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良い写真の共通点を探す(2)

誰のための写真?

誰のためのデザイン?というプロダクトデザインの名著があります。プロダクト、つまり製品(例えばデジタルカメラなど。)におけるデザインは誰のためにあるのかということを書いた本で、ベストセラーになっています。プロダクトには「ユーザーに使ってもらう」という共通の目的があります。そのうえで「使いやすさ」が最大になるようにプロダクトをデザインします。すべての人に使いやすくする事はできないので、ターゲットを絞ったり用途を限定したりして、プロダクトをより良いものに仕上げていきます。例えば、デジタルカメラのメニューにモヤモヤした覚えはありませんか?背面モニターのメニューはユーザーが使いやすいように作られているはずですが、各社によってその使いやすさは違ってきています。

では、写真についてはどうでしょうか?プロダクトデザインには明確な目的がありますが、写真は誰のためにあるのでしょうか?そして、写真の目的とはどのようなものがあるのでしょうか?

写真の目的

まずは写真の目的について、わかりやすい例である食べ物の写真で考えてみます。食べ物の写真の目的はおそらく「その食べ物が美味しいと言うことを見た人に伝える」ということでしょう。仕事の依頼としての撮影では目的が明確になりやすい傾向がありそうです。ブライダルの写真は「結婚式の幸せな瞬間を残したい」という、少し内向きな目的でしょうか。ターゲットはおそらく新郎新婦です。

どうやら「誰に何を伝えるか」が重要になってきそうですね。では、目的のある写真に関してどのような写真が良いものになるのでしょうか。

WEDING CIRCUSさんのInstagramいいね数ランキング

写真にも「誰のために」と「何を伝えるか」があるとして、一体どういう写真が良いものかということを考えていきます。WEDING CIRCUSさんのInstagramが良さそうだったので、またランキングを作って考察していきたいと思います。

どれも綺麗な写真ばかりですね。笑顔が多く、幸せそうな瞬間を切り取ったという印象があります。背景はあまり入らず、シンプルに二人きりという写真が多そうです。手をつないだり組んでいる写真も多いですね。

わかりやすい写真≒良い写真

ブライダルの写真を「誰のために」「何を」の観点で見てみます。それはおそらく「新郎新婦のため」「幸せな瞬間を残す」ためでしょう。どの写真も適正な露出で見やすく、ハッキリと「幸せそうな瞬間」がシンプルに撮られています。何年後にこの写真を見返しても、この時の瞬間が鮮明に思い出せるように仕上がっています。目的のある写真においての良い写真とは「(誰のために、伝えたい何かが)わかりやすい写真」となりそうですね。

前回のLFIを参考にした記事では「LFIにおける人気の写真は決定的な瞬間を撮っているものが多い」というものでした。「誰に」「何を伝えるか」の観点で見ると「Leicaの世界をもっと知りたい人へ、その素晴らしさを伝える」というのが目的になるのでしょうか。「決定的な瞬間を撮っている写真」は「ドラマチックな写真が撮れるLeicaの素晴らしさを伝える」という目的ために有効なのかもしれません。

つづく

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