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雑感 27 「Made in Japan」 in 会議室


『事件は会議室で起きてるんじゃないっ!現場で起きてるんだっ!』

と、浅黒い顔の青年が無線機のマイクを握りしめ。鼻を大きくさせながら叫んでいましたっけ。


世界に誇る品質保証の「Made in Japan」。


最終的な完成品は国内工場で製品化され出荷されてはいても、アッセンブリーや部品はグローバルネットワークによる海外製造サプライチェーンに頼っています。
それらの部品、アッセンブリー、製品はいろんな場所の工場で生産されてはいますが、品目、数量、納期はおしなべて”会議”で決定されます。
会議の形がリアルでもバーチャルでも、どちらかか両方かの会議で。現場では決定しません。
一部の部品の入荷遅れとかで、生産順を変更する様な微調整はあるにしても基本、会議の決定通りです

世界的な感染症の流行で色んな工場が今まで混乱していました。でも、流行の下火に合わせる様に、製造規模、速度を上げてきています。
部品やアッセンブリーが製造出来ても、輸送に時間が掛かったり(コンテナ船輸送とか)、航空貨物にして積み残しや未出発とかが、今、多発しています。

全て揃わない時、製造現場や納入先は混乱します。

混乱収拾も会議です。『こうすれば良い!』の意見が多出します。その中で良さそうな案が決定事項とされ、現場へ指示されます。
受けた現場は『何それ?、、、どないせいちゅうねんっ!どんだけ人や時間が掛かる思うてんねんっ!!!』って、よくある風景になります。
詳細な部分でダメ出ししたり、包括的に あらがったりすると、会議室から飛び出した人たちが現場にやって来ます。
これの人達が現場の混乱に拍車を掛けることも、よくあります。


「船頭多くして舟、山を登る。」状態になっていきます。


結局のところ現場は、指示に従うふりをして微調整を繰り返し、結果オーライまで持って行きます。
ほぼ通常に戻れば、現場の人達は物言わぬ将棋の駒に変態します。

収集に向けての集中している時や、収集後の現場へ本社やグループ代表会社の社長や事業部長、執行役員と呼ばれる方々が来訪されることがあります。


そうです。【御為ごかし】です。


(御為ごかし(おためごかし)とは。表面は人のためにするように見せかけて、実は自分の利益を図ること。 By goo国語辞典)


「いや~、ご苦労さん。よく頑張ってくれたね。」なんておっしゃられますが、殴ってやりたい気持ちを抑えるのに必死です。
汗も恥もかかず、手も服も汚れなくて、良さそうな案を出して、ご自身の配慮の広範囲さや思慮深さを何気に自慢して、それで現場より高い報酬を手にする方々が、この国の製造業をコントロールしていると思っていらっしゃいます。


そうです。 「Made in Japan 」in 会議室  です。


情報共有と自説の披露で、毎月決まった高額の報酬を得られる上級国民予備軍の方が、リアルとバーチャル会議室で、今日もお仕事に励んでいらっしゃいます。


全ての道はローマ(老魔)に通ず


ローマ帝国が衰退した原因の一つに、身の回りの世話や社会の生産、流通、販売を、他地域からの移住者や下層民に任せ、その人たちが来なくなったり居なくなったりした時、ローマ市民だけでは何も出来なくなったと聞いた事があります。
ものづくりを放棄した、一部上場メーカー企業。
「物流全てをお任せください。」と言いながら「来ない物は仕方ありません。」と言う一部上場物流企業。
「人材の事ならお任せ!」と笑顔で近づき、「ほら、今はどこも人手不足で、、、」と言う、女衒ぜげんの方々。
この国の行く末は誰が担うのでしょうね?別に誰だって構いませんけどね。
『上手く行ったら自分のおかげ、良くない結果は 他人ひとのせい。』ですよね、今の世の中。

今、私の勤務先は大混乱してます。日々命を削りながら働いています。いつまで続くか、分かりません。落ち着いた頃、製品の山で身動き取れずに、誰にも見つけられずに埋まっている事でしょう。

ひねくれ者のまま棺桶に入るつもりですが、少し早くなりそうな やまとやじろべえ でした。
ではまた、ごきげんよう。

(お会いする事が出来たら)

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