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遠くのあの子を思い出す


私は高校進学のとき、地元から電車で片道1時間かけて通学する高校を選んだ。大学は地元を出て遠くの県で一人暮らし。そして今は海外に留学中。

高校、大学と、生まれ育った場所から外の世界へ外の世界へと出ていく度に、色んな場所に自分のことを知ってくれている人ができた。

各地から集まった友達に地元の話を聞く。すると、その場所は「私の友達が生まれた場所」になる。
それまで何も関係が無かった場所に、繋がりができる。


いつ恋の中で特に好きなシーンがあって、
練が久しぶりに会津に帰省したとき、おじいちゃんに向かって語る言葉。

俺、東京でいろんな人に会ったよ。会津さ住んでたら、会わんにかった人にもいっぺえ会った。
東京の人にも、俺のごと知ってもらえた。
その人たちはたぶん、会津って聞いたら、俺のごと思い出してくれっと思うんだ。会津。ああ。練の町か。そう思ってもらえる。
俺はそれがうれしいんだ。
東京のあの人。会津のあの人。
行ったとこねえとこに、知ってる人がいる。住んでる人のことを考える。
今東京で何かあったら、俺は友達の心配をする。
みんなそうやって、人に会って、人のことを思って生きてる。
そういうのがうれしいんだ。

ネット上にセリフを載せてくださっている方がいたのでそちらから


本当にそうだなと思う。
自分のことを知ってくれている人が色んな場所にいて、そのことが、その場所のことを考えたり、そこに行ったりする理由になる。
逆に友達は、私の地元の名前で私を思い出してくれるかもしれない。

普段は遠くて行けないような場所でも、そこにあの子がいるんだと思えるだけでぐっと距離が縮まる気がする。

外の世界に出て新しい人に出会う醍醐味って、そこにあるのかなと思ったりする。



留学に来て色んな国から来た人と知り合って、今までよりもっと大きなスケールでこの繋がりを得られた。外国の友達だけじゃなくて、同じ大学に留学している日本人たちも、日本の色んな大学からここに来ている。
帰る場所はみんなバラバラだけど、留学に来る前よりももっとたくさんの繋がりを持って日本に帰れる。

落ち着く場所に帰って、そこからまた遠くのあの子のことを思い出す。
そういうのが嬉しい。

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