見出し画像

【通勤電車の詩】枯れたチューリップ

駅に置いてある植木鉢の枯れた花を見て、思い出したことがある。
私が大学の研究員をしていた頃、私の趣味がガーデニングだと知った学生の一人が、研究室でチューリップを育てたいと言ってきた。
私はいろいろとアドバイスをして、一輪だけだがチューリップは見事に咲いてくれた。

夏が終わって、チューリップが枯れてしまうと植木鉢は窓際で放置されていた。
ぼくはその学生に言った。
それは一番やっちゃいけないことだよ。

枯れた枝は切り取って、球根を掘り出して保管しておく、枯れた後のケアが大切。
きれいに咲いてくれてありがとう、来年もきれいに咲いてくださいね、って思う気持ちが大事なんだよ。

数年後、その学生と再会した時、その時のぼくの言葉をちゃんと覚えていてくれた。
ぼくの言葉は彼の心の隅に残っていたらしい。



通勤電車に揺られながらふと思ったこと・・・。

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。