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米国特許訴訟判決で認定される損害賠償額_“smallest salable unit”と“Entire-Market-Value(EMV) Rule(全市場価値規則)”
(1)米国特許法における損害賠償(284条) ①米国特許法上、以下の2つの方法での損害賠償額の認定が可能: 1)「失われた利益」に基づく損害賠償額 2)「合理的な実施料」に基づく損害賠償額 ②一般的に、失われた利益は、合理的な実施料に基づく賠償額よりも高額だが、因果関係(=侵害がなかったなら特許権者が販売を行っていたであろうこと)の立証が難しい。それ故、「合理的な実施料」に基づく損害賠償が認定される場合が多い。 (2)“smallest salable unit (
裁判地に関する米国最高裁決定(TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC(Supreme Court, May 22, 2017)について
1.2017年5月22日最高裁決定の位置付け ・ 米国国内法人について、特許訴訟での裁判地(venue)について判示したもの。 2.管轄権の決定の仕方 管轄権の有無は、以下の3段階で判定される。 ① 事物管轄権: 連邦裁判所と州裁判所のいずれで裁かれるべき案件か? ② 対人管轄権: 提訴された被告に対して、当裁判所は審理/判決する権限を有するか? ③ 裁判地(venue)の選択: 対人管轄権を有する複数の裁判所の内、どの裁判所で審理するのが適切か?