先日ある著者のセミナーを受けまして、その後の懇親会で直接お話をさせていただく機会を得る事が出来ました。

その著者の先生はとても人間力の高い方で、話しかけに来た一人一人と丁寧に名刺交換をしながら「これはどういう仕事ですか？」とか、「○○はどういう感じですか？」とか、それぞれ目の前にいる『その人一人』に向けた言葉をかけていました。

これ、実はすごく難しいんですよね。

その場で出会っただけの人に、名刺以外になんの情報もないまま会話をしようと思ったらどうしても当たり障りない内容になってしまう。
すると、前の人も今の人も次の人も、同じような会話になってしまいます。

本当は講師の方をこういう大変な目に合わせるならなんとなくで話しかけに行くなよって話なんですよね。
話しかけに行くならせめて最初の会話のイニシアチブぐらいは責任もってとらなきゃご迷惑だなと再確認しました。

スターと有象無象

セミナーが終わって少しフリータイムがあったり、勉強会の前後で名刺交換会があったりすると、『スター（講師等）対この人と話してみたい有象無象』という状況になることがよくあります。

この状況になると、半数～３分の２ぐらいの人がそもそも話しかけに行くことを諦めます。
そして話しかけに行った半数～３分の２ぐらいの人のうちの大半はだいたいなんとなく名刺交換出来たらいいなぐらいの感じです。

つまり、１００人いたら５０人から６７人ぐらいが最初に脱落し、残った５０人から３３人の名刺交換しに行った人の内、内容のあるものは多くても２人ぐらいではないでしょうか。

もちろん属性によっては０人の回の方が多いのではないかという場もあります。
そもそも誰も挨拶にすら行かないという場面にも何度か遭遇したことがあります。

ここで冒頭に立ち返ります。
セミナー等を聞いて、特に興味が無かったら無理に話しかける必要は全くありません。
むしろ興味も無いのに話しかけられたら講師の方に負担をかけるので遠慮するのが優しさだと思います。

あえてそこでの講師の対応を学びたいとか、講師の人間力を試すためにやって見てみるというのであれば報酬が発生している有料セミナーならばアリだと思います。
無料の場でこれをしても講師もモチベーション保てないので真価は見えない気がします。

しかし、そもそも興味があるからそのセミナー等に参加したわけです。
ということは、出来ればその機会を最大限生かして学びにしたいと本音のところでは思っているはずです。

だったら話しかけられるチャンスがあるなら立ち上がった方がいいんじゃないかと思って私は実践しています。

さっそく結論

今から結局人間力には勝てないということを思い知らされた件について話をします。
そして後半に、人間力なんて一朝一夕で身につかないものはどうしようもないので、今すぐできる悪あがきについて書きます。

悪あがきをしても、スキルやテクニックをいくら身に着けても、時間をかけて積み上げられた人間力や、天性の人たらしには勝てません。
スペシャルワンにはなれなくてもマッチベターにはなろうということです。

トンビに油揚げをさらわれた話

鳶に油揚げをさらわれるとは、自分の大事なものや手に入れられると当て込んでいたものを、不意に横からさらわれることのたとえ。また、奪われて呆然としている様子のこと。（古事ことわざ辞典より）

スターを手に入れられるなんてそんな厚かましい事はもちろん思っちゃいません。
しかし、たま～にありませんか？「あれ？もしかしてこれ今けっこう楽しくお話出来てるんじゃない？」って浮き足立っちゃうようなとき。

この前そういうことがあったんです。
そんなに盛り上がってなさそうな人の輪の中に、会話の途切れた瞬間に突入してスターに話しかけて、最初の一言でうまく共通の話題をぶっこめて、一緒一緒～！！ってスターが笑ってくれて。

そのままスムースに会話が進んでいたのですが、そこに、「携帯持ってきた～！」と突然男性が乱入してきて、おもむろにスターとLINE交換を始めました。
そしてスターが一言。「今度一緒に波乗りすることになったんですよ」

その男性とは既にもうため口で、楽し気に千葉の海はどうのこうのという話で盛り上がり、サーフィンをしたことのない私はどこにも入る余地は無く、サーフィンしていたところですぐに千葉まで行けない時点でもうダメですよね。

キャパシティ的におおよそ１００人程度の参加者が居たと思いますが、初対面でスターの心を掴んだのはその１人だけです。
スターがサーフィンをするなんてセミナーの中には無かった情報ですし、普通に会話しながら共通の趣味の話になって、すぐに行くと決意するその人間力。

真似できないですよ。
でもこういう人は本当に普通にスターにLINEで連絡して、普通に一緒に波乗りして友達になっちゃう。

本当のオープンマインドってこういうことだなぁと見せつけられた気がしました。