今が一番最良のタイミングなのかもしれないを更新しながらとりあえず生き続けている

20歳になって少ししたら、終わりにしようと思っているんだ。多分、その時が、人生で一番たくさんの人に泣いて貰えると思うから』

なんでもない時に、すごく親しくはないけれど、なんとなく話す友だちから、急に言われた

彼は、自分の人生の中で、最高到達点になるだろうタイミングで人生を終えたいのだと言う

それは、自分という人間を、できる限り純粋な気持ちで惜別してくれる人たちに囲まれたタイミングが良いのだと

社会に出てしまえば、自分のことなど構うほどの余裕が相手になく、さらに歳を重ねた後になれば、純粋な『悲しみ』がなくなりそうだからと

10代特有の、ちょっと恥ずかしさすら漂う言葉という雰囲気ではなく、彼はなんでもないような、それが当然と言った風に話した

なぜ急に話し出したのかはわからない
わたしに聞かせようと思っていたのかもわからない

やたらと背の高い、歳よりも少し大人びた雰囲気は持っていたけれど、歳よりも幼い印象もある
思い出す印象がブレるくらいの距離感

その話をされたのも、なんのタイミングだったのかも思い出せない
ただ、20年以上経っても、なぜか時々、そのときの彼の顔や声色をぼんやりと思い出す

そして、時々自分に問う
わたしのそのタイミングはいつなのだろうかと

10代の彼から出てきた言葉が、20年以上、わたしの中に残って、時々、湧き上がる

きっとそんな事を言っていた彼も、変わらずどこかで人生を進めているんだとは思う
彼の言う、純粋な『悲しみ』を持たなくなった大人になったのか
それとも、今がその時だと思いながら過ごしているのか

その話をした季節も思い出せないけれど、彼の何とも言えない表情と声色を思い出しながら、自分自身の『その時』を思う



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