「はい」って差し出された蒼ちゃんの手に
わざと微妙に届かない距離に手を伸ばすと
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手を掴むでもなく
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握るでもなく
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指と指を引っ掛けてくれる。
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何かの時には直ぐに離せる繋ぎ方。
けれど、
直ぐに解けちゃうかもしれない危うさと
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指だけででも繋がっているという事実が
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たまらなく嬉しくて。
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嬉しくて。
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うれしくて。
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顔が崩れてしまわないように。
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唇をギュッと結ぶけど
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やっぱり頬が上がってしまうの。
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指を絡めて
ぷいっと前を向いちゃう蒼ちゃんの
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斜め後ろから少しだけ見えちゃう
微笑みもまたキケン。
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指繋ぎだけで
こんなにも必死になってるはナイショ。
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✴︎蒼汰side✴︎
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手を繋げる場所は限られてるから
少しでもチャンスがあれば
〇〇と手を繋ぎたい。
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「はい」離れて歩く〇〇に手を伸ばすと
いつもちょっと届かない。
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かろうじて指を引っ掛ける。
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だから指に一点集中。
〇〇を感じるこの繋ぎ方が好きなんだ。
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〇〇の指が折れてしまわないように
優しくしっかりと絡めて。
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指繋ぎをしてほしくて
わざとちょっと届かない距離に
手を出す〇〇も
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嬉しさを何故か堪えて
唇をハムハムしながら
ちょっと変な笑顔になりかけてる〇〇も
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ほんと可愛いい。
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好き。
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〇〇を直視できないくらい。
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だから
気持ちが溢れちゃわないように
直ぐに前を向くんだけど
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だらしない顔になってるのはナイショ。