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良い写真の共通点を探す(1)

写真で大事なのは「機材」か「技術」か

2〜3年前くらい前にカメラを買ってスナップや風景を撮っていたのですが、あまり勉強するという感じではなくて自分なりに考えて手当り次第撮って上達を目指していました。本を読んで基本的な構図を覚えて、色んな場所に行って撮る、みたいな事を繰り返していました。最初に使っていたPENTAXからFujifilmに乗り換え、色々考えて撮って現像してを繰り返し、最終的にLeicaで撮ったような写真が自分が撮りたい写真だということに気づきました。Fujifilmにはフィルムシミュレーションという機能があります。その機能の「Classic Chrome(クラシッククローム)」というフィルター?が一番Leicaに近いと画を撮れると言う情報を聞き、試してみました。結果は微妙でした。色々設定を調整してみても、Leicaっぽくはなるのですが欲しい画ではありませんでした。どうしようもない壁にぶち当たり、一度写真を撮る趣味を離れました。

ところで皆さんは、写真は「機材」か「技術」のどちらが大事だと思いますか?この手の「どちらが大事か」みたいな命題はよく聞きますが、正直言ってどちらも大事だと思います。どちらも手に入る方法をまず考えたほうが良いということは、守らなければいけない立場のある人ほどハッキリとは言ってくれません。「どちらかが大事」という人のほとんどはポジショントークです。例えば技術力で圧倒しフォロワーを集める人で「『技術』だけが大事であり『機材』は二の次だ」と言う人には注意したほうが良いです。そういう人ほど自分に合った良い「機材」をすでに見つけて持ってます。つまり機材も大事だし、技術も大事です。二者択一を問う命題のほとんどは、選択肢のどちらかを捨てる事を強いてきます。そんなの、どちらも手に入れたほうが良いに決まっています。

最近、写真を辞めてから1年ほどのブランクを明けてLeicaを購入しました。撮りたい画がLeicaだったので、もちろん「構図以外は」納得のいく状態になりました。撮りたい画によっては別のメーカーでも良いと思うのですが、私の場合はLeicaを購入することが一番単純な問題である「機材」への回答でした。写真は「機材」と「技術」だけで構成されるわけではないですが、課題を明確にするためにひとまず後は「技術」だけということにしておきます。でもそこで新しい疑問が浮かびました。「技術」ってなんだろうと。

写真が上手いということ

そもそも、写真が上手いってどういう状態なんでしょうか。私は、写真を撮る前にいい写真が撮れるかどうかが決まっているような気がします。写真を撮ることで重要なのは、カメラを構える前に「画になる場所」へ行くことなのではないでしょうか。そうなると「軽い気持ちで遠出ができる状態になること」が次の課題かもしれません。遠出ができても、良い撮影スポットを知らなければ目的地が定まりません。もしかしたら「情報収集」という技術を先に身につけるべきかもしれません。画になる場所へ効率よく行くこと、情報収集能力を身につけること、そのどちらもが必要なことのように思えます。もちろん、その場所に行ってからきちんと構図を決めて写真を撮る技術も必要です。忘れてましたが時間帯を読んで陽の光を考慮しておかないとダメですね。一体何から手を付けて良いのか、全てを均等に手をつけたら良いのか、何も考えずに写真を撮りに行ったらいいのか、よくわからなくなってきました。ここでふと思いました。いいねが多い写真という観点はどうなのだろう、と。

「いいね狙い」という言葉は聞こえが悪いですが、下手な写真にはいいねが集まらないように思えます。反対に、上手い写真でもいいねが集まらないこともあります。また、過去に投稿したときにはそんなにフォロワーが居なかったけど、最近は増えてきて良いねの数が増えている場合、過去の傑作よりも最近の投稿のほうがいいねが多くなってしまいます。考えればキリがないですが「一つのアカウント」の中での投稿のいいね数ランキングが見られれば「その人の一番世の中にウケた写真≒上手な写真」がわかるのではないかと思いました。少なくとも、その傾向くらいは読み取れるのではないかと思いました。そこから「いいねウケしやすい写真の要素」を引き算すれば、純粋な「上手な写真の条件」を割り出せるのではないかと思いました。

LFI Instagramアカウントのいいね数ランキング

LFIとはLeica Fotografie Internationalの略で「ライカの世界をもっと知り、理解し、見たいと願う人にとって、最も信頼のおける出版物」らしいです。Leicaで撮る写真が撮りたい画であるという前提なら、LFIを分析すればLeicaの良さを引き出した写真が撮れそうな気がします。このLFIは、Instagramにアカウントがあり、写真が投稿されています。ここから人気の投稿を調査し、TOP 10の投稿を割り出しました。TOP1から順番にリンクを貼っていきます。

どうでしょうか。まず、ほとんどモノクロですね。モノクロ写真の方がいいねウケしやすいのかもしれません。もしかしたらモノクロ写真こそ、写真の良さを引き立たせるための見せ方なのかもしれません。しかし上の10枚だけではその答えは見つからなさそうなので、他の共通点を見つけてみます。

決定的な一瞬を撮っている

他の共通点ですが、どの写真も次の瞬間には撮れていないかもしれない「一瞬」を撮っているように見えます。「キーパーがボールを止めそうな瞬間」「すべての信号が赤になり、真ん中に人が通っている瞬間」「デモ活動で叫ぶ男性の両手に掲げられた旗が綺麗に舞っており、政治の象徴である建造物がその旗の間から見られる瞬間」「サメが大きな口をあけてこちらの方へ泳いできている瞬間」「子供が大きな目をあけ、いつまで続くかわからない視線を斜め上へ送っている瞬間」「電車内で手すりを利用して腕を組みながら休む、次の瞬間にはまた体制を変えていそうな少年の一瞬」「パイプを咥えじっとこちらを見るおじさんと、おじさんの口から美しく吹き出る煙の一瞬」「ドレス姿の女性が大きな一歩を軽快にジャンプしながら移動する瞬間」「ちょうどいい煙に包まれた格式ある建物と、手前で傘をさす人物との一瞬の組み合わせ」「いつ割れるかもわからないような氷面に立つ人影の一時」。すべてが何かの一瞬を撮っています。また、偶然の産物が多いようにも見えます。「なにかの決定的な瞬間」というのが上手い写真≒いいね数が多いものであると言えるのではないでしょうか。この「一瞬」にいかに出くわすかが、良い写真を撮る手がかりになるかもしれません。

つづく

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