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楽しく働くとは何かを考えてみた。

先日、尊敬する同業の先輩でもあり友人と呼んでもいいんじゃないかと思っているぐらい仲良くしていただいている方を含めた数人で食事をしていた時のこと。

我々は本当に仕事が好きなので、食事中の話題はとにかく仕事の話や経営、マネジメントに関する話ばかり。
従業員さんの教育やマネジメントについて話す中で、その先輩はこう仰った。

「やっぱり、楽しいって思えるとどんどん出来るようになると思うから、従業員さんにこの仕事は楽しいって気持ちを持ってもらえるために自分に何が出来るかを考えるといいんじゃないかと思ってる」

なるほど、これはめちゃくちゃ納得できる。
だって、私自身が仕事に対して努力をするのは、仕事が楽しいから。
逆に、楽しくない仕事が山積みな時は、驚くほど頑張れなくて何をするにも時間がかかる。

でも一つ疑問が浮かんだので聞いてみた。
「楽しかったら自然と努力するという理論だと、この仕事に限らずどんな仕事であれ、わからないことがわかるようになっていくだけでめちゃくちゃ楽しいことだから、新人のうちは何しててもレベルが上がるのが目に見えて体感できるから楽しいものじゃないですか?」

この質問は先輩に見事に打ち砕かれた。
「みんながみんな、そんなに知識欲があるわけじゃないし、レベルアップすることに楽しさを感じるわけじゃないよ。むしろそっちの方が少数だと思うから、そこの認識から見直してみたらどう?」

このとき、私は結構大きな衝撃を受けていた。
うわー、またも根本的にとくとめはわかっていないの壁だ、と。

経営層と雇用者層の認識の壁

とにかくマネジメントを勉強するようになってからあちこちで言われることや気付かされることの中で一番多かったのがこの『認識の壁』である。

私の中の普通は世間一般にとっての普通ではない。
それは知識として理解はしていたし、私の言葉がまっすぐに届かない経験を多くしたのでそうなんだろうなという実感ももちろんある。

けれども当然のことながら、私の中の普通が相手にとっても普通であり、マッチすることも多くあるのだ。
そしてそうなるのは決まって経営層の人たち。

経営層の人と雇用者層の人では恐らく持っている常識が違うのだろうということはわかる。
しかし、私を含め、経営層の人たちもみんな、元々は雇用者層だったのだ。

「経営者には従業員の気持ちなんてわからない!」と一括りに切り捨てるのは勘弁してもらえないだろうか。
従業員だった時の経験があるから今の経営者としての自分があるのであって、それはどの経営者も変わらないと思う。

だから、正しく断罪するならばこうだ。
「とくとめなんかに私の気持ちがわかるはずもない!」
そう、これはあくまで、個と個の違いによる争いであるはずなのだ。

そしてそれはもちろん経営層側にも同じことが言える。
「従業員さんに経営者目線を持てなんて言ってもわかるはずがない」
と一括りにして切り捨ててはいけないのだ。

従業員だった自分が、未熟ながらも経営者目線を持とうとし、学習し、努力し、そして行動に移した結果が今の経営者というポジションであることを忘れてはならず、そして、今もそのように行動している人が社内にいるかもしれないのだから。

自分にとって仕事とは何か、相手にとっての仕事とは何か?

経営者対雇用者の対立構造ではなく、個対個の個性の違いによるギャップがマネジメントがスムースにいかない原因なのだとしたら、考えるべきはここなのではないかと思う。

『自分にとっての仕事とは何か』『あなたにとっての仕事とは何か』

私は折りに触れ、仕事をする理由は人の数だけあると思っているし、それでいいと思っていると公言している。
みんなが同じ気持ちで仕事に取り組むのがチームワークだ!なんて押し付けられると私自身が閉塞感を感じてしまう。

ただ勘違いしてほしくないのは、同じ気持ちで取り組むのは無理でも、同じ目標を掲げ、それを達成するために協力して仕事に取り組むというのは絶対に出来ることだと思っている。

ただし、これを達成するには参加する人全員の、『自分が仕事をする理由は何か』が明確でないとうまくいかないのではないだろうか。

生活のため、趣味や遊びに使うお金を稼ぐため、家族のため、貯金のため、完璧な老後計画のため、スキルアップのため、知識欲を満たすため、刺激が欲しいから、暇よりは働くほうがマシ、承認欲求のため・・・

理由はいくらでもあると思うし、もちろん理由は1つじゃないだろうし、その時の自分の状況によっても変化する。
でも、メイン理由の1つぐらいは自覚して働いた方がストレスは軽減できるんじゃないだろうか?と私は思う。

感情と行動がちぐはぐな時に、エラーを感じ取って発生するのがストレスとするならば、そのエラーを少なくするためにはまず、自分の感情や目的を自分自身だけには明らかにしておくことが肝要なのではないだろうか。

宇多田ヒカルさんだってこう歌っている。
『半端な願望には標識も全部灰色だ』
標識のない道を進むことに不安を感じているなら、進むべき標識が見えるようになるために、願望を明らかにしてみるのはどうだろう。

ちなみに私はこの方法でストレスも軽減したし、進むべき方向性は見えるようになって、努力がしやすくなったと実際に感じている。

全く努力する気がない人なんていない

色んな職業の色んな立場の方と話していて思うのは、努力が本当に嫌いな人なんていないんだなということだ。

他人から見て努力していないように見える人は、努力していないように見せているだけか、努力だと感じていないだけか、努力すべき方向がわからなくて迷子になっているだけか、のいずれかに分類されるように思う。

これは今年のお正月に、冒頭に話した先輩とは別の、仲良くしていただいている先輩に言われた言葉である。

「結局さ、さや姉はカッコつけてんのよ。めちゃくちゃ努力してるのにしてないフリして、誤解されても言い返さないで全部受け止めて自分のせいにしちゃうじゃん。ちゃんと頑張ってること言わなきゃ傍から見てるだけじゃわかんないよ。カッコつけてないで言おうよ。」

これも、図星をつかれすぎててめちゃくちゃ刺さりました。
そうやねんな~、無駄にカッコつけちゃうねんなぁ。。。
カッコつけた結果、誤解されて関係が悪化して、それでもまだカッコつけてしまうのは悪癖でしかないのに。

「実際にしっかりお話してみるまで、とくとめさんは特に苦労せずなんでも普通にやれちゃう、自分とは違う人種なんだろうなと思ってました」
「周りに恵まれててうまいことやってるだけの人なのかと最初は思ってました」
こんな感想をいただくことがあるのがカッコつけてた何よりの証拠かと。

で、なぜ私が今こんな話をしているかというと、このカッコつけがまっすぐに言葉が伝わらなくなる原因だと理解したからだ。

マネジメントで大切なのは、努力する方向がわからなくて迷子になっている人に、どういう地図を示してあげられるか?ということだと仮定した場合、カッコつけの私では話が通じないのだ。

自分が迷子になっていて標識を探そうと努力している時に、地図を渡そうとしてくる人間がカッコつけた苦労をしらんような奴だった場合、その地図を手にとろうと思えるか?と考えたら、そりゃ手にとらんよね・・・(苦笑

どうしたら地図を手にとってくれるだろうか?ではなく、地図を受け取ってみようと思えるような人間にどうしたらなれるか?と考えればよかったのだ。
でもこれもあくまでも自分目線だから、多分また失敗はする。
でもそれでもいいんじゃないかなと。

多様性が叫ばれるこの時代で、自分の普通とその他大半の人の普通が合致することの方が奇跡なのだから、お互いの普通を見せあって、その上で自分たちそれぞれのちょうどいい距離感を探す努力を続けようと思う。

楽しいと思えば自然に伸びるという現象が起こる裏には、(恥ずかしいから人前では絶対に言わないし自分でも認めたくないけど、実はどこかで努力したいって気持ちや、努力が報われる時の快感が好きって感覚があるんだよー!)という心がそれぞれの中に潜んでいるからだと私は思う。

2023年1月時点でのまとめ

① 経営者は従業員さんの気持ちなんて絶対にわからないということは無いが、わからないものある。
ただしこれは逆も然りで、どちらかの立場の人が対の立場の人にこれを言うと完全にブーメランになるだけ。
お互いにこれを言い訳にするのはやめて、カテゴリーで話すんじゃなくて、個対個で議論したいよねって話。

② 私は仕事の目標が達成されていく事や、それに付随して自分や会社がレベルアップしていく工程そのものが楽しい。
難易度の高い業務を達成できた時に依頼者様にありがとうって言われるのが嬉しい。
チームで協力して取り組んだ業務が完了し、みんなで一緒に達成感を味わうのが楽しい。
でも、この楽しい気持ちを強要して共有したいとは思わないし、それぞれの楽しいの先に「業務の達成」があるのなら、それで十分だと思ってるのでお互いにストレスを減らして働ける方法を話し合いましょうって話。

③ 私は自分が長期的努力をするのには向いていない人間だと知っているので、「努力が苦手だし努力しなくて済むなら努力したくない」ってよく言うし、その発言自体に嘘はない。
けれども、短期的な努力なら何度でも出来るし、それが報われた時の脳汁はとんでもない幸福感をくれるので、カッコつけたこと言ってたけど今後は、「でも、努力ってしんどいけどなんだかんだ楽しくて最後は脳汁でちゃうよね」って正直に言うようにしますって話。

さいごに。
随分と散文的になってしまったが、楽しく働くには同じく楽しく働いている人が周りにいると釣られる部分は大いにあると思っている。
だから、私はまず自分の嬉しい・楽しい・大好きを勝手に発信し続けようと思う。
私の周りの人が釣られて楽しくなってくれたらいいなぁなんて思いながら・・・。

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