ブログ(vol.14)双極性障害を治すためにできること

双極性障害を治すためにできること (vol.14)
2015年09月16日

どうも〜。

前回の日記からずいぶん長い時間が経ってしまいましたが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。

一週間に一回は更新の目標だったのですが、
元気になってやることも増えたら、あれよあれよと言う間に
あっという間に時間が過ぎていってしまいました。
約束が守れなくて申し訳ないです。

今後もぼちぼち時間を見つけて更新していきますので、
どうぞ気長にお付き合い願います。


昨日、毎晩寝る前につけている「自己チェック表」(アプリ)
を確認してみたのですが、安定期に入ってから長い時間が経過
していました。もうかれこれ1ヶ月以上になります。
苦しくて死にそうだった日々が嘘のようです。

自動的にグラフ化されるので、目に見えて変化がわかるのですが、
やはり大きなきっかけは、脳内物質の安定化を図っているお薬
を指示のあった通りにきちんと服用していたことなのが分かります。

お薬については、以前の日記(vol.3)で既に述べているので、
詳しくはそちらをご一読いただきたいのですが、
グラフを確認すると、明らかに2回目の診察のときに処方された
量のお薬を飲みはじめた3週間目からかなり安定しています。

その安定が低空飛行だったので、抗うつ剤をほんの少し(最小量の5mg)
飲むように言われて、それを服用し始めたのですが、それもかなり
私に合っていたようで、3〜4週間目にかけて変化が起きています。
4週間目を過ぎる頃には、気分が上がりはじめて、軽い鬱状態だったのを
乗り越えているのがグラフ上でも観察できます。

以前の日記にも書いていますが、少し気分が上がってきたときに、
「ものすご〜く注意」して、自分で自分に最大限の「ブレーキ」を
かけました。後々、それが大きな安定を生み出したような気がします。

このブログをきっかけに、十数人の双極性障害の方と定期的に
メールで情報交換を行うようになりました。
今回は、その中でも特に知りたいという声が多かった
「どうやって私が元気になったのか」をできるだけ
細かく書いていこうと思います。
最後までご愛読いただけると嬉しいです。

・・・・・ ・・・・・ ・・・・・

まず、分かりやすいよう 私個人が「回復のために行った方法」
について以下に箇条書きしてみます。

かなり大まかにまとめると、この3点がかなり大きなポイントです。

● 精神科医の実力
● 正しい薬の服用
● 自分の努力

これが私の『双極性障害回復のための3本柱』 です。
これのどれか一点でも欠けると治らないと思います。
なので、この3点だけは脳裏のどこかに止めておくと、
回復の役に立つはずです。

更に上の3点を詳しく見ていくと、

① 双極性障害の専門知識の高い精神科医を見つけた
② 指示のあった通りにお薬を飲んだ
③ 双極性障害について調べまくった
④ しっかり自分観察を行った
⑤ 回復までのステップ表を作って、実践した

が私が実際にやってきたことです。

以下に注意点を挙げつつ、詳細を書いていきます。

① 『双極性障害の専門知識の高い精神科医を見つけた』

まず、これが何よりも優先されるべき「第一歩目」です。
回復のためには先生の医者としての実力は必要不可欠です
私は自分の「回復のきっかけ」は「精神科医の力」だったと
今でも強く思っています。

「医者」というと誰でも信頼しがちですが、
例えば身近なところでいうと、腕のいい歯医者
とそうでない のがいるように、精神科医のレベルも
本当に人それぞれです。

いくら大学を卒業して医師の免許を取得していても、
医師だってみんな人間なのですから、
優秀なのとそうじゃない医師がいても、当たり前です。

ですから、「精神科医」と名のつく医師たちが
必ずしも双「極性障害に詳しい」かというと、
(経験上から言って)またそれは別問題だと思います。

特に、(以前も日記で書きましたが)この病気の研究は
医学史から見てもまだ「研究途中」にあり、
他の精神病と比べると新しいほうの部類に入ります。
その理由からまだお薬も開発途中
といっていい状態です。

なので、双極性障害の「知識と情報」をできるだけ多く
持っている先生に診てもらうことが大切だと思います

医者探しのポイントについては、別の日記(vol.2)に
書いていますので、そちらをご参照ください。

② 指示のあった通りにお薬を飲んだ

腕のいい精神科医を見つけて、診察が受けられるように
なったら、次に実行するべきことは
「処方されたお薬の服用方法を守ること」です。

いくら腕のいい先生に診てもらえるようになっても、
自分の勝手な判断で「効果がない気がするから、
飲むのをやめよう」とか「量を増やしてみよう」とか、
そういうことをすると、確実に回復しません。

精神薬の多くは、効果が現れるまでに約2週間は
かかると一般的に言われています。
私の場合は、3週間目で変化が現れました。

最初のお薬の時は、処方されたものが最小量だった
ので、あまり効き目が感じられませんでしたが、
その時も勝手に「増やしてみよう」とはせずに、
次の診察まで待って、大人しく様子を見ていました。

そして、1ヶ月後の診察の時に「あまり効果が
感じられない」と話し、先生の判断を信頼して、
受け入れていくうちに、段々と回復へ向かって行きました。

勝手な自己判断で薬の量や頻度を決めて
はいけません。そうすることで、ひどい場合は
更に健康を害したり、命の危険にまで発展します。

次の診察までの期間が、私の場合は1ヶ月だったので、
自分の様子を逐一メモして、先述したアプリの「気分表」
に記入していました。

そうすることで、自分でも毎日「自分観察」ができ、
次の診察のときに、先生に詳しく報告することができます。
自分観察は、自分にしかできません。
また、自分の身体の変化も一番自分がわかっているものです。

いくら腕のいい精神科医でも、あなたほどにあなたのことを
わかることはできないと思います。24時間365日一緒に
いて、自分を観察できるのは、自分以外にいません。

そんな中で、お薬の副作用や、気分の変化など
をしっかり記録して、密に先生と話し合ってください
記録があるのとないのでは、処方するお薬の種類や
頻度も変わってくると思います。大切なことです。

③ 双極性障害について調べまくった

これは、「腕のよい精神科医」「正しい薬の服用」に続く、
回復のために必要不可欠な「3本柱」のひとつです。

いくら腕のいい先生に診てもらい、正しいお薬を
処方してもらい、指示を守って服用しても、
「双極性障害」についての病識を深めていかなければ
回復には大変時間がかかってしまうと思います。

治りたいのであれば、時間と体力の許す限り、
専門書からブログなどの体験談まで、とにかく
調べまくってください。

私は双極性障害と診断を受けてから、
激鬱の時期を除いて、身体が動くようになり、
読み物を手に取れる気力が出てきたら、
これでもか というくらい読みまくりました。

そのときに気をつけるべき点は、
「回復した人」を探し出すことです。
いくら細かく闘病の様子がわかるブログや文章を
読んだとしても、当の本人が回復していないのであれば、
果たして参考になるでしょうか???
私は、ならないと思います。

腕のいいと評判の精神科医が書いた専門書
を読むことと、「回復して普通に生活できている人」
が書いたものを読み、参考にすること。
かなり効果が期待できるのは、この2点だと思います。

答えを持っている人にしか、答えはわかりません。

「治った人」「治したことのある人」の言葉に耳を傾ける
ことこそが、回復への大きなヒントになるはずです。

④ しっかり自分観察を行った

先述しましたが、自分観察は回復の上でとても大切です。
毎日記録することで、何がよくて、何が悪かったかの
自己チェックにもなります。

私は回復のカギのひとつに「気分の波の悪化の原因」
を自分なりに分析して、追求したことにあると思っています。

文献やブログの体験談を読みつつ、自分観察をしていく
中で、気がついたことがあります。

「自分にブレーキをかければ、落ち込みも減るのでは?」

ということです。

「ひょっとして、鬱から脱出して気分が上向きになった
ときに、力加減が上手くできていなくて、やりすぎたり
無理したりしているのではないか?」

「身体の悲鳴が聞こえないから、無理して、その結果
落ちて鬱になっているのではないか?」

自分なりに自分のことを分析してみて、

「鬱は原因ではなく、結果かもしれない」

と思えたのが、大きなきっかけでした。

それを機に、気をつけて「超スロー」で生活するように
していくことで、目に見えるように回復していきました。

これが、以前から書いてきている「10できると
思っても、2しかしない」方法です。

私の場合ですが、この方法は服用していたお薬の効果と
同じか、それ以上に効果が大きかったです。

この方法を始めてから、一度は軽いうつ状態に落ちましたが、
「続けてみれば、何か効果が期待できるかも?」
と信じてやってみることにしました。

そして、「軽いうつ状態」を乗り切って上向きの時期に
来たときに、「よし、この時期が来たか!」と思い、
ものすごく気をつけて、それこそ毎日「細心の注意」を
払いながら、自分を労わり、極力無理しないように
ブレーキをかけまくりました。

すると、落ち込むことが全くなくなり、
寝たきりなんてどこへ行ったやらの生活になりました。

かといって、躁の状態にもならなくなり、
感覚的に「あ、これで治っていくんじゃないかな」
と自分に期待が持てるようにまでなりました。

しばらくして、精神科医の先生からも
太鼓判を押してお仕事の許可もいただきました。

今は、気分も体調も非常に安定しています。
普通に以前と変わらない量のお仕事もしていますし、
食欲もあり、スポーツもして、お友達とも会ったり、
電話したりしています。

電話恐怖症になり、少しでも音がなると神経にさわる
ようだった半年前の自分が、本当に嘘のようです。
電話もメールも普通にできます。

私がいろんな患者さんと触れ合って、話をしていく中で
気がついたことがあります。
共通している「病気の原因」です。

2つ発見しました。
ひとつは「毒親」持ちであること。
そして、もうひとつは「自責の念」が異常に強いこと。

双極性障害の人は「自分を責める天才」です。

ですから、回復のためには上の2点を自力で
解決する必要が有ります。


「毒親」とは、距離を取ってください。
彼らはあなたを苦しめている最大の原因です。
とにかくコンタクトを取らないようにすることが
回復には必要不可欠です。

「自分」を責めないでください。
完璧な人なんて、この世に一人もいませんよ!
弱い自分も自分です。失敗するから人生です。
完璧な人生ほど、つまらない人生はありません。

短所は長所、長所は短所です。
あなたはそのままでいいんです。

「このままじゃだめだ」
「なんとかしなくちゃ」
「なんでこんなに弱いの?!」
「なんでこんなこともできないの?」

などなど。私も長い間自分を責めに責めてきました。
でも、そんなことしても何の意味もありませんでした。
意味のないどころか、「自責の念」は自分を殺す行為です。
それは自分に対する人権侵害ですよ。

自分をいじめないでください。労って、なぐさめてください。
病気が悪いのではなく、病気はあなたの身体の「叫び声」です。
悲鳴です。あなたが自分に無理をしいてきて、「身体の声」に
耳を傾けてこなかった「結果」です。

だから、「ごめんね」と自分に謝って、
これまで以上に自分に優しくしてあげてください。
我慢せずに、嫌なことは嫌でいいんですから。

アジアでは「アナと雪の(…なんちゃら)」というディズニーの映画が
大ヒットだったようですが、その主題歌の "Let it go" にもあるように
「あるがまま」「そのまま」を受け入れるのが回復するための鍵だと思います。

私はビートルズが大好きなのですが、鬱の時でたまに音楽が聴ける状態
まで少し回復してきたときに、よく "Let it be" を聞いていました。
歌詞も大好きです。「神様がそうしているんだから、そのままにしておきなさい」っていうメッセージに支えられてきました。

あるがままの自分を受け入れること。

これが、回復への大きな手がかりです。

最後のポイントの「⑤ 回復までのステップ表を作って、実践した」
については、まだ次の日記で詳細を書いていこうと思います。

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長くなりましたが、ご一読頂き、ありがとうございました

次回もお楽しみに。

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