黒い砂浜
誰もいない浜辺を歩いている
自分の足跡は波に攫われ
海に溶けていく
だれにも見られずに消えるのなら
無駄じゃないか
思い返せば
ずっと昔から
こうしているような気がする
何のために始めたのか
もう覚えていない
もやにかかった波打際
歩いても歩いても辿り着かない
この砂浜に果てはあるのか
自分はどこから来たのか
どこに向かっているのか
自分の前に、ここを通った人はいるのか
ずっと前から分からない
ただ、
足を止めることができず
歩き続けている
いつか
海の向こうから舟がやってきて
自分を見つけてくれるのだろうか。
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