして悲しみも。コンビニのパンを食べているだけではわからなかったし、言い方を変えれば知らずに、悲しまずに済んだ。でもこの二人と過ごした時間は私の宝物だし、こうして、「ここにはこんな素敵な人がいたよ」「こんなお店があったんだよ」とか、受け繋いでいくことが歴史であり文化なんじゃないかなって思っています。

伝統や歴史、なんていうとついつい大きなものを想像してしまいがちだけど、大好きな人たちと笑顔でいられる瞬間を大事に大事に前に進んでいけたらいいなと思います。

おばあちゃんにぴったりの和菓子を持ってもう一度お参りに行こうと思います。

気持ちの整理がつかないまま率直な気持ちを書いたのでうまくまとまってなくてすみません。お読みいただきありがとうございました。


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