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2匹目の猫初めての夏、そして旅行ができる夏


我が家は今年の夏、約2年半ぶりに、一泊二日の旅行に出かけることができました。2回も。

約2年半。そう、例のゴローニャが流行り出してから今日までの期間です。

旅行に行けなかった理由の3割はそのゴローニャなのですが、他に、もっとでっかい7割を占める理由がありました。

それがタイトルにもある「2匹目の猫」つまりこやつ↓のことです。

えっ、ボキ?!

この、愛らしいw、素っ頓狂な白黒の猫は現在推定4歳、オス猫です。
一昨年の夏、7月末に我が家に保護されました(転がり込んだとも言います)。
その時にはすでに成猫、推定1歳半から2歳くらいの大人のオス猫でした。

その夏はゴローニャが流行して最初の夏、緊急事態宣言で学校を始め、世の中のなにもかもが息をひそめていました。
もちろん我が家も「旅行なんてとんでもない」モード。
家でひっそりゴロゴロしている以外、何もすることがない感じでした。

その手持ち無沙汰感、ヒマすぎたのかw、他の猫を一切認めない先住猫、まる女王がいるにもかかわらず、うっかりこの白黒ネコ、名前は「さん」を、うちの子にすると決めてしまいました。

うっかり餌付け
うっかり保護

その年2020年はオリンピックも中止になり、先ほども書いたようにもともと旅行に出かけるつもりは全くなかったことに加え、このさんに何の病気もなく、まる女王と一緒に暮らせることが分かるまでは目と手が離せませんでした。

7月末に保護してから、まる女王のお気持ちと安全を鑑みて、さんはケージ暮らし。
その約一か月間です。

結局さんには何の病気もなく、またその期間に(申し訳ないけれど)去勢手術も終わらせ、いよいよケージから出て、まる女王と真の同居がスタートしたのは8月も下旬になってからでした。

さんに問題がないことがわかった後、私は微熱と腹痛に襲われ、えっあの流行病?と焦りましたが、単なる気疲れと冷房が原因でした。

その頃にはもう夏も終わり。
2020年の夏、私(とオット)はケージの中のさんと女王陛下のご機嫌を伺いながら、ひっそりとビールを友に暮らしていました。

さて、御気性の荒いまる女王との同居も、一か月のケージ期間のお陰もあってか、意外に平和に始まった秋。

まだゴローニャの先も見通せず、旅行に出かけるような雰囲気も世の中にはなかったのですが、それ以上に我々には、旅行を阻む高い壁が立ちはだかることが分かりました。

それはさんの、ブラックホール並みの食欲。

保護当初、4㎏そこそこだったさんの体重は現在驚異の6.5㎏!
先日予防接種のためにお医者さんに行ってきたのですが、先生は触診の時に「お腹の脂肪がねぇ」と、相変わらず苦笑されていました。

どぉーん
女王陛下のお城、ボキは入口にお腹がつかえて入れないでし
床のごみは見ないでボキのお腹を見てください

スミマセン、鋭意ダイエット中です。

急に現在のことに時が飛びましたが、2年前の秋に戻ります。
野良のまま大人になるまで頑張ったさん、「食べられるときに食べる!!」がポリシーだったことは想像に難くありません。

自由気ままに、食べたいときに食べられるように出してあったまる女王のゴハンは、きっちり戸棚にしまわれるようになり、キッチンのごみ箱も重いふたの付いたものの上にさらに重しが置かれました。

空き缶をつぶすカエルくん、ごみ箱の守護神(本人による当時の再現)

オーブントースターの棚にポンと置いてあったパンその他も戸棚に隠されるようになり、とにかくごみであれ人間の食糧であれ猫の餌であれ、さんが荒らせないように保管されることになりました。

それまでまる女王だけだった時、私たちは一泊二日の旅行に何の心配もなく出かけられていました。
女王陛下のゴハンは、お皿に大盛にしておけば陛下がご自身でペース配分をしながら召し上がります。
過食に陥ることもありません。
お水とトイレをしっかりきれいにたっぷり用意し、夏には温度調節に注意をし、それでは行ってまいりますと陛下にご挨拶して、我々は何の憂いもなく旅行に出かけることができました。
きっと女王陛下は、我々が出かけたとたん「よっしゃ自由だ」と冷蔵庫を開けてビールを取り出し、プシュッと言わせながらリモコンでテレビをつけて、ソファでくつろぎながらバラエティ番組や小鳥の出てくる自然番組などを好き放題ご覧になっていたに違いありません。

しかし2匹目の猫、さんの登場により、例えゴローニャがない世の中でも我々はうかつに旅行など考えることができなくなりました。

さんのゴハンをお皿に大盛にして出かけても、きっとさんのこと、たちまち自分の分を食べ尽くし、まる女王の分まで食べてしまうに違いありません。

ウチのゴハン
突撃となりのにゃんゴハン
しまわれちゃってた


まる女王にもお気の毒ですが、加減を知らない男さん、お腹を壊したりしそうです。

世の中もまだまだ旅行ムードには程遠い2020、秋を過ぎても我々はさんを見ながら、「やれやれ」と苦笑し、しばらくは旅行をあきらめたのでした。

さて、月日は巡り、さんにとって我が家での2度目の夏、2021がやってきました。
さん君、うちの子になって1周年だよおめでとう。
世の中は一年遅れのオリンピックに沸き、真夏のだいぼうけんーーなどと口走っていた思い出がありますが、世の中は落ち着いていたゴローニャが、考えてみればあまりにも当然の結果、何度目かの波を迎えていました。

なんだかんだと落ち着かない世の中、さんの食欲問題も解決しておらず、我々はその夏も泊を伴う旅行など考えもしていませんでした。

さらにその夏これも7月末、さんは尿路結石の大病を患いました。
結構な重症、命が助かってよかった!という状態のあれやこれやでやっぱり一か月ほど、ケージで暮らしながら病院にもほぼ毎日通う夏でした。

にゃんてこったー!でし。


この年の夏はさんに対する心配と毎日の看病、通院で、私自身も耳鳴りを起こしてメニエールや突発性難聴の一歩手前までいき、もうへとへとw

幸いにもさんは本復し、危惧された腎臓の機能は元に戻り、恒常的な投薬生活も回避できて現在に至っています。

後遺症で半年以上ものすごい頻尿君だったり、今年の5月には軽い膀胱炎に罹ったりしましたが、現在はきちんと適量のちっこを、適度な回数で排泄できる日々。ありがたい素晴らしい!
まる女王には、頻尿気味のさんとは逆にトイレに行く回数が極端に少ないという悪癖があり、我が家の猫2匹は、ちゃんとトイレができているだけでものすごく褒められるという状況が出来しています。
なんだか理不尽…

しかし猫たちも我々も健康が何より。
トイレが健やかだということは、何よりめでたいことなのです。


そして巡り来た、さん3度目の夏。
ダイエット用のゴハンに整腸作用のある餌も加え、少し多めに暴れさせ、相変わらず食欲は旺盛だけれど、トイレも順調。

さんにとっては、初めてケージに入らずに過ごす夏です。

必ずオットの室内草履が写ってしまう
というか猫はこれが好きでいつも上に乗っている

おお、いいぞいいぞ。

何より、いつの間にかさんは、お腹いっぱいの時はゴハンを残したりしているではありませんか!

お、さん、満腹中枢も戻ってきたの???!

半年ほど前、世の中がだいぶ落ち着き久しぶりに温泉にでも行きたくなっていた我々。
しかしもし泊りで旅行に行くなら、家を完全に二つのエリアに分けてまるとさんを別々に過ごさせるか、さんをケージに入れてまるの餌を食べないようにするか、どちらかしかない。けれどどっちも不自由そう、そう考えていた我々。

実は正月に一度、ちょっと遠くの親戚の家を訪問するため、さんを、トイレ、水、餌、毛布とともにケージに入れ、夕方出かけて次の日午前中に帰宅したことがあったのですが、結果は散々でした。

トイレはひっくり返され、砂がケージにぶちまけられています。毛布までトイレの中に引っ張り込まれ、水も餌もぐしゃぐしゃ、さぞかし夜中にもうるさく鳴いたことでしょう。
かわいそうなことをしました。

帰宅してその惨状を目にした瞬間
「駄目だこりゃ」

いかりや長介のようにつぶやいた我々。

しかし、今!

NOW!!

この様子ならいけるかもしれない!!!

よくよく思い出してみると、いつの間にかごみ箱をあさったり、出しっ放しておいたパンなどに口をつけることもなくなっているさん。

チュールも、最初などは夢中すぎて人間の指まで噛んで多少の血を見たり(その時のさんの「やべっ」という顔はわすれられませんw)、パッケージを噛んでしまって大穴が開き、結果食べる前にボトボトこぼれていたりしたものが、いつの間にか落ち着いてぺろぺろと食べられるようになっていました。
今では安心して、指からも与えることができます。

飢餓が収まったのか、まるのゴハンは食べてはいけないと分かってきたのか、自分のゴハンを食べ終わった瞬間にまるの餌にダッシュすることもなくなり、まるの餌をしまい忘れても、近づきはするけれど口をつけることをためらうようになったさんです(もちろん、長時間誰も止める人がいないと、イケる!となるのですが)。

そんなわけで今年の夏、7月末に我々は、本当に久しぶりに旅行に行ってみることにしました。

当日朝まで迷っていましたが思い切って腰を上げ、「当日泊まれる宿」から予約し、昼前にスタートしました。
翌日は12時のチェックアウトぎりぎりまでお風呂を楽しみ、しかしその後は一目散、午後3時前に帰宅したところ、猫2匹はゆったりとくつろぎ、トイレを散らかすこともなく、何なら少しゴハンも残した状態でおるすばんができていました。

我々はどれほどほっとしたことでしょう。そしてとてもとても嬉しかった。旅行に出かけられる状況ができたこと、何よりさんが落ち着いて、家の中でくつろいで暮らせるようになっていたことが。

それに勇気を得てこの夏の終わり、もう一度、昼前に出発して翌日2時過ぎぐらいに帰宅するスケジュールで海辺の温泉に出かけました。

ああ素晴らしい、何べんでも入れる源泉かけ流しのお風呂。
パリッとのりの効いた浴衣。
あげ前据え膳の海の幸。
お風呂の始末もしなくてよし、ゴハンを片付けなくてもよし。
お酒で眠くなったらそのままゴロンできます。

1度目は猛暑のさなか至福の海水浴。
2度目は岬の観光

最初の宿から見た海と夕日
まるで西海岸?行ったことないけど。
夜の海辺の散歩
岬からの風景。馬の形の岩。


それもこれも、今年はさんが健康でいてくれるお陰。
落ち着いて我が家の猫として暮らせるようになったお陰。
まる女王がいつも元気でいてくれるお陰。

陛下、目つきが厳しうございます

今年の秋の終わりか冬には、もう一度どこか旅行に出かける楽しみができました。

2匹目の猫さん。
初めてのケージの外での夏、初めてのお留守番。


彼をうちの子にしたことに一片の悔いなし!!
ラオウのようなセリフも飛び出る今年の夏でした。





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