『ツイテル僕と兄貴』最終回
「さて本題だ。譲くん、調子はどうだい?」
「僕ですか? 咲良姉ちゃんではなくて」
「咲良ちゃんは白い羊だ。幼馴染一筋だろうが新しい恋に目覚めようが俺には関係ない」
亀山さんがじっと僕を見つめる。
「でも、譲くんは兄貴とはいえ幽霊を憑依させた黒い羊だから、先輩として心配してやってもいい」
上から目線な物言いに戸惑うと同時に、兄貴の件でも兄貴と咲良姉ちゃんが二人の世界で、自分は完全に蚊帳の外だったことを思い出す。
「……どうして、今更?」
出来の悪い弟のひがみをたっぷり込め