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『ヒーローの休日』

登場人物
 レッド
 グリーン
 ブルー
 ピンク
 マネージャー

   SE 扉が開いて足音がわらわらと。

赤「いやぁ、昨日の怪人は手強かったな」
緑「レッドパイセン、久しぶりにロボを出動させましたね。格好良かったっす」
赤「フッ、あれで世界の平和が守られたのだ」

   SE ブルーが段ボールに躓く。

青「いったあ。ただでさえ狭い事務所に邪魔くさいもの置かないでよ」
桃「ブルーちゃん、この段ボール封筒でいっぱいよ。ファンレターかな」
青「ウチらにそんなもの届くわけ……」
マネ「これは内職用だ」
四人「マネージャー!」
マネ「レッド、今月赤字だって話したよな。ロボを出すとお金も出ていくんだよ」
赤「はい……」
マネ「グリーン、いい加減その使えない後輩のしゃべり方やめろ。何年目だ?」
緑「ひぃ」
マネ「それからブルー、寝るな!」
青「(むにゃむにゃと)お休みの日くらいお休みしたっていいじゃないですか」
マネ「昨日の怪人、お前の居眠りのせいでロボが必要になったの分かってるのか?」
赤「やっぱり昨日のロボは世界の平和のために必要だった――」
マネ「はあん?」
赤「いえ、何でもないです」
マネ「ピンク、仕事中にナンパされるな」
桃「それはあたしのせいじゃ……ハッ、あたしが可愛いのが悪いんですね!」
マネ「お前ら、そろそろ金欠で地球が守れなくなるぞ。とりあえずそこの封筒に全部ラベルを貼りなさい」
桃「え、内職ってガチ?」
マネ「俺は今から一番の問題児を捕まえにいく。帰ってくるまでに終わらせろ」

   SE 去っていく足音。扉が閉まる。

赤「そう言えばイエローがいない」
青「イエローなら今日の晩御飯を捕まえてくるって……」
三人「釣りか!」

   SE 波の音と海鳥の声。

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