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レコードエコノミー 履歴で変わるモノとヒトの関係・未来の経済について

もうじき、あらゆる商品に生い立ちが記録されるようになる。
誕生から自分の手元にやってくるまで、どのような経歴をたどってきたか、商品ごとにデジタルデータとして記録されるんですって。

モノのパスポート(デジタルプロダクトパスポート / DPP)などといって、今はおもにSDGsの観点で語られることが多いのだけど。
ようは製造や流通の過程で、環境破壊や非人道的な労働を強いていないかどうかをチェックして、良くない経歴を持った商品は売っちゃダメ。というトレーサビリティの考え方が欧州を中心に広がっていて、2027年にはEUで基準として導入を検討されているものらしい。

例えば何万点とある自動車の部品全てにパスポートがあり、1つでも不正があれば売ってはいけない。
これにより環境破壊や途上国からの搾取を前提としていた旧来の資本主義からの脱却(ポスト資本主義)を目指すと。

アメリカや中国のような資本主義のパワーゲームに対抗するためにヨーロッパが生み出したイデオロギーという見方もあるけど。
とかく大量生産大量消費の時代は終わろうとしている。

で、じゃあどうなるの?と言う、先の話がしたくて。

環境どうこうの話は、まあ、ちょっと、ごめん、一旦置かせてもらって。
すいません置きますけど。邪魔だったらあそこの、棚かどっかに上げておいて。クッキー缶とかよけていいから。
ね。いま環境問題の棚上げを実演しましたけども。

これね。モノの価値自体がいろいろ変わってくると思うんです。
人間の認知にも関わってくるレベルで。

なんならモノの履歴を軸とした新しい経済が生まれるんじゃないかと思ってます。
それを「レコードエコノミー」と呼んでみるんですけど。

例えば現金て、もうあんまり使わなくなってくとは思うんですけど、一旦価値を記号化したものとして分かりやすいから使わせてもらうと。
財布に2枚の1万円札が入ってたとして、そのお札にこれまで使われてきた履歴が記録されている。
片方は、寄付や子供の教育や、社会貢献のために使われていたもので、もう片方は明らかに犯罪に使われていた記録が残っている。
お金としての数字は一緒だけど、良い履歴を持っていた方が、なんだか大事じゃないですか?価値高くありません?
むしろ犯罪に使われたお金なんて自分の財布の中に入っていて欲しくない感じがする。(実際、いまの現金は足がつかないのでよく犯罪に使われます)

これが、あらゆる商品にもおきる。と考えられたし。
店頭に並んだ同じ商品でも、どこで誰に作られ、どう運ばれてきたかによって価値が変わる。

今、同じ商品がみんな同じ値段なのは主に現金の使い勝手のためでしょう?
現金がなくなり価値の移動が全てデジタルになったら、商品一個一個の値段がちょっとずつ違ったっていい。お釣りとかないし。
自分の地元で作られたものを買った方が、移動コストや排気ガスも出していないのでお得になるとか。そういう。


で、ここまでは自分にとってのモノの価値についてだったんだけど。
これは逆にも起こるんじゃないかと。
すなわち、モノにとっての自分の価値。も、変動する。

自分自身にも履歴はあるじゃないですか。どこに行って何をして来たか。生活してきた履歴が。
それは、商品や企業にとっての価値になる。

スポーツブランドのスニーカーにとって、
スポーツが好きで毎日運動する人と、ほとんど外に出ないけどなんとなく靴が欲しくなった人が同時に買いに来たら、どっちに買ってもらうのが価値が高いか。
より商品の良さを分かってくれる可能性が高い人に買ってもらったほうが口コミが広がりやすく、売上拡大にもつながるでしょう。
スニーカーは、スポーツの履歴を持った人に買われたいはず。
なので、そちらの方に有利なインセンティブが付くかもしれない。

もちろん、なんとなく靴買ったっていいんだよ。
でもより切実な、必要度が高い人のほうが少し有利になる。
そこにそんなに文句はない。
あらゆるものは自分にとって一番価値が高まったときに手に入れるのがいい。

そうなってくると、ヒトとモノの関係って結構変わってくると思うんです。
価値の捉え方が変化すると言うか。
いまはお金という固定された概念で価値を図ろうとしてるけど、
実際には価値って、もっとダイナミックに変化したり移動したりしてると思うんです。

そういう今は見えていない価値をやり取りする時代がやってくる。
そのなかで「履歴」という価値基準が重用されてくるんじゃないか。

レコードエコノミー。
履歴で生まれるヒトとモノの新しい関係。
それは相互に関係し合うあたらしい経済のかたち。

なんかそんな感じの。あれで。
どっかで喋るネタとして長いので一旦終わりますけども。
ここから
・在庫管理はどうなる?
・流通はどうなる?
・マーケティングやプロモーションは?
などの話も展開できて。

未来を考えるのは楽しい。


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