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小ささの大きさ日誌〜生後1ヶ月目〜

少し過ぎてしまったけれど、先日お子が生後2ヶ月目に突入した。生まれてから60日。まだ60日しか共に過ごしていないなんて。なんだかずっと前から一緒にいる気がする。

0ヶ月目を終えて、1ヶ月目も終えてしまった。前回の日誌にも書いたけれど、生後1ヶ月のお子にはもう会えない。その事実が寂しいし、その事実が楽しみをもたらしてくれる。

あのときブカブカだった服も、いまやつんつるてん。先月にはできなかった動きも、たくさんするようになった。お子は日々変化する。そのスピードには驚かされてばかり。まだ頻度は少ないけれど、満面の笑みをしてくれるようにも。その笑顔に出くわすたび、妻と「かわいい〜〜〜〜〜〜〜」と悶絶している。破壊力がすごい。アルバムアプリの枚数、右肩上がり。

あと、自分の手をはむはむするようになった。調べてみると、「手がある」と認識しはじめるらしい。はむはむすると、「口になにかが入っている感覚」と「手がなにかに食べられている感覚」が同時に生まれて、「これは自分の手なんだ!」と繋がるとのこと。…理屈はわかるけど、意味がわからない。こんなにバタバタと手を動かしているのに。

こうやって、この子は少しずつ自分や世界を知っていくんだろう。僕たちは当たり前なものとして見過ごしていることも、この子にとっては人生はじめてのこと。散歩にも出かけられるようになったけど、もしかしたら、まだ青空とかも認識していないのかな。晴れ渡った青い空を、はじめて目にしたときって、どんな気持ちになるんだろう。

タブラ・ラサという言葉がある。生まれたばかりの人間の心は白紙であって、そこに経験によって色が足されていく、という考え方のこと。遺伝とかもあるので、全てが真っ白だとは思ってないけれど、環境や経験で大きく変わるものではあるはず。

どんな環境・経験がいいのか…なんて全くもってわからないけど、この子がこの子として生きられることを、ひたすらに祈ってしまう。生理的欲求のみで動いていた姿の合間に、自我が垣間見えるようになると、なおさらのこと。社会や世界は変えられなくとも、この子にとって最も近しい存在である僕と妻は、変わっていかないとなと強く思う。

いま、僕と妻は、この子をケアしている立場。母乳をあげ、ミルクをあげ、抱っこし、オムツを換え、寝かしつける。目に見える行為としては、なにかを「してあげる」ことばかり。なのに、お子はたくさんのことを僕たちに教えてくれている。お子をケアすることで、僕たちはお子にケアされている。似たような記述を本で読んだときは、ピンとこなかったけれど、実感してみるとわかる。このケアの循環は、もう少し考えてみたいな。

寝不足だし、妻とぶつかることもあるけれど、毎日を幸せだと感じて過ごせている。だから、ケアは循環しているのだろう。どこかに澱みが生まれたら、僕の場合は、苦労に塗りつぶされた日々になってしまう気がする。僕と妻の余裕が大事になる。

お子は、僕たちの大切な存在。でも、僕たちだけでどうこうできるほど、小さな存在ではない。というか、どうこうしていい存在ではない。お子は僕ではないし、妻でもない。ちなみに、僕もお子ではないし、妻もお子ではない。お子は、立派なひとりの人間。まだ、人間とは思えないのだけれど。

閉じていてはいけないよなぁ、と強く感じるようになった。それは、お子のためとも言えるし、自分のためとも言えるし、回り回って、やっぱりお子のためな気もする。

外出する機会が増えて、いろんな人に抱っこしてもらうようになった。地域の仲間はもちろん、たまたま会えた大学時代の先輩にも。ありがたいことに、みんなにこにこしながら、お子を抱っこしてくれる。あのとき、ものすごく嬉しいんです。なんで嬉しいのか、よくわからないけれど、なんだかとても安心する。

大げさな気はするけれど、お子が僕たちを離れて、世界と交わっているから、なのかもしれない。ひとりの人間として、存在していることを実感するというか。それは同時に、僕もひとりの人間として存在している、という事実も返してくれて。それは直接的でないにしろ、余裕にも繋がる。

だからこそ、閉じてはいけないよなぁと思う。開いて、いろんな網の目が紡がれて、ひとりの人間で在り続ける。お子も、僕も。それはやっぱり、お子のためとも言えるし、自分のためとも言えるし、回り回って、やっぱりお子のため。ケアじゃないけれど、ここでも循環している。

お子が来てくれて、僕の世界が豊かになっていることを感じる。毎日伝えているけれど、本当に生まれてきてくれてありがとう。

うーん。「笑うようになったお子、かわいい!天使!」という、推しの観察日誌みたいなものを書こうと思っていたのに。まぁいいか。

2024年も、だいすきな妻とお子を抱きしめて。開いていくため、どう変わっていこうかな。

妻目線の1ヶ月振り返り日誌はこちら

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