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小説に隠された想い

今日、私の小説をこの記事の中でシキさんがピックしてくれてまして。

その中でシキさんが気に入ったフレーズがまさにシキさんらしくてね。

主人公の早紀の恋人のトキオの恋人の(ややこしいな)ユウジくんの着ていたファッションに興味を持ったようです。

ユウジくんは北欧の血が入ったモデル並みにスタイルの良い男の子で、早紀に呼び出された北青山のイタリアンレストランへ行くのに彼なりに気を遣ったファッションで出かけるのですが…。

まず、ユウジくんは何歳でしょう?小説にははっきりとは明記していません。私的には早紀30才、トキオとユウジくんは28才です。

28才の独身男性のファッションを考えました。年上の女性との食事。場所は北青山の高級イタリアン。普段友達や彼女とは行かない、自分的には敷居の高いエリアです。スーツでは固すぎる。かと言ってTシャツやカットソーでは崩れすぎ。普段着よりも少しだけきちんとしていて相手にも店にも失礼にならない格好。ズバリ、それは白いコットンシャツでしょう。絶対外しません。そしてボトムは黒や紺では学生に、グレーではサラリーマンになってしまう。どちらでもなく意外に難しいカーキのパンツにしました。しかもタック入りではありません。それじゃあ休日のお父さんになっちゃう。ユウジくんはシュッとしたハーフのイケメンです。身長は185センチ。ここはスリムストレートで足の長さを思いっきり強調します。遠目に見ても際立ったその姿に、早紀は「美しい男だ」と強い印象を持つのです。

ここにシキさんは食いついたのです。たぶんww。

何故なら、シキさんも美しい男だからです。たぶん。

美的感覚の鋭い人は、文章の中にもその美的感覚で自分のアンテナに引っかかる部分があるんだと思います。

私もこのユウジくんの描写には思い入れがあったので、ここにフォーカスしてくれてとても嬉しかったです。

主人公の早紀の相手はユウジくんではなくトキオです。なのにトキオの描写はあまり詳しく書いていません。茶色のフワフワした髪の毛くらいです。その髪に指を滑らせることが大好きだった早紀の感覚しか書いていません。それに対してトキオの恋人のユウジくんのことは詳しく書いています。何故トキオはユウジくんが忘れられない人なのか。その理由はユウジくんのルックスの描写や辛かった過去の恋を描くことで裏付けようと思いました。読み手にユウジくんの魅力を伝えたくて。トキオに共感してもらいたかったのです。

主人公はあくまでも早紀です。早紀のトキオへの想いをぶれないものにする時、トキオがどうしても忘れられないというユウジくんの魅力を圧倒的なものにしたかったんです。

魅力的な人は誰も抗えない。それが自分の恋人を奪う相手でも。それを納得させる人物描写が必要でした。中身はもちろんですが、人間見た目も大事です。ユウジくんは誰が見ても素晴らしく魅力的でなければいけない。そしてファッションも完璧です。狙いすぎず、相手に気を遣い、シンプルでセンスよく、完璧なボディーで軽々と着こなします。足元はビットローファー。レースアップではありません。もっとラフでオシャレ。食事の場所はフレンチではなくイタリアンですから。

何気なく書いているようで、実は結構なこだわりと偏愛が溢れているこの小説は私の宝物です。それを気に入って頂けて、ユウジくんのファッションに興味を持って頂けて、同じテイストの着こなしで今日髪を切りに行ってくれたシキさん、さぞかし男前に磨きがかかったことでしょう。

こんな風に自分の書いた記事に想いを寄せてくださってとても嬉しかった。

シキさんありがとう。改めて、たくさんの人に読んでもらいたいなと思います。



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