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愛をする人 (7)


 初めてのデート

 ライン交換した俺はその夜、逸る気持ちと相手は家庭のある身で誤解を与えてはいけないと言う自制とで、なかなか文字を打つことが出来なかった。
 ようやく送ることが出来たのが、
 ” 今日はありがとうございます。
   また機会があれば、よろしくお願いします ”
 家族がポップアップ通知を覗いても、出来るだけ不信感を抱かない様に、営業マンの様な文面で送った。
 ポンっ、という通知音が数秒後に聞こえた。俺の携帯の待ち受け画面に通知が表示された。亜希子からだった。直ぐに通知をタップしアプリを立ち上げる。
 ” こっちも
  機会があればね 
  どこのセールスかとおもった 笑 ”
 俺は亜希子が直ぐに返信してくれた事に感謝し、次はどれくらい経ってから送ろうか悩みながら床に着いた。

 数日後の夜、亜希子からラインが着た。
 ” しごとさがした? 決まった? ”
 妙に罪悪感が湧いた。ハローワークへ行くと言っておきながら行っていない。
 実家の補修をしようとホームセンターへ連日出かけていたからだった。
 直したい所をリストアップし、何をどれに変えれば一先ず大丈夫か、その材料の下見と日曜大工パンフレットを貰い、車の中や家に帰り、頭で設計図を描いていたのだった。
 ” まだ行ってない 今実家の営繕の段取り中 ” と返す。
 ” こうむてん たのむの?  自分で? ” と直ぐに着た。
 ” 自分でやるつもり どこから手を着けるか思案中 
  工具はそれから必要な物を買う予定 ”
 ” うちにあるの あげようか? もうつかう人いないから ”
 ” ご主人、そういうのしない人? ”
 ” だんな いない わかれた ”

 文字入力の指が止まった。思考も停まった。何秒、いや何分経ったのだろうか、我に返りこう返信した。
 ” 一緒に住んでるご家族は? ”
 ” わたしひとり 
  あ あのセールストーク 気をつかってくれたの もしかして ”
 ” 気を遣った。そうだったんだ。”
 ” こんど建夫のいえ いっていい?
  だいくしごと みてみたい
  よかったらうちのもなおしてよ ”
 ” いいとも! でも早くは出来そうにないよ 今から始めますから ”
 ” きをながくして まってま~す  じゃあね ”
 ” じゃあ また ”

 心臓がバクバクしている。
 【亜希子は独り身になってた、、、あの時、強く誘っていれば、、、、いや、そうじゃない。そう言うもんじゃない。亜希子はそう言う人じゃない。】
 自分自身にそう答えを出し、慌てなくても少しづつ前に進もう。亜希子次第なんだ。そう言い聞かせて、その日は嬉しい気分で床に着いた。

 翌日ハローワークへ行き、端末の画面を見ながら仕事を探してみた。
 配送の仕事、清掃業務、ビルメンテナンス、倉庫業務、、、業種に絞ったりしながら眺めてはみるが、【自分に合う仕事は何だろうか、、、給与はどれくらいなら納得できるんだろうか】と頭を過る。
 それから考えなくちゃだめだな。考える間、適当にアルバイト始めるか、、、、そう思い、持ち帰り弁当屋に置いてあるフリーペーパー求人誌を持ち帰った。
 買って帰った弁当を食べながらそれを捲って見る。
 フルタイムからパートタイム、すき間バイト、数日数時間の勤務、、、多種多様だ、、、頭が混乱し眩暈がして来た。
 その求人誌の中に、以前住んでいた町のスーパーで進めている「ネットスーパー配達 勤務は週3日以上午後から夜8時まで 配送車あり」の記事があり、目に留まった。

 奥さんの入院している病院とそう遠くない。働きに行けば顔を出せる。
 今は、洗濯物を持ち帰り、洗った物を持って行っている。訪ねた時に顔を数分出す程度だが。
 『直ぐに帰るのね、、、誰か良い人でも出来た?』拗ねる様な嫌味の様な、でも元気や覇気の無い言葉を、薄ら笑いで受け取って帰っている。
 顔を出す回数を増やせば、多少は機嫌が良くなるかもしれない。
 そんな目算が頭に浮かんだ。
 奥さんに笑って欲しい訳じゃない。少しでも感謝の思いが湧いて貰えたら、それで良いんだ。
 女性に対しての愛情、奥さんには無くなっている。家族としてなら、、、少しは残っているから。

 翌日俺は、履歴書持参で求人誌片手にその会社を訪ねた。
 軽貨物の運送会社だった。昔、赤帽便で独立し従業員を雇い始め、軽4バンや保冷車付軽4トラックを十数台までに増やしている運送会社だった。
 従業員も主婦のパートさんや定年退職後の高齢者男性が殆どだった。
 雇ってもらう事にした。平日は女性パートや高齢者が希望する為、主に週末や祭日に週3日行く事にした。
 その他の平日でも、夕方から夜にかけて頼む時があるからと言われ、「いいですよ。来ますから連絡ください。」と言うと、喜ばれた。

 ”仕事 決めてきた 前に住んでた家の近くのスーパー
 宅配の仕事 週末土日は出勤 週初め休み
 休みの日に日曜大工をしようと思う ”
 そう亜希子へラインを送信した。

 ”しゅうしょくいわい してあげる
 おいしいおそば たべにいこう 
 くるま だして ”
 ” いいね! いつ行きますか ”
 ” らいしゅうのやすみは? ”
 ” 火曜日ならOK ”
 ” きまり! またラインする ”

 あっさりと初デートが決まった。
 この時の俺は、この先亜希子とは深入りせず、たまに話が出来る程度の関係で良いんだと思い始めていた。
 ただご主人と離婚し、独り身になっていると言う告白は、もしかすると、、、とゆう期待が無い訳じゃない。
 でもそれをあからさまに出してしまえば、亜希子に嫌われる。そうも思っていた。

 初デート当日。俺は亜希子が指定した隣町にある公園の駐車場へと車を走らせる。
 30数年の想い、、、というか後悔を抱き続けてきた心の内を言って良いものか考えていた。
 話してどうなる、、、その先を期待しているって思われたりしないか、、、正直、その期待した気持ちもあるにはある。
 でも決め手は亜希子なんだ。亜希子の気持ち次第なんだ、、、俺から無理に押しても迷惑な話だろうからな。
 あのコーヒーショップで感じた勘違い、思い込み、、、今も少し恥ずかしさが甦る。

 公園の入り口、駐車場の出入り口や化粧室棟から微妙に遠い、”Eエリアの茶色いワゴンR” のラインを頼りに車を停めた。
 亜希子が車から降り、俺の車へと向かい助手席のドアを開けて乗り込む。
 「今日はごめんね、呼び出しちゃって。」
 「いや、お祝いって言って貰えて、、、俺の方こそ。」
 乗り込んだ亜希子から、ふわっと良い香りがした。
 「行こうか、、、何て名前の所?」
 「奥山の無心庵。」
 俺はナビでその名前を入力し、車を走らせた。

 「ねえ、何で○○市のスーパーなの?」
 走り始めて暫くして亜希子から話題を振って来た。
 「家の近くでね、、、奥さんの入院先に近いから。」
 「入院してるの?奥さん。」
 「うん、、、春からね、、、娘が大学入学する時に合わせて入院した。で、俺は実家に帰って気になってた事、やり始めたんだ」
 「もう誰も住んでいないんだっけ、実家。」
 「もう5年になるかな、、、その前からあちこち痛んで、床が抜けそうになってたところも有ったし、、、そのまま朽ちていくのを見るの、忍びなくてね。」
 「で、日曜大工って訳ね、、、前にも行ったけどさ、道具うちにもあるから貸してあげるよ。うちは使える人がもういないから、、、」
 「ありがと、、、でも、自分で選んでどう使うか調べたり悩んだりするのが面白くってね。」
 「男の人って、それが楽しいみたいね、、、、」

 本当は借りて直していくのも有りではあるが、借りる為に亜希子の家へいく事が憚られる。
 近所の目もあるだろうし、女の一人暮らしへのこのこ訪ねていくのも、、、、俺にはまだその勇気がない。と思いたがっている。

 「お見舞いにはしょっちゅう行ってる?」
 「週に一回はね。洗濯物もあるし交換したり、新しい下着とか持って行ったり。」
 「優しいんじゃん。嬉しいよね、奥さん。」
 「……どうかな、、、行けば人の悪口ばっかり言ってるし、、、俺にも言うし。」
 「しょうがないよ、入院中だもん。不安ばっかり募るし、、、聞いたげなさいよ。」
 「昔っからだったから慣れてるけど、、、でもやっぱり、人の非難とか良くない憶測とかはね、、、聞くの面白くないじゃん。」
 「……そうね、、、、そういうタイプの人も居るよね、、、、あ、ゴメン。私までディする様な事、言って。」

 「娘さんは傍に居ないの?洗濯物とか娘さんがしてもよさそうなのに。」
 「東京の大学。奨学金貰いながらたまにバイトして寮生活してるから、なかなか帰れない。 それに母親とあまり仲良くなかったから、、、」
 「母娘あるあるだよね。うちも一時、仲悪かったよ。何を言っても反対の事ばっかり言ってくるし、遊んでばかりいたし、、、健夫とは?お父さんとはどうなの?、」
 「俺とは良好だと思うよ。嫌われた覚えも無いし、何かと相談してくる。でも大体が分からないから、自分の思うようにしろって言ってる。」
 「良いお父さんだね。」
 「そうかな、、、、なら良いんだけど。」

 「今から行くところねえ、年に一回は行くところなの。お蕎麦頼むと大根が出て来て、待ってる間に自分でおろすの。大根おろし。
 で、かやくご飯と天ぷらを頼むの。舞茸とかき揚げ、さつま芋とキスか鯵、アナゴのどれか。
 最近一人で行ってたから、誰かと行きたいな~って。一人で待つのもね、、、お話ししながら待ったり食べたいじゃない。だから、、、誘ってみたの。」
 「そう、役に立てて良かった、アハハ。」

 それからは世間話や最近見ているドラマの事、同級生の事を亜希子から聞きながら車を走らせた。
 適当に相槌を打ちながら、特に自分の考えをいう事も無く、聞き役に徹した。
 その方が、場が上手く行く、時が流れていく。そんな立ち回りが慣れていたからでもあった。

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 行為の後、脱力した亜希子が下半身もあらわに横たわっている。
 あそこの綺麗さとゆうのは、若いとか熟女とかは関係ないらしい。
 生まれつき黒ずみが進む人もいれば、進まずピンクのままという人もいるそうだ。体質の問題だそうだ。
 襞の大きさも、経験回数に応じて大きくなると言うものでもないとも聞いている。
 亜希子のあそこをまじまじと見る。
 白髪らしきものが混じるも薄い陰毛。
 ピンク色の丸い柔らかい丘が盛り上がる陰唇部。
 それを広げると鮮やかに、別なピンク色が広がる。
 そうしているうちに俺は、亜希子のあそこを舐め始める。
 亜希子はだるそうに、、、「えっ、、もう?」とか言いながら、、、、俺になされるがままになっていく。

 次のラウンドへと、、、ゴングは鳴り響く。

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